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「C:富士山」を探せ! 時事問題のプロパガンダ分析  作者: カキヒト・シラズ


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脱大企業優先主義からの電子立国復活への道

初出:令和3年12月24日


 三菱電機の品質不正がニュースになっています。

 外部弁護士らによる調査委員会は、5拠点で29件の不正を確認したと発表しました。

 自動料金収受システム(ETC)設備の試験方法に不備。電波法違反に該当する事案。非常用発電設備の動作不良では人命に関わる事故が発生する危険もあるとのこと。

 さて、クイズです。


Q:三菱電機の品質不正をどう思いますか?

A:三菱が悪い

B:三菱は悪くない


 東芝の解体。ルネサスエレクトロニクスの半導体工場の火事。ソフトバンクのARM株売却。日本の大手電機メーカー、および日本の半導体産業が次々と衰退していくニュースが今年は相次ぎました。

 陰謀論的にはルネサスの工場の火事は外国スパイによる放火とされているようです。

 こうしたことを考えると、ニュースの字面通り、ただ三菱が悪いとするのではなく、外国スパイ勢力の陰謀が不当に三菱を貶めているのかもしれない、という気もします。

 しかし一方で、大企業優先主義の日本経済に対して、あるいは従来型の金融資本主義に対して、見直しが必要なのではないかとも思うのです。



1.資本の集中から分散へ


 これまでの日本経済は大企業優先主義でした。

 かつて70年代、個人商店が全盛で、家庭の主婦たちはスーパーマーケットでなく、近所の八百屋さん、肉屋さん、魚屋さん、豆腐屋さん、米屋さん、パン屋さんで食料品を買い求め、金物屋さんで調理器具を購入したものです。

 個人商店は大通りに面した二階建てで、一階がお店、二階が商店主の住居になっていました。大店法が廃止されてから、今ではこういうお店はシャッター街になっています。

 消費者側としてはきれいで広いスーパーマーケットやショッピングセンターで買い物する方が快適なので、私は70年代の個人商店をそのまま戻すべきだとは思いません。あくまで個人商店主にとり、こうした世の中の流れは好ましくないだけです。

 ただしこれからの時代、モノづくり個人商店、メーカー型個人商店が復権してほしいと思うのです。


 かつて総合電機メーカーが独占していた家電市場ですが、今ではジェネリック家電が市場に参入しています。この流れをさらに加速し、個人商店規模の電機機器メーカーが作れないでしょうか。

 店舗がなくてもネット通販で営業できます。工場がなくてもファブレスという形態があります。また小規模生産なら、作業場程度のスペースでも工業製品を製造できるでしょう。

 大量生産、大量消費の時代は大昔に終わりました。工業製品の生産方式も多品種少量生産に舵を切り替えました。

 パーソナル・ファブリケーション、オープンソース・ハードウェア、ラピッド・プロトタイピング......。こうした業界用語が示す新技術が意味するものは、個人商店規模の電機機器メーカーの到来です。

 かつてホワイトボックスと呼ばれるPCメーカーのベンチャー企業が盛んに起業した時代があります。家電についても、近い将来、似た状況がくるのではないか、というのが私の予想です。



2.ビールメーカー数増大がビールをおいしくした


 80年代以前、日本にはビールメーカーが四社しかありませんでした。キリン、アサヒ、サッポロ、サントリーです。ところが1994年の酒税法改正から、最低製造数量基準が緩和され、多くの企業がビール業界に参集しました。

 ビールメーカーは発泡酒まで含めれば、今では100社以上あるでしょう。

 4社しかメーカーがなかった時代にくらべ、ビールはまずくなったでしょうか。あるいは品質管理面などで昔より問題が発生したでしょうか。

 おそらくそうではないでしょう。ビールの種類が増えたことで日本のビール文化は発達しました。つまりビールはおいしくなったのです。今の方がビールの消費者にとってありがたい時代と言えます。

 電機メーカーについても同じことが言えるのではないでしょうか。



3.アフターコロナの世界


 コロナ騒動は三か月で収束するという意見をネットで2件見つけました。一方、後2年間は続くという意見も1件見つけました。

 どちらが正しいのかわかりません。ただ多くの識者が指摘していますが、コロナが終わった後、世の中は完全には元通りにはならないとしています。

 元通りになるものもあるかもしれませんが、以前とは世の中は少し違っているというのです。ただし何がどう違っているのかは識者によって意見が分かれるようです。

 いずれにせよ、これまでの常識や価値観が少し変わるのは間違いないでしょう。

 日本経済が大企業優先主義から脱却する。これが私の希望的観測です。


   (つづく)

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