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__試合結果と侵入者__

「んで、結局…」


相里・桜井ペアは四勝二敗。

小暮双子ペアは二勝四敗。

川守・栗野ペアも二勝四敗。

全ペア、六試合はできた。


「相里達は安定してるな。双子は弱点狙われたからな…。一年はよくがんばった。年上相手にここまでできるのは凄い」

「いっせい、一年生褒めすぎじゃない? ロリコン?」

「殴るぞ桜井」


愛用バインダーを掲げる一成と、頭をガードする菜摘。


「んじゃ、各自今回の練習試合で判明した課題とよかった点を書いて俺に出してくれ」

「佐藤先輩、何に書けばいいですか!」

「ルーズリーフでもメモ帳でもなんでも。俺がわかればいい」


練習試合は終わり、各校コーチや顧問の周りに集まって話を聞いている。


「あ、いたいた〜」


能天気な声がコートに入ってくる。顧問の姫城先生だ。


「…先生、もう終わりましたよ」

「あ、それは一成くんに全部任せてるからいいのよお。別件。いろはちゃんの練習着のことよお」


見つかった? と首をかしげる。

あの日の練習の後。

全員で探した。一成も含めて。それこそ、部室ひっくり返すくらいの勢いで。

出てくることは、なかったが。


「いや…ありませんでした」

「そっかあ…どうしようかねえ」

「あの」


市の話を聞いていた、須川高校の北條が手を挙げ、入ってきた。


「あの…顧問の方、ですよね?」

「そうよお。姫城茜って言いまあす」

「もしかして…男性の顧問の方は、いらっしゃいません?」

「ええ。ソフトテニス部の顧問は私だけよお」


北條の顔が青ざめた。


「あ、あのっ、私てっきり、陽ノ朱さんの顧問の方だと思ってスルーして来ちゃったんですけどっ…部室に、男の人が入っていったの見ました!」


茜の顔が険しくなる。

一成は、バッと身を翻し、部室棟の方へ走って行った。


「詳しくお願いできるう?」

「え、えっと…ついさっき、トイレをお借りして…部室棟の前を通って帰ってきたんです。その時、ソフトテニス部って書いてあるドアの前に男の人がいて…ノックして入ってたから、先生なのかなって思って…」

「特徴は?」

「黒いジャージで、多分…おじさんくらいの年齢だと思います。若くは見えませんでした」


茜は、一成が走って行った、部室棟の方を見る。

部室棟からテニスコートまでは距離があって、ここから見ることはできない。


「…みんなはここにいなさい。私か一成くんが帰ってくるまで、部室棟の方に来ちゃダメよお」


そう言って、茜も走って行った。

取り残された六人と須川高校。


「…大変そうね」

「あ、ああ…ごめんなさい。こんな事になっちゃって」

「いえ、いいのよ」


澄ました顔のまま、瀬戸がいろはに寄り添う。

この二人、中学の試合で毎回当たっていた因縁のライバル同士なのだ。


「…ちょっと、心配だね」


市が唇に触れながら目を伏せる。


「一成、ああ見えて喧嘩っ早いから…変態に喧嘩売ってないかな」


喧嘩っ早いのは薄々わかってましたと菜摘は目を逸らした。


「…先生が戻ってくるまで、一緒にいるよ。お迎えが来た人から帰りなさい」


市の指示に頷いた須川メンツ。

いろはは不安そうに部室棟の方を見ていた。


「…大丈夫ですよ、いろは先輩」

「でも…」

「だぁいじょうぶ! いつも私ぶん殴ってる一成が、変態如きに負けるわけないよ!」


雪奈と菜摘がいろはを励ます。

瀬戸も、いろはの頭を撫でた。


「ごめんなさい…私が声を上げていれば…」

「その状況なら私だってそう思うよ」


落ち込む北條の肩を汐が叩く。

香澄もグッと拳を握り「悪いのは変態さんだよ!」と鼻息荒く言った。


「…一成、大丈夫かな…」


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