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主人公、鬼沢くんはトラブルに会うと冷静になります。
そして光が開けると見たこともない場所にいた。
「ここは、森か?そういや、二人は⁉︎」
周りを見たところ林や木の切り株、ボウリングの球ぐらいの大きさの石だけだった。木を登って周りを見ると遠くに大きな木が生えている。木は霞むほど遠くにあるがここから見ても大きいということは多分相当な大きさなのだろう。木を登って見ても二人の姿が見えない。
少し状況を整理してみよう。見たこともない場所・光る魔法陣・二人と逸れた…少ない情報しかない今この状況を説明する一つの言葉が思い浮かぶ少し強引かもしれないがこれが噂の異世界召喚か?しかし、何故だ。もしかしたらアレが原因か?
「あの時俺が言った、『あーあ、なんかカッコイイ力に目覚めたりしねーかなぁ。』がフラグだった?いやいやそんなことはない………はずでもあれはゲームや漫画であり得るフラグだ、そう簡単に成り立つ訳がない。」
しかしもし、そうだとすると二人が城に召喚されてんのか。そして俺は逸れ召喚者となる訳か。異世界ということはステータスとかメニューとかそういう自身を証明する魔法とかあるよなぁ。とりあえずまあここで考えていてもキリがないし、ここらちょっと歩いてみて人や村を探してみるか。
「山賊や魔物に襲われないように願うしかないな」
10分くらい歩いてみると集落が見えてきた、家が建っているところを見ると知的生命体が住んでいるらしい。敵意のない生き物に会いませんようにと心の中で願いながら家の扉を叩いてみた。
「あのーすみませーん、どなたかいらっしゃいますかー」
しばらくすると家の方から足音が聞こえてきた足音がゆっくりな感じから察すると子供ではなさそうだ。
「誰だ」
と聞こえたので、返事をする。
「すみません、道に迷ってしまいまして、もし良かったら案内してくれませんか?」
そうすると扉の方からまた同じ声が聞こえてきた、今度は低い声で。
「ここには迷わないはずだ。なんせ結界が貼っているのだからな。だから貴様は何者だ。雇い主の名前を答えよ。」
ひょっとして俺疑われているのか?結界が貼っているという情報から察するに大事なものがあってそれを奪いに来たとか思われている訳か。ああ、俺かなりピンチじゃん。言い訳を考えなければ、うーん「あなたの邪魔はしません。結界の中に間違えて転移してしまいましてここから街までの道のりを教えてくれませんか?」うーむこの言い訳は我ながら十分な胡散臭さだ。ここは正直に言ったほうがいいな。
「すみません、私にも何が起こっているか把握しきれてないのです。突然目の前が光ったと共にこの森に来てまして。この世界のことを教えてくれ
ませんか?」
また扉の方から声が聞こえてきた。
「他の世界からの召喚者?連中でももっとマシな言い訳を考えてくるからな、分かった信じよう。」
そうすると扉が開き、初老の男性が見える。初老の男性の口が開きさっきと同じ声で喋る。
「さあ、入れ中でもっと説明してくれそしたらわしが知っている全てのことを貴様に教えよう」
え、全て?少し違和感を感じながらも扉の中へ入る。