はじまりの街で
青い空、白い雲。
緑色の青々とした草木が広がる草原に
雨が上がった後の土のにおい。
青いキャンパスに鳩が
伸び伸びと羽を伸ばして自由に飛び回る。
起き上がり丘の下の街を見渡すと
木材で出来たお家がいくつも並んでいる。
遠くに見える、一番背の高い建物は教会だろうか。
ビルのように一つだけ頭を出して、
風に拭かれて鐘が鳴っていた。
鳩はおそらくあそこから飛んできたのだろう。
教会のステンドガラスの屋根に白い鳩が並んで日向ぼっこをしていた。
ガラスに反射する自分の姿。
灰色の制服。白いブラウス。黒というよりは少し色が抜けた、グレーの灰色の髪。お店の化粧室を借りて、自分の顔を再度確かめた。……灰色の瞳。
(……もう一度、異世界に戻って来れたけれど……)
制服のポケットを探ると、先程の男性が落とした懐中時計が入っていた。
「そういえば、レイヴンさんはいつもこの時計の針を見て、満月を予測していたわ」
自分の首にかかっているペンダントと一緒に首にかける。
(ナーガ。レオパルド。セーレ……。レイヴン……)
「私が必ずみんなを助けるから……」
街ですれ違う人が凛の方をみてヒソヒソと呟いていた。
「子供……? でも、まさか……」
街を巡回していた兵士に捕まる。
「お前、見たこともない服装だがどこから来た?」
兵士は凛の制服を見ると、手を無理やり引っ張り、教会に連れて行こうとする。
「……闇属性か?」
その時だった。
「その子を離せ」
聞き慣れた低い声が聞こえる。




