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川勝知事とリニアとピラミッド行政

初出:令和6年4月5日


 数々のお騒がせ発言で知られる静岡県の川勝知事が、このほど六月に辞任する意向であることを明らかにしました。


Q:川勝知事の辞任をどう思いますか

A:喜ばしい

B:残念だ


Q:リニア新幹線の開通についてどう思いますか

A:賛成

B:反対


 いかがでしょうか。

 マスコミは川勝知事バッシング一辺倒の感があります。

 直接的には県庁の入庁式で、公務員は他の仕事についている人より頭がいいといった発言が問題視されているようですが、これまでにも川勝知事の多くの発言がマスコミのやり玉に上がりました。


 ところで映画やテレビドラマには善玉と悪玉のキャラクターが登場します。しかし現実の世界では、完璧な善玉も完璧な悪玉も存在しません。同じ人間があるときは良いことをし、あるときは悪いことをします。だから彼/彼女を善玉か悪玉に単純に分類できないはずです。

 その一方で、マスコミは現実の人間を完璧な善玉か悪玉に分けて報道するのが得意です。

 日本のマスコミはロシアのウクライナ侵攻以降、プーチンを悪玉、ゼレンスキーを善玉と報道しています。大谷選手は善玉、通訳の水原氏は悪玉。

 同様にマスコミは川勝知事を悪玉に分類しているようです。


 ではなぜマスコミは川勝知事を嫌うのでしょうか。

 おそらく川勝知事がリニア新幹線の建設に反対しているからでしょう。

 リニア新幹線のプロジェクトを推進している支配者層側からしたら、川勝知事は目の上のたん瘤です。そこでマスコミを使って、川勝知事の様々な発言の片言隻句を問題発言としてあげつらい、バッシングしているのではないかと思うのです。


1. ワクチン報道はマスコミの論理破綻

 数ある川勝知事バッシングの中で、一番ひどいと思ったのはワクチン関係の発言についてです。

 川勝知事は県民にコロナワクチン接種を推奨する一方、自分は「打ったら死ぬ」から接種していないと発言し、これをマスコミがバッシングしました。県民のワクチン被害を拡大させながら、知事自らはワクチンが毒だと知っているので接種しない。これはけしからんというのがマスコミの弁です。

 ところがよく考えるとこれは反ワク派でなければ出てこない意見です。


 これまでマスコミはコロナワクチンが安全だと言い続けました。その一方で未接種者はコロナ死する危険性が高いとしました。だとしたら川崎知事は県民の命を自分の命より優先したとして、マスコミは賞賛すべきではないでしょうか。


 一方で反ワク派、または陰謀論者側の意見としては、川勝知事の言動は今どきの日本の政治家としてスタンダードだと思うのではないでしょうか。自分はワクチンが毒だと知ってるから接種しないか、プラセボ(偽薬)を注射する動画をメディアに拡散させ、国民には毒ワクチン接種を推奨する。反ワク派にとり、これは悪いことですが、実は川勝知事以外にもほとんどの政治家が同じことをやっているわけです。彼一人をバッシングしてもしょうがないというのが反ワク派の意見でしょう。


 まずはマスコミがワクチンは毒だと公式に報道し、世間に周知させた後で川勝知事を批判するのが筋ではないでしょうか。


2. ピラミッド行政は時代遅れ

 かつて高度成長時代に新幹線が建設されたとき、批判的な意味でピラミッド行政と揶揄されました。

 莫大な税金をつぎ込んで巨大なプロジェクトに投資することがピラミッド行政です。

 新幹線の建設は批判的意見もあったようですが、日本経済の発展にも貢献し、総合評価でみると結果的に成功したといえるのではないでしょうか。

 ところが現在のリニア中央新幹線の建設はどうでしょう。今はあのころの高度成長期とは違います。国民を幸福にする設備投資とは思えません。

 膨大な税金を巨大なプロジェクトに投資するのをやめ、国民に税金、富、土地などを返却したらどうでしょうか。


 国民は十分に増えた可処分所得でこれまでの倍の面積の土地を所有し、そこにこれまでより大きい邸宅を建てたらどうでしょう。

 これまでは国民はうさぎ小屋に住み、近所にりっぱな行政の箱物がありました。今後、建築業者は箱物建築をやめ、国民に豪邸を建てるのです。

 都心に広い土地を買えるわけがない、というなら地方に住むのはいかがでしょう。

 地方には職場がない、というなら地方に企業を移転してはどうでしょう。全国規模の大企業が地方に支店を作るのでなく、大企業を分割し、都道府県、または市町村ごとに中小企業の本社を作ります。


 労働時間も問題です。週に三日勤務し、月火水組と木金土組の二交替にすれば週休四日です。週に二日勤務し、月火組、水木組、金土組の三交替にすれば週休五日です。

 国民の休日を増やす必要も、子育て休暇など複雑な制度を作る必要はありません。


 国民の所有する土地や家屋の面積を増やすこと。国民の自由時間を増やすこと。給料が同じでも、生活に豊かさを感じられるのではないでしょうか。

 労働時間を減らしたらGDPが激減する、というなら、むしろこういう生活が可能になるための技術開発の研究に行政が民間企業と一体となって取り組むのはいかがでしょうか。

 リニア新幹線より、こちらの方が国民をダイレクトに幸福にするプロジェクトだと思うのですが。


********


 以上、かなり脱線しましたが、川崎知事のマスコミのバッシングとリニア新幹線建設の両方に異議あり、というのが今回の結論でしょうか。


(つづく)

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