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「C:富士山」を探せ! 時事問題のプロパガンダ分析  作者: カキヒト・シラズ


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「セクシー田中さん」をめぐる原作レイプ問題

初出:令和6年2月2日


 漫画「セクシー田中さん」の原作者で漫画家の芦原妃名子氏が自殺しました。

 原因は広義の”原作レイプ問題”のようです。

 「セクシー田中さん」はテレビドラマ化されましたが、芦原氏は内容が原作と離れているため、ドラマ制作側にクレームを出し、途中からドラマのシナリオを自ら執筆しました。

 ところがこれまでシナリオを担当していた脚本家、相沢友子氏はこのような措置に対して批判的なコメントをSNSに発表。すると業界関係者はもとより、ドラマの視聴者、漫画の読者からコメントでSNSは炎上しました。

 芦原氏はこのために自殺したのでは、と思われています。


 さてクイズです。

Q:「セクシー田中さん」をめぐる一連の出来事についてどう思いますか。

A:原作者の芦原氏が正しく、脚本家の相沢氏が悪い

B:原作者の芦原氏が悪く、脚本家の相沢氏が正しい


 いかがでしょうか。

 私の「富士山回答」は、おそらくこれも一種のスピン報道ではないかと思うのです。

 去年の年末のジャニーズ問題といい、松本人志問題といい、昔からみんな知っているようなことをわざと大ニュースに仕立てて肝心のニュースを報道しない。これはスピン報道の典型です。


 ダウンタウンが有名になったころ、松本人志氏のエッセーがベストセラーになりました。私はその本を読んでいませんが、帯の広告は覚えています。それによると、松本氏曰く「売れっ子芸能人になると、たくさんの女性芸能人とエッチできますか、とよく質問されるが、そのへんの話を書いた」というようなコピーだったと思います。

 つまりセクハラがいいかどうかはともかく、いまさらなぜこんなことがニュースになるのか、というのが私の松本人志問題に対する感想です。


 ツイッターでは有名人の訃報が出ると、ワクチン接種との関連を指摘する反ワク派と、そのツイートを火消しするワク信工作員のバトルになります。

 今回、芦原氏はワクチン死でなく、自殺ということで、ワク信派の反ワク派へのカウンターパンチになったのでは。私はこんなふうに邪推しています。



1.さっきー氏の”大人の回答”


 さて、元テレビディレクターでユーチューバーのさっきー氏は、今回の事件について、原作者と脚本家が責められるのでなく、出版社とテレビ局の責任者が責められるべきだとしています。

 また漫画をテレビドラマ化する場合、漫画の宣伝になるというメリットはあるが、原作レイプは通常発生するものなので、原作者は原作レイプが嫌ならテレビドラマ化は断るべきだし、テレビドラマ化を承諾するなら、「(原作を)煮るなり焼くなり好きにしろ」ぐらいの気持ちが必要だとしました。

 さっきー氏の意見は正論であり、”大人の回答”といったところでしょうか。

 これに対し、マスコミは連日、原作者と脚本家のどちらが悪いのか、といった議論に終始してますが、これはさしずめ”子供の回答”のように思えます。



2.部分原作を提言


 またさっきー氏は、テレビドラマは漫画を原作とするのでなく、オリジナルのストーリーのドラマを主流にすべきだとしています。

 なぜテレビ局はオリジナルのドラマより、漫画や小説などの原作からドラマを作りたがるのでしょうか。一つにはベストセラーの漫画や小説を原作としたドラマでは、原作のファンがテレビドラマを見てくれると想定されます。

 しかしながら現実的にはテレビの方が他の媒体よりも多くの鑑賞者を獲得するので、漫画や小説の方はテレビドラマ化で読者を増やせるが、テレビの方はそれほど得をしていないのではないでしょうか。


 テレビがオリジナルドラマを作った場合、アイデアが似ていたら、漫画や小説の原作者からクレームがくる危険があります。

 記憶は曖昧ですが「金田一少年の事件簿」の漫画かアニメは発表されたとき、ミステリー作家の島田宗司氏がアイデアを盗作されたとして裁判沙汰になった事件がありました。

 すべてのストーリーをそっくりそのまま真似したわけではないでしょうが、殺人事権のトリックの部分だけ島田氏の小説に似ていたようです。

 こうした危険を回避するため、テレビ側はあえて原作のあるストーリーを採用しているのかもしれません。

 ここで提案ですが、”部分原作”という概念を提言します。アイデアの一部を漫画や小説から盗用するがストーリー全体としてはオリジナルのドラマを作るのです。

 テレビドラマはオリジナルストーリーを主流にし、漫画やドラマを読んで似たアイデアを見つけたらそこに部分原作料を払って契約書を作るのです。こうすればアイデアが似ていても訴えられることはありません。



3.マーベルコミックの実写映画


 日本の漫画やアニメは実写化するとよく原作レイプだという声が上がります。原作のイメージと違うからです。

 ところが米国のアメコミの実写化は原作レイプという声を聞きません。映画を観た人がコミックのキャラクターがそのまま実写化したという感想を持ちます。

 これは一体、どうしてでしょうか。

 実はアメコミでも微妙に原作レイプは起きているのです。少年時代の70年代にXメンをマーベルコミックで読み、大人になってから漫画は卒業し、中年になってからXメンの映画を観た人は、原作レイプ感を抱くでしょう。

 私はかつてマーベルコミックを定期購読していた時期があります。

 一連の「アベンジャーズ」の映画シリーズの始まる数年前、マーベルコミックから「Ultimates」というコミックが連載開始しました。

 これは推測ですが、マーベルコミックの映画の制作発表より、コミックの映画化は数年前から決定しているのでしょう。キャラクターの俳優が決まり、衣装合わせが済んでから漫画家がコミックを書くとしたらどうでしょう。

 映画の俳優のコスプレとコミックのキャラクターはそっくりになります。

 たとえばもともとニック・フューリーという眼帯をしたキャラクターはGIカットの白人でした。ところが「Ultimates」では、禿げ頭の黒人です。そしてマーベルの映画でも禿げ頭の黒人。

 俳優がコスプレでコミックのキャラクターを真似たのでなく、俳優の衣装合わせの現場で漫画家がデッサンし、それをコミックに載せているのでは。私はそんなふうに邪推しています。


 いずれにせよ、メディアミックスで原作レイプを徹底的に避けるには、映画会社と出版社の綿密な連携などが有効な手段かもしれません。


(つづく)

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