$:灯り
「ウッ…」
まぶしい光りが俺の睡眠を邪魔した。
「またあの夢か…」
俺は今ベッドの上だ。
昔の生活とは考えられないくらい180度変わっていた。
何故かって?
理由は今俺の隣で気持ちよさそうに寝息をたている女、季香のせいだ、いやおかげかな。
俺と季香は付き合っている。
「んっ…誠おはよう」
「おう、おはよう季香」
季香はかなり眠たそうだ。
「お前今日は大学行くのか?」
「今日は午後の講義だけだよっ」
嬉しそうに季香は答えた。
「誠は仕事行くの〜?」
いつ聞いても季香のしゃべり方は甘え口調で調子が狂いそうになる。
「あぁ今日も仕事だ。今日は昼からだけどな」
こんな俺でも今では働いていた。
まぁなんにしても大した仕事なんかじゃない。
「今日もしっかり家を建ててくるんだよ♪」笑いならが季香は言った。
そう俺の仕事は大工。まぁ表向きはな。
俺は季香に一つ重大な隠し事をしている。
表向きはちゃんと仕事をしているよき彼氏。
だが実際の俺はただの…
犯罪者…
きっとこれがバレたら季香とはさよならだ。
季香は真面目なお嬢様だった。
俺が最も憎む部類の人間。
だがこいつだけは…季香だけは俺に灯りをくれた。
「季香?」
季香はすでに眠りについていた。
仕方ない、昨日は2人で夜遅くまで話していたからな。
「おやすみ」
俺は季香の頬に優しくキスをして気持ちよく眠りについた。