第8話 失う
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「俺は今、戦う気はない...」
とサコピーは裏切り者とは思えないような言葉を放った...
「何...言ってんだ...」
キサラボが不思議そうに言った。
「言い方は悪いけど、言ってしまえば裏切り者なんだよな!?」
「あぁ、裏切り者だ!」
「じゃあどうして...戦う気はないんだ!?」
とキサラボがサコピーに語りかけた...
「勘違いするな、『今』は...な!?」
「...今は...か...」
意味深すぎる…
今は戦う気はない!?
またいつか戦うってことか!?
「て、てか、どうしてアウィキニングなのに人類の見た目だったの...!?」
と悠人がビビりながらも問いかけた。
「敵にそんなこと聞くか!? まぁいい、
教えてやろう。 そんなことを聞けるのは今だけだぞ!!」
「今さっき言った、ソーミュドービュザーピクチャーという魔術の
おかげさ! あの魔術を使えばアウィキニングの姿から人類の姿に変わることができる…
しかしこの魔術を使えるのは魔王臨から許可を得たものだけだ…
そして人類の見た目になると力もそのまま人類と同じぐらいになる…」
「人類と変わらないってこと...」
と僕が聞いた。
「そう! 人類と変わらない...
再生能力も低くなり、人類と同じ再生時間になる...
これぐらいでいいだろ!? 説明は...」
「あぁ...」
ここからどうすりゃいいんだよ!!
相手は戦う気はないって言ってるけど...
戦った方がいいよな!?
バギッという音とともにセイシュウの豪邸の天井に穴が空いた...
「危ないっ! 急いでこの部屋から離れろっ! 大きな破片の下敷きになるぞっ!」
とセイシュウがみんなに言った。
天井の大きな破片が下に落ちてきたのだ...
みんなは必死に走った...
「しげちゃん! 早く!」
とみんなが叫びながら必死に言った。
しげちゃんだけ走るのが遅れてしまった...
「早く‼ 早く――!!! ...間に合ってよかった...
と僕が安心したように言った。
しげちゃんがギリギリ助かった瞬間、天井の大きな破片が全部落ちてき、
グルメ室は大きな破片で潰された...
「あ...危なっ...少し遅れてたと考えると...」
としげちゃんが唾をゴクリと飲み込んだ。
「これってサコピーがやったのか!?」
と僕が聞こうとした...
しかしサコピーはいない...
「アハハ...よく逃げきれたなっ...
また次会った時に正々堂々戦おうじゃねーか!
今夜の月は満月...きれいだ...」
サコピーはみんなから姿が見えない、セイシュウの家の屋根にいた。
「まぁこの声も聞こえてないからこんなこと言っても意味ないんだけどなっ!」
そうサコピーが言い、忍者のようにシュシュっと早いスピードで走りながら姿を消した。
「サコピー...どこ行ったんだ!?」
としげちゃんが言った。
「サコピーは敵だ! そして今は戦う気はないと言っていた...
敵の陣地的なのがあって、そこに行ったんじゃないのか?」
とセイシュウが頭をフル回転し言った。
「確かに! その説あるわ!」
とユウトが言った。
「でもとりあえずは生き残れてよかった...」
と僕が安心した。
「これからどうする? 俺ん家もボロボロだし...」
とセイシュウが困った。
「てか執事たちはどうなったんだ!?
おーい!!! 執事のみんな! いたら返事してくれ!」
セイシュウはそう言いながら執事を探している...
しかし誰一人執事の声は聞こえなかった...
「執事からの返事がない...」
セイシュウはすべてを悟った...
セイシュウには両親も兄弟もいない...
唯一育ててくれたのは執事...
「この家にはもう何も残ってない…」
この雰囲気にみんなは静まり返った。
「さぁ! みんな! どこ行く!?」
とセイシュウがみんなに言った。
「あ、ど、どこでも! て、てかこの家の残骸どうすんの?」
と僕が気まずそうにセイシュウに聞いた。
「まぁここは山のてっぺんにあるから放置していてもいいんじゃない?
よくコケが生えた放置された建物とかあるじゃん!?」
とセイシュウが言った。
「ま、まぁそうだけど...」
と僕が納得いかなそうな様子で言った。
「んじゃあ...僕の家行く?」
と僕がみんなに言ってみた。
「よし! そうときまれば早く電車に乗って行くぞ!」
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