全滅の危機
この2週間インフルとか罹っていました(´・ω・`)
‐???視点‐
「『修羅八部衆』の貴女が出撃とは、何かあったのですか?」
相変わらず、この男は盗み聞きが得意のようだ。
「下っ端が何故私に話しかけているの?下っ端は下っ端らしく…」
と言いかけた所で紙を突き付けられた。
「この度、私も『八部衆』入りしましてね。ほら、今まで欠けがあったでしょう?」
そう言えば、下っ端共の間である修羅が八部衆の一人に闘いを挑んで勝った…つまり殺したと噂されていた。
まさか…
「…貴方、巷で有名な『影の修羅』?」
にやぁと笑みが生まれる彼。
「ご名答。今の今まで雌伏に雌伏を重ね、ついにこの力を御することが出来たので…」
確かに、数か月前までは彼は修羅の中でも最弱クラス…まともに戦えない存在とされていた。
「阿修羅を殺すつもりなら、まだ甘いわ。阿修羅には小手先の策なんて通用しないもの。」
「…それでも、私が阿修羅を殺す。次の天下は私のものだ。貴女にも邪魔はさせない。」
相変わらずの、この笑み。この狂気とも取れる笑みと共に放たれた言葉が、一度も実行されなかったことはない…そう、「一度も」。
「その野望、私が止めてもいいのよ?」
「ははっ、それは楽しみだ。」
普段なら乾いた笑いであるのが相場だが、彼の笑いは「心から」笑っているようだ。
「一応言っておくわ、八部衆入りおめでとう。すぐ死なないよう、精進なさい。」
「ええ。…ところで、貴女はどちらに?」
「現状の幻想郷の自称英雄達が余りにもだらしがないから、少しお灸を据えようかと。」
「任せておけばいいんじゃないんです?いざとなったら早速八部衆入りした私の力を使うまでです。敵になるかもしれない存在の力、知っておいて損はないと思いますが?」
彼の左腕から『何か』が漏れ出る。何だ…不気味な感じがした。
「そしたらサポートをお願いできるかしら?念には念を入れましょう。」
「ええ。この力、今は貴女の為に使いましょう。」
「…!?」
私に纏わりつくこれは…影?
「影の鎧…私が生きている限りその鎧は貴女の動きに適応し、貴女の身体能力を無理なく引き上げながら身を守ります。まさに貴女にうってつけの鎧でしょう?」
…まさに空気のような軽さ、それでいて身を守れる鎧…
「これは驚きね。何時の間にこんな力を身に着けたの?」
「打倒阿修羅、その心のままの結果ですよ。さて、行きましょうか。闘いの場へ。」
やはり彼も修羅、闘いでしか『生』を感じられない存在か。
「何リーダーシップ発揮してるのよ、貴方はあくまで私の補佐よ?」
「立場は同じだと認識してますが?」
「…まぁいいわ。」
修羅最大戦力…『八部衆』の内の二名が、同じ場所に向かう。
その意味は、この幻想郷を守るのは我々だという意志の提示。
そして、『お前たちの時代は終わった』という宣戦布告。
「往きましょう」
二人は同時に『飛んだ』。
‐魔理沙視点‐
「あったー…地味に役に立つんだな、人形って。」
あの銃撃をこの人形…何時か魔法使いとして扱えるような日が来るかもしれないとお守り代わりに持っていた小さな人形がまさかこの時に役に立つとは思いもしなかった。
この人形のダメージっぷりを見て確信がついた。
「さてどうしたものか…あの弾の速度、どう考えても魔弾だな。」
魔弾、それは実弾に魔力を乗せ、異常なまでのコントロール性と速度を両立させたもの。
「困ったなー…魔弾使いに魔法使いか…」
さっきの銃使いの先に一瞬だが魔法使いらしき姿を見た。実際合切、魔弾は魔法使いのサポートによるものだろう。
「よし。」
立ち上がる。
こうなったらやることは一つ。
「逃げる」
あったりまえだろ!2対1とかどう考えても無理だから!
壁?壊して突破するに決まってるじゃん!
「壁相手だから本気出せるぜ…!!」
本当は黒幕相手まで取っておきたかったが、この際使ってしまおう。
「見てろよ魔法使い…!一矢報いてやるぜ!!恋符…!!」
八卦炉を前に構え、魔力を込める。
「マスタァァァァ、スパァァァァァク!!!!」
壁を砕く音がしたと同時に発射を止め、外へ駆け出す。
「一時立て直しって奴だぜ…!悔しいけど、死ぬよりかはマシさ!」
外まで追手が来ないことを確認しながら、私は飛び立った。
‐???視点‐
「パチュリー様、敵が!」
追いかけようとする彼女の右手を掴み、私は首を横に振る。
「何故です!?相手をみすみす逃がす真似なんて!」
「これは罠よ。」
相手の洞察力の高さに多少の危機を感じた私は、彼女に説明をする。
彼女も立ち止まってくれたので、話を進める。
「単純に考えて、小悪魔。このまま出て行ったら、相手は間違いなく反撃してくるわ。魔弾の弱点を相手は見切ってる。」
「!?嘘ですよね!?」
「一見負け犬のように逃げて見せた相手。でも、魔弾に対しては適切な対応よ。こういう狭い場所だからこそ魔弾は生きるのであって、広い場所に出られてしまっては魔弾はただ不規則な軌道を描く弾でしかなくなる。空にも飛べるしね。」
「ですが、このままでは相手は態勢を立て直してしまいます!」
「ええ。だから私は新しい作戦を取るわ。」
ちょうどいい駒がある。それを使うまで。
私は小悪魔に耳打ちをする。
「…!」
「急ぎましょう、気づかれては終いよ。」
‐霊夢視点‐
「くっ!!」
何なのあの相手は!
手品師と言ってもタネも仕掛けも全く解らないわ!
ナイフをかわせたと思ったらまたナイフ、かわしたと思ったら…の繰り返し!
「どうなってんのよ、全く!!」
「諦める、という選択を取ったら教えて差し上げますよ」
「!!」
瞬間移動とかそういうレベルじゃない、まさに「次の瞬間には目の前に居た」ってレベルよ!
「嫌よ、こんな所で諦めるわけにはいかないもの!」
と言ってみたはいいが、トリックが解らない。
能力…であるのは間違いなさそうだが、そこまでしか掴めてない。
「では、殺すしかありませんね。」
相手が止まった…?
「奇術『ミスディレクション』」
次の瞬間、視界を覆い尽くすナイフが飛んできた。
次回予告とか
魔理沙、勇気ある撤退!
そして霊夢が大ピンチ!
おい主人公、早くなんとかしろ!
というわけで次回
「反撃の狼煙を揚げろ」
お楽しみに!
次回更新→やっぱり2週間以内




