8 六尺棒を訓練しました
薬草を朝から採取していると、サルにいが声をかけた。
「今日はここまでにしておこうか。」
「サルにい、どうしたの?」
「今日は早めに切り上げて訓練をしておくと思ってね。」
「訓練?お金も貯まったし、武器を買い換えるのではないのですか?」
「いや、使ってみて思ったんだけど、小剣よりも六尺棒の方が俺には合ってると思ってね・・・特に今のフォーメーションだったら絶対六尺棒だよ。」
「でも、棒を振り回すなんて舐められます!」
「トラ、どうせ僕たちは子供で舐められるよ。それに、下手に良い武器を持っていたら目を付けられる。この町の人達だったらそこまで酷いことはしないと思うけどね。」
「それで、サルにいはどんな技を身につけるの?」
「今考えてるのは「乱れ突き」「二段突き」の二つだよ。やってみるね。「乱れ突き」」
サルにいの持っている六尺棒が前方の広い範囲に無数に突き出される。
「でも、それは普通の「乱れ突き」では無いですね?」
「そうだよトラ、これは一人に対する「乱れ突き」じゃなくて広い範囲に対して牽制して注意をこちらに向けるための技だ。ダメージはほとんど無い。こんな「乱れ突き」も考えてるよ。「乱れ突き改」」
サルにいの六尺棒が今度は四方八方に突き出される。
「これは周囲を囲まれてトラとネコに向かいそうな敵の敵意をこちらに向けさせる技だ。」
「それでは、サルにいは誰も倒せないよ!」
「大丈夫だよネコ、その為の「二段突き」だ。「二段突き」」
サルにいの六尺棒は今度、2度突き出された。
「二度目の突きは一度目より手のひら一つ半下だったけど、何か意味があるの?」
「ネコの目は鋭いな・・・これは、額を打ってむき出しになった喉を突こうと考えてるんだよ」
「鳩尾とかはだめなのですか?」
「鳩尾とか鎧でガードされているところを棒で突いても効果は薄いからね・・・兜を被っていても突けば顎が上がって喉が見えるから・・・そこで喉を突いて倒そうと思っているんだ。」
「サルにいは凄い!」
「普通はできないのですよ・・・」
やはり猿の武器は棒かと