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宇宙妖怪ペニョルパス 対 地球最強の男

作者: noon

 突然だが、俺は世界最強の男だ。


 何と言っても最強だ。どのくらい最強かと言うと、

 まぁ、宇宙歩けるし、あとは地球を持ち上げられるくらいには最強だな。

 あとなんか手からビームとか出せる。時間も操れるな。

 あとはまぁ…再生能力くらいかな。

 まぁ、その程度だけどな。その程度でも、俺が最強らしいんだよ。わかってくれ。


 昨日は軽く、冥王星まで散歩してきた。ついでに地球も持って行ったので、

 地球の人々も宇宙旅行ができたと喜んでいたよ。

 ん?冥王星はもう星じゃないって?ハハ、俺が星に戻してあげたのさ。

 俺が誕生してからと言うもの、全ての戦争は過去のものとなった。

 世界中のありとあらゆる兵器は俺が全て平らげた。おいしかった。

 子供の頃の話しもしようか。砂場で遊んでいたら、

 砂から石油を精製できるようになったっけ。

 工作の時間に、IQ300に相当する知能を持った人工知能を搭載した、

 スーパーコンピュータを作ったら、世界が滅ぼされかけたが、俺が阻止した。


 楽しく毎日生きてたら、いつの間にかこの世界で一番偉くなっていた。

 今日もこの世界は俺のもたらした平和を享受していた。




 しかし、ある日宇宙から侵略者がやって来た。

 宇宙人と戦うのはこれが初めてじゃないが、

 奴は恐ろしく強かった。この俺が圧倒されるほどに。

 そいつの名は宇宙妖怪ペニョルパスと言った。


 奴はほぼ全身からビームが出せる。俺は手からしか出せないのに、だ。

 そして、時間が止まっていても平気で動いてくる。お手上げだ。

 さらには冥王星は奴によって破壊されてしまった。

 俺はそれを聞いて激怒した。冥王星の敵を討たなければならない。


「ペニョペニョペニョ!!あんな石ころひとつ壊しただけで、

 そんなに怒るとは思わなかったペニョよ!」


 ああ、急にセリフが出てきて、誰のセリフかわからなかったか?

 今のがペニョルパスだ。なかなか渋くて格好良い声だった。


「ふざけるな!俺は星と会話できるんだ!冥王星とは昨日だって、

 語り合った。あいつは、水星のことが好きだったんだ!

 そして、今日告白する予定だったのに!」


「ペニョ〜くだらんペニョ!どうせ今日でこの星系は全部

 ぶっ壊れるペニョ!関係ないペニョ!」


「そんなこと、俺が絶対にさせない!」


 ペニョルパスの触手と、俺の拳とがぶつかり合い、火花を散らした。

 くっ、腕の骨が折れてしまった。だがすぐに再生した。

 奴はどうだ……?

 何!?まったくダメージを受けていないだと!?


「今のは本気ペニョ〜?地球人はよっわいペニョねぇ〜

 もうめんどくさいからまとめて全滅させるペニョ」


 そう言うと、ペニョルパスは13本の触手総てを上空に掲げた。

 すると、強力なエネルギーの球体が創り出された。


「グッバイ地球!」


 エネルギーの球体がゆっくりと地表へ向かっていく……

 させるか!!俺は全力で球体を受け止めた。

 だが、なんて圧力だ……重力を無視し、地球を持ち上げる俺でさえ、

 抑えるのがやっとだ……これが重さというものか…

 だ、駄目だ…力が抜けてゆく……もう、地球は終わりなのか……


(諦めるな)


 そ、その声は、父さん!!


(私はお前をそんな軟弱者に育てた覚えは無い。)


 だ、だけど……もう無理だよ……奴は、強すぎる!

 地球最強のこの俺よりも最強だ!奴は宇宙最強だ!


(いいや、違う。奴は最強なんかじゃない。

 奴は最弱だ。宇宙最弱だ)


 ふ、ふざけないでくれ!父さんは普通の人間だろ……

 父さんにペニョルパスの何がわかるって言うんだ!


(たしかに、父さんは普通の人間だ……母さんもそうだ。何故私達から

 お前のような最強の存在が産まれたのか…まったくわからない。だがな、

 お前がどんなに最強だろうと、お前は私たちの自慢の息子だ)


 父さん、俺は……


(お前ならペニョルパスに勝てる!地球を救ってくれ!)


 父さん、待って、ペニョルパスは何で最弱だと思ったの!?教えて、

 父さん!!とうさーーーん!!!


「ペニョペニョ。気を失ったのかと思ったペニョよ?」


 ありがとう、父さん……しかし重いな……

 結局ただの根性論だけで、何も解決しなかったような……

 だがなんだか力が沸いてきた!うおおおおおお!!!


「ペニョ……?なんかおかしいペニョ……うっ押し返されて……」


 よし、押し返せる!!

 いけえええええええええ!!!


「ペニョオオオオオオオオオオ!!!」


 ペニョルパスは、自らのエネルギー球体ごと宇宙へ消えていった。

 勝った、俺は勝ったのだ…

 こうしてまた平和は保たれた。だが、宇宙妖怪ペニョルパス、恐ろしい相手だった。

 俺が何百年鍛えれば、奴のように強くなれるのだろうか。

 いや、宇宙にはあのような強力な宇宙人がまだいるかもしれない。

 それに備え、鍛えなおさなければならない。




 それから50000年後――――


 ふぅ…今日のトレーニングはこれくらいでいいペニョね。

 日課のトレーニングを終わらせ、俺は微笑んだペニョ。

 宇宙は広いペニョ。いろんな経験を積んで、

 俺はさらに最強になったペニョ。

 強靭だった上腕二頭筋は、さらに強靭な13本の触手に、

 手からしか出せなかったビームは、ほぼ全身から出せるようになったペニョ。

 まさに宇宙最強だペニョ。あれ、俺が元々いた星の名前って何だっけ?

 まあいいか。このペニョラウス銀河こそが宇宙最強の俺にふさわしい、

 宇宙最高のマイホームペニョね。他はどうでもいいペニョ。


 さて、今日は50000年程過去にやって来たペニョ。

 みすぼらしい星系にやって来て、冥王星とか言う石ころを、

 ぶっ壊してきたペニョね。水星さんに会いたかった、とか言ってて、

 笑えたペニョw次はどの星を壊すペニョかね〜?

 あ、あれにしよう。地球とか言う星。人がいっぱい住んでて、

 青くて生意気ペニョね〜。

 今日も楽しい一日になりそうペニョ〜



 完















父さんがペニョルパスは最弱だと言ったのは、その場の勢いでそれっぽいことを言ってしまっただけです。

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