鳩山元首相 陰謀論ツイート再び
初出:令和元年11月20日
鳩山元首相が二打席連続ホームラン!
人工地震ツイートに続き、またしても”陰謀論ツイート”の快挙です。
「沢尻エリカさんが麻薬で逮捕されたが、みなさんが指摘するように、政府がスキャンダルを犯したとき、それ以上に国民が関心を示すスキャンダルで政府のスキャンダルを覆い隠すのが目的である。私も桜を見る会を主催したが、前年より招待客を減らしている。安倍首相は私物化し過ぎているのは明白である。」
(原文のまま)
さて、いかがでしょうか。
安倍首相の「桜を見る会」に関するスキャンダルのニュースが連日続く中、マスコミは突然話題を変え、女優、沢尻エリカさんの麻薬逮捕ニュースばかり流すようになりました。「桜を見る会」の話題はどこへやら。
陰謀論系ジャーナリストは言わずもがなですが、今回は驚くべきことに、タレントのラサール石井さんなど、複数の芸能文化人が、これはスピン報道だとツイートしました。スピン報道とは、政府のスキャンダルを隠すために、意図的に芸能人ニュースなどにすり替えた報道のことです。
政府は芸能スポーツ選手の麻薬逮捕者予定リストを持っており、スピン報道が必要なときに順番に逮捕していくのでは......こういうツイートを読んで、私は思わず、自分の番が近づいた芸能文化人が、一矢報いるための暴露発言をしたのではないかと邪推しました。
もちろん、スピン報道説に異論を唱える識者も多数いました。ただこれまでは陰謀論系ジャーナリストとそのシンパしか話題にしないスピン報道の概念を、反論も含め、普通の芸能文化人が話題にしていること。ここに”時代の動き”を感じました。
そしてそれらを総括したのが鳩山元首相のツイートだったのです。
さて、ここで問題です。
Q:鳩山元首相の今回のツイートをどう思いますか。
A:鳩山元首相は間違っている。このような発言は不謹慎だ。
B:鳩山元首相はえらい。
今回の鳩山元首相のツイートに対するミクシーの書き込みを見て気になったのが、政府が果たしてスピン報道しているかどうかには一切触れず、鳩山元首相の個人攻撃に議論がすり替わっていることです。
N国党代表、立花孝志氏は、「NHKスクランブル化」を謳い、参議院選挙で当選しました。
私は当初、これですぐNHK地上波のスクランブル化が実現しないまでも、NHKの受信料制度や組織のあり方について政治の場で早急に議論されるものと思っていました。ところがどうでしょう。
当選後、立花氏がやったことは、マツコ・デラックスさんや二瓶区議会議員といった個人が、いい者か悪者かといった議論ばかりで、NHKのスクランブル化が是か非かの議論は一向に出てきません。
あれほど話題になった「NHKスクランブル化」は、もはやマスコミの話題に上ることはありません。
それと同様、今回重要なのは鳩山元首相個人の評価ではありません。
政府が自らのキャンダルを隠すために、麻薬逮捕予定リストから順番に芸能スポーツ選手を逮捕させ、彼らのスキャンダルニュースでマスコミを独占させているという言説は本当かどうか。これが本来、議論されるべきテーマではないでしょうか。
本エッセーの第13部分「鳩山元首相が人工地震発言 一体、何があったのか」を掲載したのが今年の3月27日ですから、約半年前です。前回の人工地震発言に続き、今回がスピン報道発言。
鳩山元首相はすっかり陰謀論信者たちの救世主になった感があります……と彼を持ち上げましたが、政治家は選挙前のリップサービスをする、ということも覚えておくべきでしょう。
鳩山氏は”共和党”を立ち上げ、政界に復帰するとのこと。
選挙戦では盛んに「NHKスクランブル化」を訴えながら、当選すると「NHKスクランブル化」はすっかり忘れてしまったような立花氏。
選挙戦では盛んに、911の真相を暴露するようなツイートをしながら、当選から3年経った今もその件は沈黙しているトランプ大統領。
鳩山元首相もまた、選挙を睨んだリップサービスとして、有権者である陰謀論マニア層に受けるツイートをしているだけかもしれません。
それはともかく私が主張したいのは、鳩山元首相個人がいい者か悪者かはどちらでもよく、彼がツイートしたスピン報道説について、その真偽を執拗に議論すべきである、ということです。
これが今回の私の「富士山回答」です。
(続く)