生ける伝説との邂逅
出だしというだけあり短め
―レナ視点―
「はっ!?」
目覚めてみたら俺は誰かに運ばれていた。
…と言うのは解るが肩に担がれているせいか誰に運ばれているのかさっぱり見当がつかない。
待てよ?俺は一体全体どうして今まで気絶していたんだ?
「!!」
一気に悟った、俺は攫われたのか!!
「誰だ!俺を攫って一体何しようってんだ!!」
「あ…目覚めてしまったのですか…」
その声の主、ちょうど俺の頭上から聞こえるその声は久しぶりの声だった。
「藍!?どうして!?」
「…やはり説明が必要ですか?そうでしょうね…いきなり気絶させといての誘拐ですからね…私達のやってることは…」
「ああ…できれば事情を説明してほしいんだが…」
「そうですね…事情を説明すると長くなるので、今はこのまま運ばれてください。悪いようにはしません…私が約束します。」
「藍が俺をどうこうするとは考えられんが…一応聞く、脅されたとかはないんだな?」
「ええ。強いて言うなら主の命令です。」
「…」
読めた。ここで抵抗するのは無謀、それどころか藍にとってマイナスなだけだ。
俺の予想が正しければ、だが。
「解った。抵抗はしない。そのままにしてくれ。」
「ええ。助かります。」
俺はこのまま藍に連れられ、きっと…
「迎えに来たのか…彼女が。」
とつぶやいた瞬間。
「あら、呼んだ?」
何故か目の前にその彼女が。
「うぇっ!?」
いきなり出てきたよこの人!?
「藍、うまく行ったみたいね。」
「紫様!?合流ポイントはもう少し先では!?」
「嫌な予感がしてね。妖夢もありがとう。無事にうまく行ったわ。」
「いえ…」
いやなんで冷静なのお二方。ん?3人?それよりもだ。
「そそそそんなことより藍、藍の服から紫の顔が!大丈夫か!?」
「紫様、彼に能力の説明をしてなかったのですか?」
「めんどくさかったのよー、代わりに説明お願ーい。」
「…ええ。」
一瞬呆れたような溜息が聞こえたのは気のせいか。
「…紫様の能力は『境界を操る能力』、あらゆるものの境界を操り意のままにする。その気になれば月に行くことも、心の中に現れることだって出来る…らしいです。」
「簡単に言えばあらゆるものに門を付け、開け閉めが出来るって事よ。今回は藍の服に門を付けて入っただけ、それだけよ。」
あれか、一種のワープ能力って奴か。
「ま、そうびっくりしないでちょうだい。約束通り、貴方のその悩みを解決しに来たのよ。」
やはりか。
「見た所随分とやつれてるじゃない。そろそろ限界でしょう?だから攫ったのよ。そうした方が何かと好都合だから。」
「…だが、俺が居なくなったと知ったら皆が…」
「取り戻しに来る?結構よ。私はそれを望んでいるんだから。貴方のそのハンデをなくして返す。それが終わるまでは何人も邪魔はさせないわ、それにただでは返さないけどね。」
くすっと笑い、紫は直後に言い放つ。
「死ぬ気で取り返して貰わないとこちらも困るのよ。」
「!?」
「貴方には関係ないけど、この世界を守ってもらうにはあれじゃ余りにも力不足。そういうことね。」
つまり『俺を攫い、敢えて悪となることで』霊夢たちの力を試そうとしている…?
「貴方は私にとっては客人よ。もうしばらく不自由だけど、危害は加えない。これは私も約束するわ。けれどもこの間言った通り、魔力を抜き出すにはそれ相応の苦痛を伴う。そこは覚えておいて。」
「…ああ。」
―???視点―
「八雲が動くか…」
「既に『始点』は回収された様です。どうなされますか?」
「構わない。あの状態ではいずれにせよ目的を完遂できない。八雲にはきっちり働いてもらおう…」
「しかし覚醒が予想以上に早かったですね。」
「血は争えぬということだろう。問題はない、彼には力をつけて貰わなくてはならんのだよ。その為なら犠牲は厭わぬ。…迦楼羅を出せ。」
「!?阿修羅たる貴方が直々に向かうと言うのですか!?」
「そうだ。輪廻の力は未知数…もしも完全に覚醒してしまった場合、八部衆では全く歯が立たない。八雲の事だ、何か手を打つのは間違いない。釣られてやろうじゃないか。」
「ですが迦楼羅は調整中です!貴方の力の半分も反映されません!」
「構わぬ。用意させよ。」
「…は。」
ここで八部衆を失うわけにはいかない、ならば替えがある機械人形を出すのが確実な手である。
「楽しませてくれよ…?」
次回予告
やっと主役に動きが




