7 ゴブリンを討伐しました
薬草は、大体一日18個から25個の採取が出来る。そのため四五日の間、薬草採取を無事に終わらせると23SPを貯めることが出来た。このまま無事に生活できるのではないかと私が考え始めた頃
「トラ、ネコ、右に何か居るぞ!トラはあの岩を背に、ネコはその斜め前、俺より前に出るんじゃないぞ!」
兄の命令で、3人が迎え撃つ体制を整えた時、草むらをかき分けてゴブリンが一匹出てきた。
「トラ、ネコ、いつも話しているとおりに動けば大丈夫だ。兄ちゃんに任しとけ。」
「サルにい、任せて。」
「ゲゲゲッ」
ゴブリンが錆だらけの短剣を振りかざして兄に襲いかかる。
兄はその動きを冷静に見極めながら六尺棒(1.8m)でゴブリンの足を薙いだ。六尺棒を使うと10歳の子供でもゴブリンよりも先に相手に攻撃が届くのだ。
「グギャ。」
足首をしたたかに叩かれ、ゴブリンの動きが止まる。
「はっ。」
その隙を見逃さず、兄はゴブリンの右親指を叩きつぶして短剣を取り落とさせた。
「トラ!」
「任せて、サンダーアロー」
「ゲゲッ」
ゴブリンが麻痺した隙に、兄は短剣を遠くにはじき飛ばし、後頭部をしたたかに殴って私の前に転がした。
「やー」
私は必死にナイフをゴブリンの首に突き立てトドメを刺した。
気が付くと、兄はその間に六尺棒を構え直し周囲を警戒しており、姉は私の後ろから、ゴブリンが麻痺から回復した場合に備えて何時でもサンダーアローを打てる体勢でいてくれた。
「ネコ、良くやった。トラ、ネコを手伝って討伐証明部位の右耳を剥いでくれ。」
「分かったわ。」
今日は一日で14SPの収入だった。(薬草18個 9SP+ゴブリン1匹 5SP)
ゴブリン狩りも何とかなるかも。