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寂寞の旅(仮)  作者: みつくし
3/3

お伽噺はハッピーエンドで

「邪魔をするつもりはなかったんだけどな。そっちも用事があるみたいだったし」


あぁ、やっと来てくれたのね。


「誰も気づいてくれなかったんだろう?許してやってくれよ、ここらは人も通らんしな」


それでも悲しかった。

私は、精一杯叫んでいたのに。


「聞こえたよ俺には。それじゃご不満かな?」


いいえ、いいえ!

来てくれた。それだけで充分だわ。


「それは重畳。それで」


ええ。お願い、聞いてくれるかしら。


「あぁ。俺で出来る範囲ならな」


簡単なことよ。


ありがとう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「こんなもんか」


額の汗を吹いて立ち上がる。

雑な仕事になっちまったけど。そこは許してもらうことにしよう。

そもそも不器用なんでね。


さっきまで聞こえていた声も、今はもう聞こえなくなった。

どうやら満足して頂けたみたいだ。


「これでもう寂しがる事もないよな。」

「二人はひとつに。なんてな


「そんじゃ、元気でな。後は仲良くやってくれ」


まるで頭を下げるように魔物達が引いていく。


振りかえる瞬間、手を繋いでこちらに手を振る夫婦を幻視した気がした。


ひとつの墓に二人の命。

これでようやく二人きり。


もうこの森に嘆きの歌が響くことは、ないだろう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「それで?」


「娘の両親から反対された二人は、嘆きの森に入ったまま出てきませんでした。で終わりさ」


「悲しい終わりだな」


「まぁ、お伽噺だがな。ここらじゃ有名な話だよ」


適当に入った飯屋で相席したおっさんと話す。

飯の味は普通だ。これといって可もなく不可もなく。


「いきなりこんな話聞いてどうしたんだ?嘆きノ森でなんかあったのかい?」


「いやぁ、別にィ」


代金を机に置いて席をたった。

今日の宿を探さんとな。ずっと野宿だったし、今日くらいベッドでおねんねしたいぜ。


「もう嘆きの森じゃないさ」


「へ?」


「んー。やっぱお伽噺はハッピーエンドが1番だって話しさ」


後ろでおっさんが笑う。


さーて明日からはどこに行こうかな


第1話





お薬のめたねって言ってくれる人欲しい・・・

欲しくない?

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