楽天モバイル問題と「光の道構想」
初出:令和4年9月28日
総務省は現在、「携帯電話用周波数の再割当てに係る円滑な移行に関するタスクフォース」を設置しています。
これに対し業界の新規参入企業である楽天モバイルはプラチナバンドと呼ばれる周波数800M/900MHz帯の免許取得を要求しています。
一方、既存企業であるNTTドコモ、ソフトバンク、KDDIの三社は楽天モバイルの主張を牽制。楽天モバイルがプラチナバンドを取得すれば、通信速度が下がり、混線が起きる可能性があるとのこと。これを回避するために基地局にフィルターを挿入するなど設備費が発生し、これを楽天モバイルが負担しないかぎり、同社のプラチナバンドの取得に反対しています。
しかしながら楽天モバイルは既存三社のプラチナバンド独占は”既得権”とし、こうした金銭的負担なしでプラチナバンドを取得したいと考えています。
ここでクイズです。
Q:楽天モバイルの主張をどう思いますか
A:正しい
B:間違っている
さて、いかがでしょう。国民の利益を考えたとき、どういう選択肢があるでしょうか。
ニュースだけ読むと楽天VS既存三社の対決に見えますが、この問題には総務省も関係しています。
1.ソフトバンクの「光の道構想」
みなさんはソフトバンクの孫正義氏がかつて提唱した「光の道構想」を覚えていますか。
ブロードバンドを家庭を含め、あらゆる建造物に設置。1500円/月の料金でインターネットは使い放題。家庭では固定電話、ケーブルテレビ、PC、そしてWIFIに接続したスマホがこの料金で使用できるというもの。どんなに使っても通話料は1500円/月のまま。これにはPCのインターネット使用料金も含まれています。
ただし、WIFIなので屋外ではこの通話料でスマホは使用できません。屋外で使用したい人には5GやWiMAXを使用し、別途、通話料がプラスされます。
孫氏のよれば、スマホは70%が屋内で使用されるとのこと。だから5GやWiMAXがどうしても必要な人は少数派だと説明しました。
いかがでしょう。スマホよりPCを使う人にとっては魅力的な料金プランです。
ところがソフトバンクが安倍政権下でプラチナバンド800MHzを取得すると、なぜか孫氏は「光の道構想」案を引っ込めました。
私は「光の道構想」に期待していただけに、このとき孫氏に裏切られた思いでした。
国民の潤沢なIT生活を満喫するための「光の道構想」。ところが孫氏は国民利益でなく、ソフトバンクの利益もしくは自分自身の利益を優先したのです。
もしかしたら孫氏はプラチナバンドを取得する目的で「光の道構想」キャンペーンを仕掛けて行政を揺さぶっただけなのかもしれません。
しかしながら、ここでもう一度、「光の道構想」を見直してみましょう。
2.NTTの官営化と大手キャリアの解体
まず5Gありき、キヤリア大企業ありきという考えから脱却してみましょう。
私はNTTを電信電話公社のような公共組織に戻すべきと考えます。
その上で光ファイバー代として通話料1500円/月を電電公社に払います。屋内にいるときはどれだけ通信機器を使用してもこれ以上の通信料はかかりません。
また大手キャリアは解体してローカルの中小企業に分割し、WiMAXのキャリアになります。
スマホはキャリア主導でなく、端末メーカー主導であるべきだ、というのが私の昔からの意見です。
ユーザーは端末購入後、自分でキャリアを選択できます。もっともスマホを屋外で使わない人は電電公社に月額通話料1500円だけを支払います。
3.電電公社、国鉄、郵便局
昔、NTTは電電公社でした。またJRは国鉄でした。郵便局は今でもありますが、昔は国営でした。
民営化して国民に好評だったのはJR。逆に不評だったのは郵便局。NTT はその中間ぐらいでしょうか。
国鉄の場合、以前は駅員が役人のように威張っていたのに対し、民営化してから駅員が親切になったこと。また国鉄時代、国労がときどきストを起こして通勤電車を停めていましたが、JRでは国労がなくなったおかげでこうしたことがなくなったことなどが、民営化が国民に好評だった理由でしょう。
いずれも陰謀論的には米国の外圧で決められた民営化です。
NTTと郵便局は国営化に戻してはいかがでしょう。
(つづく)




