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俺の名前は鬼沢祐樹だ。高二になる。今は高校の食堂で定食を食べている。
勉強は良くも悪くもない特に秀でた才能もない。
もし、自分にラノベやマンガみたいな能力があれば、と考えたこともあった。だが現実は非情なり。努力をしなければ、当然能力など目覚めやしない。
そこで青年は小言を漏らす。
「あーあ、なんかカッコイイ力に目覚めたりしねーかなぁ。」
「そうゆうこと考えているんだから力に目覚めないんじゃねーの。」
今、発言した奴は洲本レイと言う。俺の幼馴染だ。成績は平凡だが運動能力は高い、バスケ部に所属していて一年生の頃からレギュラー入りしており、スポーツ推薦で現在俺達が通っている高校に入ったと言う。
「うるせえぞ、あっそういや彼女はどうしたんですかな?」
俺はニヤニヤしながらレイに問いかける。
「さっきからニヤニヤしてたけど、なんだそんなことか。別にお前も知ってる奴じゃないか。今日は友達と飯食うってさ。」
「へぇ〜、いっつもいちゃいちゃしやがってうるさいんだよッ、このバカップルが。ハイハイそうですね〜俺だけ仲間ハズレですね〜。ケッそんなに俺を虐めて楽しいかよ。」
レイは同じ幼馴染の鳴坂響と付き合っている。
「そんなつもりはなかったんだがな。ところでもうすぐで授業始まるぞ。」
「マジでか、次の授業なんだっけ?」
「体育だ、着替えて体育館で集合だぞ」
「ヤバッ体操服教室に忘れた…。」
「俺もだ、じゃ行くぞ。教室まで競争だ。負けた奴はジュース奢りな、よーいスタート。」
「ちょっと待てよ、お前それズルだよな」
青年が発した言葉は走りだした青年には届かなかった。
「ああああ、もう。」
◆◇◆◇《???》◆◇◆◇
「この術式で大丈夫か?クリスよ」
「はい、これで大丈夫です。王様」
「これでやっとあの憎き魔王にも制裁が加わるのか」
「はい、これで私達の勝利は確定です。」
◆◇◆◇《日本》◆◇◆◇
「ハァハァ、お前ちょっと待てって言ったよな」
「勝負は勝ったもん勝ちだ。って響どうしてここに?」
教室で立っている少女は笑う。
「え?まさかあなたたちも体操服忘れたの?」
青年2人は戸惑う。
「あなたたち”も”って響も忘れたのか」
「ヤバイぞ早く着替えなきゃって、え?なんで教室の床が光ってんだ?」
教室の床に魔法陣のようなものが広がる。
「うわっ眩しっ」
「目が、目がああああぁぁあ」
「なんで床が光って」
そこで声は途切れた。