魔王は死をも愛す2
次に目が覚めると今度は真っ白な壁の部屋で眠っていた。隣には真っ黒な鳥、コックルがイビキをかいてぐーすかと寝ている。
俺は部屋に備え付けてある大きな鏡にうつった自分自身を見て驚く。
二本の角に背中から生えた黒い翼、大きな尻尾。両手を見ると真っ黒で、鋭い爪が生えている。
「凛はどこだ……!?」
俺がこの姿になったとしたら、ここは恐らく魔王の塔で、彼女もどこかにいるはずだ……!
レイヴンは慌てて部屋を出ては、次々と手当たり次第に別の部屋を開ける。
「……魔王様? 魔王様なら下におりますわ」
凛が生きているーー……!
俺は急いで階段を降りた。
「凛……!」
勢いよくドアを開けるとそこには「魔王」となった凛の姿があった。凛は恐る恐る近寄ってきて大きな瞳に涙をいっぱいこらえ、泣き出す。
「ごめんなさい。レイヴンさん、私。レイヴンさんをこんな姿にしてしまいました」
ーー……凛。そんなことは、もう、どうでもいいんだ。
レイヴンは生きている凛を強く抱き締めると、今度こそはと、彼女に忠誠を誓う。
「俺は凛を死ぬ気で守ろう。凛に近づく奴は斬り捨てる。仲間でもだー……この子には指一本触れさせぬぞ……」
ーーこの子を連れて、元の世界に戻る。願いはそれだけ。
俺は胸ポケットから懐中時計を取り出すと、月の満ち欠けを確認した。彼女と過ごせる時間は、あとどれくらいあるのだろうかとーー……。




