円安の今こそ自給率の向上を
初出:令和6年6月29日
28日午前中、外国為替市場で円相場は1ドル=161円台まで円安が進みました。1986年12月以来、37年半ぶりの歴史的水準を更新しました。
Q:円安ドル高はこれからも進むでしょうか。
A:進む
B:進まない
いかがでしょう。
過度の円安は日本経済にとってよくないと思いますが、私が気になるのはせっかくの円安を利用して国内自給率を上げようと唱える評論家がほとんどいないことです。
円高であれば、たとえば国産の食糧や農作物より外国から輸入した食糧や農作物の方が安いです。この結果、消費者は輸入品ばかり買い、国内の食糧自給率は下がります。
ところが円安になれば、国産の食糧を国民は消費しやすくなり、国内の自給率は上がります。
スーパーで納豆、醤油、豆腐を買ったときに包装のラベルをよく見ると、材料である大豆が米国産であることが多いです。
大豆は米と並ぶ、日本人の主食でしょう。その大豆の多くが輸入品とはおそろしいことです。
外国が大豆を日本に輸出しなくなったらどうでしょう。あるいは価格を吊り上げたらどうでしょう。海外業者が値上げしなくでも、円安の今、食費が上がっていることを私たちは実感できるのではないでしょうか。
今こそ大豆の国内自給率を上げるべきです。
まず財とサービスを生活必需物資と娯楽品・贅沢品に分けます。次に生活必需物資は国内自給率の確保を目指し、娯楽品・贅沢品に関しては行政はできるだけ助成も規制もせず、民間企業に自由に任せます。
助成をしないことから娯楽品・贅沢品の市場は小規模になり、大企業でなく中小零細企業が扱います。
一方、食料自給率を含む生活必需物資の自給率は、国家プロジェクトとして向上させるべきです。
1. 国内自給率
ところで日本では食料自給率など、生活必需物資の自給率がなぜ低いのでしょうか。
陰謀論的には日本は米国の実質的植民地です。日本の宗主国である米国が意図的に日本の自給率を下げているという見方があります。
水道の外資民営化などが典型ですが、ここ最近、日本の様々な産業が外資企業、または外資ハゲタカファンドに買収されています。
日本を支配するには軍事力以外にも国内自給率を奪うことが有効だと米国は考えたのでは。自給率を奪えば、食糧など生活必需物資の供給をストップすると脅せば、日本は米国の命令に従わざるを得ません。
日本が真に独立国となるために国内自給率が重要であるという考えを国民全員が共有するこが必要でしょう。
2.世帯・個人自給率
国が別の国を支配するために相手国の自給率を意図的に下げるという話をしました。
これは国家と人民の関係にも当てはまります。
国家は人民を支配するために、意図的に人民の自給率を下げているのではないでしょうか。
江戸時代の人民である本百姓は毎月のガス・水道・電気代の支払いに悩む必要はありませんでした。上水は井戸、下水は肥溜め。エネルギーは薪を燃やして調達しました。
そして自分の庭で稲作をして食糧を確保していました。
ところが現代社会では私たちは金を稼がなくては生きていけない状況に追い込まれています。
毎月、ガス・水道・電気代や家賃を払わなくてはいけません。その他、食費もかかります。
自給自足は金を稼ぐ労働から私たちを解放しますが、現代国家は私たちに金銭労働を強いることで私たちを支配しやすくしているのかもしれません。
こういうことにも気づく必要があります。
3.地方自治体自給率
ところで農村地帯はともかく、都市の住民にとり、自給自足の生活は現実的に無理でしょう。
そこで提案したいのが、ローカル地域の高自給率です。
明治維新後、廃藩置県がありました。
江戸時代、現在の都道府県は”藩”という独立国家でした。それを中央集権体制にするために都道府県に改変したのです。
ここから推測されることですが、江戸時代は一つの県内で生活必需物資の自給率は高かったのではないでしょうか。
もちろん江戸時代の物質的豊かさは現代人のそれと単純に同一視できるものではありませんが、私が言いたいのは日本は一つの県内で自給圏がほぼ完結できるということです。
日本国内で高い自給率を目指すのでなく、都道府県内、できれば市町村内という狭いエリアで高い自給率を目指せないでしょうか。
地産地消という言葉がありますが、農作物だけでなく工業製品まで含めた全産業の地産地消が望ましいと思います。
一つのエリア内で生活必需物資を多くを生産し、それを他に転売するのでなく、その地域内で消費するのです。
国内自給率が低いと日本は外国から支配されます。
一方、国内自給率が高いだけでは、人民は国に支配されます。
人民が家族単位で自給自足できれば国の支配から解放されますが、これは現実的ではありません。
同様に都道府県または市町村内で自給率が高いと、人民は国のかわりに都道府県または市町村に支配される理屈になります。
ところができるだけ狭い地域(つまり都道府県よりは市町村が望ましいですが)を直接民主制にして、社会インフラの建設などに意見を言える立場になったらどうでしょう。
人民は部分的には市町村に支配されますが、ある程度まで自立を担保できるのではないでしょうか。
以上、円安からかなり脱線しましたが、自給率の重要性について私たち一人一人が意識的になるべきだと思うのです。
(つづく)




