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__合宿計画__

「さ、具体的に考えると…やっぱり合宿はしたいよな」

「うーん、そうだね。姫城先生に掛け合う?」


一成といろはが提案する。

ほぼ同時に、その姫城先生が教室に入ってきた。


「呼んだぁ?」

「げっ…今来たんですか…」

「あらまぁ。そんな顔しなくていいじゃないのよぉ」


キラキラした長い指が、菜摘の頬を摘む。


「可愛い顔が台無しよぉ?」

「待って怖い! 先生爪が怖い! いつもより長い!!」


じゃれ合う二人を無視した一成は、バインダーに挟まった紙をめくる。

合宿の話は出ると思っていた。だから、事前にいくつかの合宿所をピックアップしておいた。後は先生に許可を貰って予約をするのだが。


「姫城先生。去年の合宿所ってなくなったんですか? 調べても出てこなかったんですけど」


じゃれ合う姫城に視線を向けると、彼女は菜摘から手を離し、去年? と首を傾げた。

去年もこの時期に合宿を行った。その時は、学校から徒歩二十分くらいの場所にある合宿所を利用したのだが、そこが見つからない。学校のテニスコートに近いので、市営コートを借りなくていいという利点があるから今年もできるならそこでやりたい。が、その合宿所がどう調べてもヒットしない。


「ん〜? ああ、そこねぇ。管理人さんが面倒くさがりな人だから、ネットには載せないのよぉ。予約は自分たちで行くみたいよぉ? 去年の子達はそうしてたわぁ」


管理人が面倒くさがり。そう聞いて一成は思わず大きく頷いた。

去年。一日目の夕食はカレーで、マネージャーの一成が作っていたのだが、鍋が見当たらない。管理人の所に聞きに行こうと厨房を出て探すも、いない。

もうすぐ部員たちが帰って来てしまう。お腹を空かせて帰って来た彼女たちに、まだ夕飯はひとつもできていないなどと伝えたらすごい顔をされるに決まってる。

一成が合宿所の端から端まで走り回って探すと、管理人は風呂場で寝ていた。

どうやら風呂洗いの途中で寝落ちしたらしい。そんな事ってあるかと思いつつ、鍋の在り処を聞き出しカレーは完成した。


「…面倒くさがりというか、いろいろ自由な人だったな」


その人に予約を取りに行くのか。一成の胃はすでにキリキリと悲鳴を上げていた。


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