僕はお姫様
これを読む皆さん、ぜひこの作品のテーマ「このヒロイン実は…」を考えてみてください!
答えはあとがきに書かせていただきます。
ここはとある高校。かなり個性の強い人たちが集まる。僕はそんな高校で底辺の陰キャを極めている。そして僕は1つの秘密を持っている。それは僕―——三橋遥は女だということだ。じゃあなんで男装をしてるかって?それは中学生の時になるが…
―――――
「うわ、なんでここでこんな本読んでるのよ」
「ていうかこの小説少年視点のやつじゃん」
「身長高いし声も中性的だしもう男装しちゃいなよ」
「なんか似合いそうね」
「これ貸してあげるからトイレで着てきたら?」
「分かったわ…」
そうしてトイレに行って着替えてきた後
「すごい似てるわよ」
「もうそのままで生きたらどうかしら」
と言われていじめられた。一時はスカートが燃やされそうなかんじだった。さすがに先生が気づいて止めたがかなりやばい状況だった。そこで高校は少し遠くて出願者がいないこの学校を先生が推薦してくれた。卒業間際に知ったことだけどいじめられた理由は高身長であることと中性的な声が男子の間でウケて人気が高かったかららしい。
―――――
そういうことで僕はこの学校で生活している。第一印象を男にできるように一人称を「僕」にしたり髪を切ってメガネをかけて仕上げに陰キャっぽくした。と言って陰キャであるのは同じであるが。
「よっ、おはよ」
「あ、おはよう」
彼は僕の漫画友達で中村輝という。彼はいろんな絵を描くのが得意で漫画とかも余裕で書ける。そんな彼は漫研に所属している。
「そういえば昨日新刊出たよね」
「あー、出てたよね」
「買った?」
「いや~、まだ買えてないんだよ、昨日塾があってさアキバ寄る暇がなかったんだよ」
「ほら~、これ初回限定のシートだぞ」
「うわっ、エッロ!早く買いて―」
「こんなんでスゲー話が盛り上がったんだよ」
「今日こそ買いに行こ」
「1000円はかかるから気を付けろよ」
「うん、分かったよ」
輝は僕の性別を知ってる学校内の生徒だと彼一人だけだ。何回か女子たちに「三橋君が女子トイレ入ってます」とか言われても中学校の先生の友達が情報をリークしていて「そういうフェチだし気にすることはないよ」というような感じだ。いや、気にするがなっていうことなんだけれども。
「そういや今日の活動はあれな、漫画創作活動な」
「えー…やりづら…あれ苦手なんだよなー」
「ふふ…そうだと思ってこんなの買ってきました」
「えー!?それって『あの漫画家さんが使うあれ』じゃん」
「そう、『あの漫画家が使ってるあれ』だよ」
「なんていうのこれ」
「多分卓上照明…的な?」
「輝も分かってないじゃん」
「まあそうなんだけどな」
「何やってんだよ」
そう言って寺原翼がやってきた。彼女はいつも僕たち2人にかまってくる迷惑者だ。声は周りの女の人よりも低い。僕よりも低いくらいだ。それに彼女はリーダー性の素質がある人でこのクラスのマドンナだ。
「いや、ゴリゴリのクソ陽キャがなんで来てるんだよ」
「別にいいじゃん、これを見に来ただけだからさ」
そう言って輝のバックからラノベを取り出した。
「なんで取るんだよ」
「この本読んでみたかったんだよね」
「だったら図書館で借りればいいだろ」
「図書館だと20人待ちだし、学校にはおいてないからだよ」
「それだったらしょうがないか」
「そうだね~」
そう言って翼は輝の膝に座ろうとする。輝はそれに反応して手を彼女のお尻に向けて放った。どうやらクリーンヒットして彼女は床でもがいている。私は何してるんだろうと思いながら椅子を持って輝の隣に座った。周りにいる女子なんかは僕たち2人のことを冷たい目で見ていた。
「なんで男の人ってそんなに暴力的なの?」
「別にいいだろ、ギリギリ正当防衛なんだから」
そんな風に輝と翼は話している。正直僕にはわからない。だけどラノベを読もうとした点彼女もオタクなのかもしれない。
「そうだ、お前ら付き合えよ」
「「はぁ!?」」
「じょ、冗談だよね…?」
「いや、マジ」
「ねえねえ、このことどう思う?」
「なんか凸凹すぎるけど…」
「まあ面白そうね」
「う、うそでしょ…燃えるわ!最高よ!」
なぜかクラスの女子も賛同してしまった。こうなったら逃げるしか…
「おっと、逃がすわけないじゃん」
と男子たちに言われ逃げることも不可能になってしまった。
こうなったらもう付き合うしかないか…それで自分が女だってことを言って別れるしかない…僕の秘密がばれる代わりだけどしょうがない…
「分かった、私たちは付き合う」
「え!?」
翼は突然付き合う宣言されて僕は驚いた。こんな人が好みだったんだ、もし僕が男の子で生まれてたらな…と思ってしまう。
「それでいいよね?」
「う、うん…僕はいいけど」
「じゃあよかった」
そう言って僕に彼氏(?)ができた。
それからというもの彼女は僕にいろいろなことをしてくれた。弁当を作ってくれたり、学校で一緒にマンガを読んだりした。
ある時、僕は翼から校舎裏に呼び出された。僕にとってはちょっと辛い時間だった。
「ねえ実は話したいことがあるんだ」
「実は僕もあるんだ」
「じゃあまず自分からでいい?」
「うん、いいよ」
「実は私、男なんだ」
「へー…え!?」
「ごめん、夢壊しちゃって」
「いや、僕…女なんだけど…」
そう言って僕は上を脱いだ。胸のあたりはちゃんとさらしを巻いてる。そんな中彼は驚いて胸を見てる。
カサッ
「誰!?」
すぐに脱いだ服を着て僕は言った。
「げぇ、バレたか」
「いやいやバレたとかじゃなくて」
「なんでこんなことをしてたんだよ」
「え?だってそもそも2人とも性別偽ってたしそれだったらお互いにほかの人から狙われないからさ」
「その気持ちは確かにうれしいけど…!」
「まあ言ってることはあってるっちゃあってるけど…」
「そんなことで二人とも保身のために付き合っちゃえ!」
「そんなに気楽にできるものかぁ!!」
僕は輝に対して突っ込んだ。翼は
「でも私たち…いや、僕たちのために付き合ってくれませんか?」
「分かった。じゃあまずは2人でいるときの呼び名からだね。だって、僕の第一人称が『僕』で君の第一人称が『私』だから」
「確かに困ったなぁ、これじゃ世論的に頭がこんがらがっちゃうもんね」
「じゃあこうするのはどう?君の第一人称は『俺』で僕の第一人称が『うち』で」
「俺はいいけど君はどう?」
「恥ずかしいっちゃ恥ずかしいですけど『うち』も慣れですね」
「じゃあこれで決定ってことで」
僕は言いづらいけどこの話を持ち込んだ。
「今度デートに行きませんか?」
「ああ、別にいいよ」
僕たちは今度の日曜日秋葉原に行くことにした。
当日僕は予定より2時間早くついてしまった。どうせ翼君も30分前くらいに来るだろうし1人で音ゲーをするのには十分な時間だろうと思った。マンガとかラノベを扱ってる本屋さん(というよりかはどちらかというと普通の本屋さんより安いから問屋さんって言ったほうがいいのかもしれない)も12時に開店するけどゲーセンは10時開店だから遊ぶのにはちょうどいい。
「よし、今回こそはこの曲をクリアしてみせる!」
とまではいかないもののこれくらいの気持ちで行った。
僕が最初に座った台は6個のボタンと2個のつまみを使ってプレイする音ゲーだ。今、僕の学校で専門的にやっている人は僕だけだったからかなりの量を極めていた。そのためか、いろいろなゲームに応用できるようになっていった。基本的操作がボタンのアーケードゲームはそういうことを極めれば極めるほどたくさんの種類のゲームができるのである。
基本的にすべてのものが3回できるようになっている。まず16+のレベルを2回して17をプレイした。普通に見たら何やってるんっだというくらい難しいが何とも言いようない。
次に座った台は3個のボタンが1対と横と前に電車のハンドルみたいなものがついてる台だ。これも有名な音ゲーだ。このゲームは学校のゲーム班の友達に教えてもらったものだ。ただこの台はどこかで聞いたことがあった。
もちろんこの曲で僕はボカロ曲をやりまくった。
「じゃあ次どれ行こう?」
「じゃああの台に行く?」
「そうしようかな…ってなんでここにいるの!?」
そう僕は言った。なんとそこには翼がいた。存在感が薄かったのか僕が音ゲーに夢中になってたかは分からないが、とにかくびっくりしてしまった。
「いや、デートっていうことで結構緊張しちゃって…ていうかなんで君がここにいるの?」
「うち、多分家遠いと思ってたからさ…」
「ここまで歩けるの!?」
「うん、まあ歩けるけどさ…ていうかそんなことより台に移動するよ」
「オーケー、でもこの戦い、俺が勝つからね」
「おっ、かっこいいね」
「ちょ、いきなりそれはずるいって!!」
「プークスクス、そんなことで男ができるか」
「別にいいじゃん」
「そういえばなんで女装してたの?」
「俺、交通事故で母さんが死んじゃってね、再婚した義母さんが女好きで、子供は女じゃないと気が済まない!とか言っててさ」
「それは…大変だったね」
「それに早く彼女連れて来いって」
「なにその理不尽」
「ホント、俺嫌われてるのかな」
「でもこれで大丈夫そうかな…?」
「それはいいとしてはやく選ばないと。あと30秒だよ」
「え?あっ!忘れてた!ごめーん、ありがとう」
僕たちはこのゲームを遊んで別の階に行った。
「そういえばなんのゲームが好きなんですか?」
「俺はこんな車のレースみたいなゲームが好きかな」
そう言いながらお金を入れて席に座った。
僕も同じような感じで席に座った。
「これ、うち苦手なんだ~」
「それは大変だなぁ…」
そう言ってゲームが始まった。
結果は僕が勝った。
「なんで負けたの!?」
彼は試合のショックにかなりイラついている。僕は
「翼はカーブの制度が甘すぎるんだよ。もうちょっとカーブの時を早めないと」
と助言した。すると、いきなり、というか爆発するように翼のゲーム力はうまくなった。
「ホントだ、すげえや。やっぱ遥はゲームの天才だな」
「いや、うちはあくまで提案しただけ。それを聞いてすぐに実践できる人なんてなかなかいないよ」
「ホントにそうなのか?」
「そうだよ。輝にも同じこと言ったけどあの子はできるのに1か月かかったんだよ」
「確かにそう考えると俺すげえんだな。でもやっぱりそれを見抜くことができる君のほうがすごいよ」
「ありがとね」
「じゃあ次どこの台に行く?」
「じゃああの台行く?」
そういって指さしたのは昔流行った足で上下左右を打ち込むゲームだ。
「このゲーム昔おばあちゃんと遊んでたんだよね」
「へ~、ゲーセン行ってまでそんなにやりたかったんだね、君のおばあちゃん」
「違う違う、うちの実家にあったのよ」
「ふーん…え?」
「だから、おばあちゃん好きすぎてこの台1個買ったんだよね」
「君のおばあちゃんすごいね…俺でもそんなに行動力無いよ」
「まぁそんなのはいいとして君ははたしてこのゲームをクリアできるのかい?」
「ちょっと一回戦ってみよ」
「いいけど多分ボコボコよ」
「う…でも俺は挑戦してやるー!」
そう言って戦いがまた始まった。今回も僕が勝つと思っていたけど、というか圧勝できると思ったけど翼は意外と手ごわくてなかなかいい戦いだった。ただ、勝ったのはもちろん僕だった。
「ふう、こんなに気持ちいいのは久しぶりだよ」
「楽しめてよかったね」
彼はそう言って腕時計を見る。
「そろそろ12時になるよ」
「ホント!?うわっ、ホントだ!」
僕は手元の時計を見てそう言った。
「じゃあ早くあっちに移動しないと」
「うん、そうだね」
そうして僕たちは本屋さんに移動した。中にはグッズやマンガ、CDまで置いてあった。僕は彼の手を取って
「早く上に行くよ」
と言って階段を駆け上がった。
2階に着くと僕は目の前にある新刊売り場に飛び込んで買いたかったマンガを手に取った。
「よかった~…まだ初回限定のシートが残ってたよ」
「なんかお目当てのものとかあったの?」
「そうそう、このマンガ。これ前回のやつ初回限定のやつが8時間で売り切れになったんだよ」
「じゃあ買えてよかったね」
「うん」
そう言いながら僕たちは上の階に行ってラノベコーナーでラノベをたくさん見ていた。
「これが好きなの?」
「そうなんだよ」
「今度買って読んでみよっかな」
「じゃあ今度貸してあげるよ」
「ホント?ありがとう、なんかいつもより優しい気がするけど…」
「気のせいだと思うけど?」
「そうかなぁ…」
いや、絶対にちがう。普段は絶対にそんなことはない。というか、逆で借りる立場だ。
「あ、これうち読んだことある」
「このラノベね。俺も読んだことあるけど展開が意外すぎて少し苦手なんだよね」
「まぁ、それがこの本のいいところなんだから」
「そうなんだけどねぇ」
「そういえばどんなやつをいつも読んでるの?」
「うーん…異世界転生かな」
「意外すぎなんだけど」
「何を読んでると思ったの?」
「こんなやつ」
僕は棚から本を出した。
「なにそれ、ラノベなの?」
「エッセイが正解かな」
「いやいや、そんなのは読まないよ。ていうかやっぱそういうのじゃなきゃ燃えないかな、うん。ところでいつもは何読んでるの?」
「まさか振られるとはな…」
そう言って手に持っている本を棚に戻す。
「うちは学園系の物語が好きかな」
「例えば?」
「例えばかぁ…なんかあるかな、今はパッと名前が出てこないけど」
「…俺も転生系しか名前が出てこない」
「これは困りましたねぇ…」
「あ、それ古見さんの!?」
「よく分かったね」
「アニメは色々見てるからね」
「うーん、意外!」
「そんなに意外かな」
「だっていつもあんなにアニメ面白くないって言ってんじゃん」
「それとこれとじゃ違うんだよ」
「じゃあ何?」
「俺が好きなのは『原作』で派生型のアニメは苦手なんだよ」
「あー…なんかうちもそれは分かるわ」
「でしょ」
そう言って3冊の本を手に持った。僕たちは会計に向かった。
「お会計はご一緒でよろしいですか?」
僕たちは顔を見合わせて苦笑いをした。
「「別でいいですか?」」
「はい、分かりました。では、そのお嬢さんからでよろしいですか?」
「はい」
そうして翼が会計しに行った。
「お客様…」
「あ、この子女の子ですよ」
「そうだったんですね」
そう言って店員は会計を始めた。会計が終わった後、僕の本の会計をした。
「まさか本当か!?って顔してたよね」
「まさかそう来るかって感じだったね」
「ところでもう一回ゲーセン行っていい?」
「別にいいよ」
そう言って僕はゲーセンに行った。とりあえず5階に登ろうとした、その時だった。
「あれ?ここってほかにゲーム機おいてないのかな」
と、翼が言った。確かにそれは僕も気になることだ。それならば
「調べてみる?」
「じゃあ調べようぜ」
ということでどうしても気になったから階をいったん全部調べることにした。
1階はクレーンゲームになってた。たしか2階もクレーンゲームがあった気がする。3階はなんかのゲーム機が置いてあるだろうと思って、いやそりゃここはゲーセンなんだから何かのゲーム機が置いてあるんだろうと、突っ込んだ。
3階はどうやらファミリー向けのゲームだった。
4階はシューティングゲームになってて5階に音ゲーが入っている。6階にはレトロなゲームが置いてあった。7階にはパチスロとかの大人のゲームが入っていた。
「ゲーセンってこんなにたくさんゲームが入っていたんだね」
「初めて全ての階を階段で言ったよ」
僕がもう移動できないくらいくたくたになって言う。それに気づいて翼はおぶろうとしたがさすがに恥ずかしいのもあって肩を貸した。僕は肩を借りて
「よし、座ってできる音ゲーやるか」
座ってできるゲームはカート系のゲームと何個かの音ゲーがある。何個かと言っても1、2個だが。
「君が言ってるのはあれだろ」
「そうだよ」
僕はその台の空いてる席に座らせてもらった。
「そういえばなんでこんなことやってんの?」
「実は昔大変なことがあって」
そこで初めて自分の過去を打ち明けた。あまり乗り気じゃなかったけど「無理して話さなくってもいいから」と、言われたことを思い出して無理のない範囲で教えた。その上で
「その子たちよりも強気で出られたのはゲームだけってことで」
「じゃあなんでほかのゲームをしないの?」
「その子たちだんだんゲームがうまくなってて今じゃ負けそうなの」
「それでこのゲーム系だけはまだ勝てるってことなのね」
「もともとこれで大会行ったこともあるし」
「そうなんだ…」
そんなことを話しているとどうやらファンと名乗る人が現れて「戦わせてください」と言われた。僕は素直に「いいけどまずこの子に勝ってみて」と言った。
「なぜでしょう」
「この子は音ゲーの才能があるんだけどその才能がまだツボミみたいなんだよね。だから戦わせたいんだけど私だと負けた時に精神がボコボコになりそうで怖いから戦ってくれないかな?」
「なるほどですね。分かりました!」
「よかった~」
「え?なに?戦うの?」
「そうよ」
そうして翼とファンの戦いが始まった。僕が見ているためか、それとも二人の声が大きいかたくさんの人が集まってきた。
…そういえばこの声どこかで聞き覚えがあるな、誰だったっけ。
「あと少しでラスサビだ、がんばれ!」
「はい!」
そんな風にアドバイスしながらファンの人は戦った。
結果は…なんと引き分けだった。
「まさか同点だったとは…」
「対戦ありがとうございました」
「君確かに伸びるね!あとでメアド教えて」
「は、はい」
「さて、うちの出番だね」
「ん?何か一人称違いませんか」
「分かった、ルール破ってごめんね、翼」
「いや、俺は別にいいけど」
「じゃあやりますか」
「ちょっと手加減してくださいね」
「いや、"私"手加減しませんよ」
「まぁいいですよ、そっちの方が面白いですしね」
「そうですね、大城さん」
「なんで名前を…」
「どこかでお会いした覚えがありますし、誰だか思い出したら3年前の予選大会で僅差で負けた人と声が似てることを思い出しました」
「なんか屈辱的だけどまあいいでしょう」
「曲はそっちが選んでいいので」
「なんでですか、三橋さん」
「そうすれば十分なハンデになりますしね」
「なるほど…」
そうして選んだ曲は一番難しい曲…の1個下の曲だった。
「この曲はいつもやってる曲なんですよ」
「では、楽しみましょう」
「そうですね」
そうして試合みたいな対戦が始まった。
まずはレバーを左から右に…右手は右のボタンから左に…そしたら左に戻して壁ボタン!
そしたら…乱打!?これは片側のボタンで…左の壁ボタン!右にやって左にやる!そしたら…また乱打。
いいよいいよ、体が覚えてる…
「まだいける…」
ここは2つの緑ボタンを使って…それで乱打、覚えてるね…
戦いの結果…なんとか勝った。といっても1つでもミスしたらもう負けていたからだ。
「久しぶりに熱い戦いができました」
「いやこちらこそ懐かしく感じましたよ」
「最近はこの大会出てなくって心配だったんですよ、うちのチームから『あの子どこ行ったんだ?』っていう声がたくさんあったんですから」
「今は楽しい高校生活してるよと言っておいてください」
「それで気になったんですけど彼は誰なんですか?」
「自分の秘密を知ってる大切な友達ですかね…?」
「そうですか」
そうしてたくさん遊んだ感じをだして彼は離れていった。
「そろそろ帰ろっか」
「ちょっと待って翼君」
「どうしたの?」
「ここで言わせてほしいことがあるの」
「何?」
きっと断られるかもしれない。それにこれからの人生を変えてしまうかもしれない。それでもこの心は残り続けるだろう。その気持ちを持ち続けるよりもここで言ってしまうほうが楽かもしれない。だから…!
「うちは…翼君のことが大好きです。だから…」
「あのさ」
「ごめん!こんなことここでいうのは失礼だと思うけどさ…」
「いや、その言葉どれくらい待ってたと思ってんの」
「え?」
「じつは俺…ずっと前から君しか見てなっかったんだ」
「じゃあ両想い…?」
「…そういうことだな」
「やったー!!」
僕は翼君に抱き着いた。目から涙が出た来てたらしい。彼は抱きしめた後目にハンカチを当てて涙を拭いた。
「こんなものだけどよろしくな」
「…はい!!」
それから帰り道のことだ。
「そういえばいつうちのこと好きになったの?」
「入学式の時に、助けてもらったんだよ」
「そんなことあったっけ」
「ほら…」
―――入学式―――
「ヤバい…頭がフラフラする」
もうダメ…
バタン
「嘘、あの人階段から落ちそう!助けに行かないと…!」
ドカン
「ふう、何とかなった…じゃない、大丈夫ですか!?」
「あれ…?階段から…落ち…た…?」
「あ、これ保健室行だね」
「うん…?ここはどこ?」
「あ、目が覚めた、よかった~」
「君は誰?」
「僕は名乗る人ではないかな、しいて言うならただの弱者ってところかな」
「ありがとう…」
「どういたしまして。あ、先生こっちです~。それじゃあね」
「かっこいい…」
―――――
「そんなことあったね~」
「ほんとあの時は助かったよ、ありがと」
「いやいや」
するとどこからか足音が聞こえてきた。
「三橋さん何してるんですか」
「あ、マネージャーさん。この子伸ばしてたんですよ」
「どういうことですか」
「この子、多分伸びますよ」
「ほんとですか」
「ほらほら、挨拶!」
僕はにっこりと笑って背中をポンとたたいた。
「どうも、寺原翼です」
「どうも。ところで三橋さん、この子、なんで伸びると思ったんですか」
「さっき大城さんと戦ったんですよ」
「何してるんですか!」
「大丈夫ですよ、専門外のやつなんで」
「ならいいでしょう…」
「それで1戦だけ彼にやらせてみたんですけど彼、大城さんと同点だったんですよ」
「それ本当ですか?」
「ほら、これ証拠です」
「ホントだ、でも多分契約金払えないでしょうし」
「なら僕の契約金半分にして入れてもいいでしょうか」
「なるほど…確かにそれならいいかもしれませんね」
「じゃあさっそく本社に連絡お願いします~」
「まったく、人使いが荒いんだから…」
「すいません、迷惑かけて」
「いやいやいいんですよ、それに彼女最近スランプ気味でしたので元気になってよかったです」
「そうだったんですか。さっきの試合勝ってましたから」
「え!?スランプ脱却…これはいい選手に彼女の成長も期待できる…一石二鳥だわ」
「は、はぁ」
「もしかしたら私がマネージャーになるかもしれないのでその時はお願いね」
「はい」
そうして翼は無事プロゲーマーになったのだが彼のもともとやってた系と音ゲー系の2種類で活躍してまさかあの伝説のゲーマーよりもすごい人材だったことは私とマネージャーと輝しか知らない。
―――――
「今回の大会は寺原夫婦ペアの勝利!!これで大会4連覇を達成!!」
「今回、準優勝の大城・田中ペアもいいところまで来たんですけどね、惜しかったですね」
「今回の勝敗を分けたのは乱打でしたね」
「はい、まさか翼選手まで三橋乱打を使ってくるとは思ってもいなかったですね」
「考案者の三橋遥選手以外使えない技術をまさか旦那様も使ってくるとは思いませんでしたね」
「そうですよね、それに寺原翼選手の寺原技も使ってくるとは思いませんでしたね」
「そういえば遥選手、子供がいるらしいですよ」
「じゃあ聞いてみますか」
「翼選手、遥選手、優勝おめでとうございます!」
「ありがとうございます」
「遥選手、子供が前できたという噂ですがこれは本当なのですか?」
「はい、ここにいます。これで3人目なんですよ」
「お子様とのサバイバルゲームも優勝していますからこの子もきっとゲームが強い子供になってほしいですね」
「そうですよね、それと元気に音ゲーを楽しんでほしいですかね」
「なぜ音ゲーを?」
「実は旦那さん、この界隈に入るきっかけは音ゲーだったんですよ。だからこのおなかの中の女の子も元気に音ゲーを通じて楽しい人生を送ってほしいかなって」
「この夫婦と小さなお嬢様に大きな拍手を!!」
これを読んでくれた皆さん、本当にありがとうございました。
前書きに書いた答えは「このヒロイン実は男の子だった!?・自分だった!?」
ということでした。
面白かったなぁと思った方は「いいね」や「コメント」、「高評価」よろしくお願いします!