大阪なおみ選手の報道と日本人アイデンティティー
大阪なおみ選手が全米女子テニスオープンで優勝しました。
これは人種、国籍に関係なく、すべての女子テニス選手にとり、大変な快挙であることは間違いありません。しかしながら、ネットでは彼女に対するブーイングが目立ちます。
彼女はハーフで見た目も日本人らしくなく、インタヴューでも英語はペラペラなのに日本語はたどたどしいからでしょう。むしろ外国人選手に見えます。
ここで正解のない二択クイズ問題をどうぞ
Q:大阪なおみ選手は日本人選手と認めるべきでしょうか
A:認めるべき
B:認めるべきでない
みなさんの”富士山”回答はいかがですか。
1.ブーイングの矛先はスポンサー企業に
ネットのブーイングを読んでいて気になったのは、大阪なおみ選手自身に何の落ち度はない、ということです。
ハーフに生まれたことは親に責任はあっても本人に責任はありません。
また彼女が日本人選手として出場しているのも本人が悪いのではなく、むしろ日本のスポンサー企業の広報部に悪意を感じます。
たまたま日系外国人選手の中に世界大会で優勝しそうな優れたアスリートを見つけたので、彼女を強引に日本人選手という設定にして、ちゃっかり自社宣伝のためにスポンサーになってやろう......。こんな感じだったのではないでしょうか。
これまでネットでは彼女に対するブーイングは散見するものの、スポンサー企業を批判した書き込みはまだ見たことはありません。それでも私は非難するならその矛先は彼女自身よりもスポンサー企業に向けるべきだと思います。
2.移民政策促進には警戒を
英国BBC放送は今回の大阪なおみ選手の快挙に対して「日本人は次第に多様性に慣れつつある」と報じたようです。確かにテレビをつけると大阪なおみ選手を礼賛するニュースを連日放送しています。
しかしこれは日本の大手マスコミが日本人に「多様性に慣れる」よう情報操作して移民政策を促進しているのであって、ネットの意見を読むかぎり日本人の多くはこの流れに抵抗しているようです。
多民族国家の代表である米国では、トランプ大統領が過剰な移民にストップをかけています。
世界のトレンドはグローバリズムや移民促進でなく、自国民マジョリティーが経済的にも治安的にも安心して暮らしていける社会の構築だと私は信じます。
グローバリズムや移民促進はディープ・ステートを構成する一部の特権階級の利益になるだけで、もともとその国に住んでいた国民マジョリティーは財産を搾取され、人口を減らされるだけなのです。ただし支配者階層の”犬”にたまたま選ばれれば、他の人より少し裕福に暮らせるだけの話なのです。
東京五輪代表に大阪なおみ選手が日本人選手として出場していいかどうかは大きな問題ではありません(そもそも私は他のエッセー『スポーツ不要論』で書いたように東京五輪開催自身に反対です)。
マスコミが情報操作する移民政策促進に警戒すること、これこそが今回の「C:富士山」なのではないでしょうか。
3.日本は単一民族国家か多民族国家か
ところで日本は本当に単一民族国家なのでしょうか。北海道のアイヌ民族、沖縄の琉球民族を除いても実は多民族国家だと私は思います。
江戸時代以前、日本は複数の藩という独立国家から構成される連邦国家で、それぞれの藩は江戸幕府の属国でした。今日のアラブ首長国連邦のようなものでしょうか。明治維新の廃藩置県で藩は今日の都道府県になりました。
日本が単一民族国家だという思想はおそらく明治政府が国民に洗脳したプロパガンダだと思います。これはもともと複数の国家だった日本を一つに束ねるために必要な情報操作だったのでしょう。ばらばらになってしまっては明治政府自体が崩壊してしまいます。
戦前は国威掲揚のために、日本政府は日本単一民族説で国民を洗脳する必要がありました。
戦後、バブル時代までは一億総中流説を普及させ、政府は国民を「金太郎飴」にしました。実際はこのころから土地所有の有無で財産格差が広がったにもかかわらず、自分を「金太郎飴」だと思っていた国民が多かったのではないでしょうか。
「金太郎飴」は自分の所得、財産、社会的ステータス、そしてライフスタイルが他の日本人とだいたい同じだと思っている人、という意味です。ここでも日本単一民族説が「金太郎飴」普及に役立ちました。
そもそも日本列島には1万年ほど縄文人が住んでいました。それが大陸から大量の弥生人が移民し、その混血が私たち日本人の祖先になりました。また縄文人自身も複数の民族から成り立っていました。
こう考えると日本は多民族国家だったのです。
いかかでしょう。日本が多民族国家なら移民政策を認めないのは矛盾している、とお思いでしょうか。私はそうは思いません。
ここで私が主張したいのは政府やマスコミが流す情報操作に操られることなく、私たちは自分自身で自分のライフスタイルを決めるべきだということです。
4.国際結婚は是か非か
最後に脱線ですが国際結婚について私の考えを述べます。
一昔前ですと子供が外国人と結婚することを多くの親が反対したものです。今でも反対する親は少なくないかもしれません。
国際化がここまで進んだ二十一世紀、やみくもに国際結婚を否定するのは時代遅れだと思います。
しかしながら、本当は日本人女性と結婚したいのに、所得が低いので泣く泣くフィリピン人や中国人と結婚する日本人男性もいますが、これは別の話だと思います。
バブル時代以前のように平均的な国民が十分な生活費を稼ぐことができ、少なくとも経済的事情で結婚できない男性がほとんどいない社会にすべきでしょう。
そしてその上で、経済的事情でなく、本人同志が愛し合っているという理由で、外国人との国際結婚を選択するライフスタイルがあっていいと思います。