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東京医大不正入試事件について

 東京医大不正入試事件に関するニュースが連日、報道されています。

 大学の入試試験で女子受験生の点数を減点し、男子受験生の合格者数を意図的に増やしたという事件です。

 

 なぜ大学側は男子受験生を優遇したのでしょうか。

 大学側の言い分では、公正に試験を採点すると合格者は女子学生ばかりになってしまうとのこと。

 病院での医者の勤務は激務であり、女性が耐えられる仕事でないため、大学の医学部は女性医師より男性医師を積極的に養成する必要がある。だから意図的に男子の合格者を増やした。

 これが大学側の不正入試事件の動機だとニュースは伝えています。

 

 しかしながら、疑り深い性分の私には、どうも裏があるように思えてなりません。

 出所は詳しく覚えてませんが、患者のアンケ―トでは医者は男性より女性の方が好ましいという統計結果が出たというニュースをネットで読んだ記憶があります。

 患者の心理からすれば、医者や看護師は優秀な人よりも、患者をいたわる優しい人の方が望ましいのです。男性医師より女性医師の方がやさしいイメージがあるので、医者は女性の方が適している、というのが患者の意見です。つまり医大の合格者のうち女子学生の比率を増やして女性医師を増やした方が、患者側から望ましい社会になります。

 そしてそうだとすれば、なおさら女性医師を減らす今回の不正入試事件は、まだ隠れた背景があるように思えるのです(ご意見ある方、感想ください)。

 ただし、今回はこの大学側の声明をそのまま信じ、議論を進めます。


 お待たせしました。正解のない二択クイズ問題をどうぞ。


Q:東京医大不正入試事件についてどう思いますか? 次の二択から選んでください。


A:大学側が悪い(女子学生の合格者を不正に減らすのはよくない)


B:大学側の措置は正しい(女子学生の合格者は減らすべき)


 さて、みなさんの”富士山”回答はいかがですか。


 入試の不正もよくありませんし、男女差別もよくないでしょう。ただし、ただ東京医大が入試の不正をやめただけでは問題の本質を解決したことにはならないと思います。

 ミクシーの書き込みだったと思いますが、男子学生を規定数以上合格させたいなら、男子60名、女子40名というように、男女別の定員を最初から定めて公正な入試を行えばいい、という意見がありました。これなどは”富士山”回答と言っていいでしょう。

 この意見を読んで私が思いついたのは男子大です。世の中には女子大があります。同じ原理で男子大を作ればどうでしょう。これならば公正な入試を行っても、男性医師を規定数以上、養成できます。


 しかしながら、不正入試を実施した動機が、病院での医師の仕事が女性に耐えられないほど激務だからとのことですが、そうだとすれば医師の性別に関係なく、医師の仕事が激務であること自体が問題なのです。過剰な激務は、男性医師にとっても理想的な労働条件とは言えません。

 こうした労働条件を改善する方法を考えることこそが、あるいは現行の医療システムを社会的に変える案を考えることが、「C:富士山」を見つけることなのです。



1. 悪しき規制が社会を歪める


 日本的にも世界的にも医者は、その高い社会的ステータスと所得が行政によって守られています。

 日本では日本医師会が自民党と結びつき、有力な圧力団体となっており、医師の所得を高く維持するために医師の人数も調整されているようです。

 

 北朝鮮ではある種のトラックの運転手が医師より社会的ステータスの高い特権階級とのことです。

 北朝鮮では庶民は国内でも自由に移動が許されません。自分の住むエリアからは許可なしで出られないのです。一方、物流のトラックの運転手は仕事の都合上、様々な場所に自由に移動することが許されています。だからトラックの運転手は特権階級なのです。

 

 日本では学校で学業が優秀な生徒がよく医者を目指します。医者は社会的ステータスが高く、高給取りの仕事とされているからです。

 同様に、北朝鮮では学校の優等生たちがこぞってトラックの運転手を志して日々、勉強に励んでいるのでしょうか。

 時代とともにテクノロジーは変化するにも関わらず、行政が変な規制をするとおかしなことが起こります。


2.フリードマンの提言


 ノーベル賞経済学者でありマネタリズムの権威、ミルトン・フリードマンは、医師の免許制を廃止し、誰でも自由に医師を開業できるようにすべきと唱えました。

 誰もが医療サービス業に参入できれば、適正な競争が起き、安くてよいサービスをする医師だけが生き残るが、これは患者にとって望ましい状態である。現在の医療費の高騰は医師の免許制が諸悪の根源に他ならない。これがフリードマンの主張です。

 私は、医師が完全に免許なしで開業できるとしたら怖いと思いますが、フリードマンの主張にも一理あると思います。

 鼻かぜの患者に薬を処方し、それ以上の症状の患者には専門医を紹介するようなプライマリーケアの医師などは、専門学校で免許が取得できるなど、医師にも様々な種類を設けてもいいと思います。

 同様に看護師についても、医師との垣根を必ずしも設けなくてもいいかもしれません。米国では麻酔医は医師でなく看護師の免許を持っているとのこと。つまり麻酔看護師の資格なのです。


 医師の免許制を廃止するか、現状より楽に免許を取得できるようにし、他の業種同様、自由競争にしたらどうでしょう。

 大勢の人が医者になり、病院の医者不足は改善されます。むしろ医者があまり、医学部を卒業しても医師の仕事につかない人も増えるかもしれません。

 カリスマ美容師が高給取りなのと同様、腕のいいカリスマ医師は高給取りになるかもしれませんが、平均的な医師は所得が下がるでしょう。


 ところで患者は病院や診療所の待合室に長時間待たされるのに辟易しています。遠隔医療技術で軽い病気や怪我の患者は自宅のPCで医師の診察を受けることが可能でしょうし、医師の方でも病院にいかず、自宅で診療できます。そもそも病院という箱物建設の膨大なコストが削減できます。

 また現在のような薬漬け医療を患者は望んでいません。

 現在の医療から様々な規制を取り除き、医療サービスをある程度自由競争にすれば、どちらもすぐ解決できる問題なのではないでしょうか。


 一方、規制を取り除いたときのデメリットとして考えられるのが医療サービスの質の低下、または安全性です。

 たとえば自分が患者の場合、医学をろくろく勉強してない人が自分を手術するとしたら......想像しただけで恐ろしい話です。

 しかしだからと言って、現行制度を少しも変えるべきでないとすぐ結論を下すのは思考停止と言うべきでしょう。医療の質を保ったまま、医者の過剰労働をなくし、医療費を安くするためにも、改善策を考えることが重要なのです。



3.薬漬け医療と陰謀論系ジャーナリズム


 ところで薬漬け医療と聞くと、日本一国の規制でなく、世界的な規制が問題かもしれません。少なくとも陰謀論系ジャーナリストならそう答えるでしょう。

 今日の薬漬け医療は、欧米の(特に米国の)大手製薬会社が黒幕です。彼らは世界的に権威ある医学系学会のスポンサーになっています。

 世界中の医師は権威ある学会の指示で医療を行います。学会が薬漬け医療を推奨すれば医師たちはそれに従います。そしてスポンサーたる大手製薬会社は学会を操り、自社の薬を麻薬のように一生、患者に買わせ、大儲けしているのです。

 大手製薬会社は株主であるウォール街の大手金融業界に支配されており、それはとりもなおさずディープ・ステートの支配下にあるということです。

 ディープ・ステートを倒さなければ薬漬け医療もなくならない、ということでしょうか。


4.結論として

 

 話が脱線しかけましたので、「C:富士山」について結論を述べます。

 東京医大の不正入試は大学側が悪いことは事実ですが、抜本的解決にはむしろ日本の、あるいは世界の医療問題そのものと向き合うことが重要だと思います。

 

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