私の1ページ_15
流れ星を見に行こうと誘われた。
好きな本の話をしているときに、そのストーリーから関連して、今週末流星群があるという話に変わった。
「観るのに良さそうな場所があるから一緒に行こうよ」
無邪気に言われたが、片想いの男性からのそんなお誘いは胸がはりさけそうだった。観測日まで、誘われたという事実だけで時折身悶えした。彼の真意はわからないが、というより、普段の彼からして観に行きたいと思ったときにたまたま私が居たから誘っただけというのが事実な気がするが、私は私で楽しんでしまえ、という結論にいたり約束の時間を迎える。
彼も防寒対策のとれた服装で現れた。
「これのほうが早いから」
乗ってきた自転車の荷台を指差す。
荷台に座り洋服の裾を握るが、彼がこぎだすと上手くバランスがとれなくて思わず洋服を引っ張ってしまった。
「もっとちゃんと掴まないと落ちるって!」
言われて彼の身体を両手で抱きしめた。