表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔技師  作者: 檜山 紅葉
第1章 師匠と弟子
1/94

01 朝食

不束者ですがよろしくお願いします。

注意※この第1話は短いです。

ジェイムズ・シルバーが朝刊を広げている。彼は熱心に金融業界の記事をチェックしていたが、やがて深いため息を吐くとそれを閉じた。


「全く景気の悪い話はうんざりだ。利益ばかり追求するからこうなる」

「ジム。朝からため息なんか吐いていると、幸運が逃げていきますよ」


 台所から3人分の食事を持って現れたのは妻のメタリー・シルバーだった。

 ジムは顔を上げて妻を見る。閉じた新聞を丁寧に畳むと、自分がため息を吐く度に同じことを言う彼女に、これも何度目か分からない返答を口にした。


「しかしだなメタリー、これがため息を吐かずにいられるものか!大店の商人連中と来たら、価格競争だなんだと言って……」


 こんがり焼けたトーストにスクランブルエッグとソーセージが2本。お決まりの朝食を口にしながら不満を漏らす夫に、メタリーはポットからコーヒーを注ぐと、それを夫の目の前に差し出す。


「どうにもできないことを口にしても仕方ありません。あなたに出来ることは会計士の仕事と、それから子供の前では父親らしい姿を見せることでしょう。違いますか?」


 全くもってその通りだった。

 反論を封じられたジムは劣勢を悟り、コーヒーを呷る。そうして苦味と酸味の広がった口にトーストを詰め込んだ。

 メタリーはそんな夫に肩をすくめて、ようやく自分の朝食に着手した。

 これらはシルバー家ではよく見られる光景だった。なんだかんだ仲の良い両親の姿までいつも通りだ。

 ひとり息子である12歳のジン・シルバーは、その光景を呆れた様子で眺めながら、残った1本のソーセージに金属製のフォークを突き刺した。

 これは明日も見られる平和の姿なのだと、彼は心のどこかで漠然と信じ込んでいた。

読んだ下さった方々ありがとうございます。


作者は設定ガバガバですし、作中に登場する都市は架空のものです。ですので作品を読み進める中で「おや?ここは辻褄が合わないぞ」という箇所がありましたら、遠慮なく作者までご一報ください。時間を見つけて修正します。


それと、この作品は不定期に更新していく所存です。ご了承ください。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ