世界の半分をお前にやろう
普通はこうなるだろうなー、と思い書きました。
ある王国に一人の少年が住んでいました。
少年はある日、朝起きると母から王様が自分を呼んでいることを聞きました。(王様がいったい何の用だろう?)
少年は疑問を抱きつつも、王様が待つお城に向かいました。
お城に着くとすぐに王様の待つ玉座へと連れて行かれました。
「おお、待っておったぞ」
「王様、僕にいったい何の御用でしょうか?」
「最近、魔王が遠くの地方で暴れているのは知っておるか?」
「はい」
「実はの……お主にその魔王を討伐してもらいたいのじゃ」
王様の言葉に少年は驚きます。なぜなら自分はどこにでもいるただの少年だと思っていたからです。その事を王様に尋ねると、王様は少年が伝説の勇者の末裔である事を話しました。
「だから、お主に魔王を倒して欲しいのじゃ」
「はいぃ?」
少年は思いっきり変な声を上げましたが王様は――
「そうか、引き受けてくれるか!これで助かる上に他の国にも恩を売れる!そうと決まれば早速準備じゃ。国民達に伝えよ!これより勇者が魔王討伐の旅に出ると!」
『はっ!』
少年が引き受けたと勘違いし、どんどん準備が進んでいきます。
少年はまず、立派な服を着せられ、カッコイイ鎧を着せられ、豪華な剣を持たされ、袋一杯のお金を持たされ、全国民に見送られ、旅に出ました。
その後、勇者となった少年は立ち塞がるモンスターを倒し、途中で立ち寄った魔物が支配している村を救い、襲いかかってきた魔王の部下の幹部らしき魔物を撃退し、とうとう魔王が住む城へ辿り着きました。
魔王の城の城門には大量のモンスターが居ました。だが勇者はそのモンスターを突破し、魔王の城に入り込みます。その中にも、今まで何度も戦った魔物達がいました。ですが勇者はその全てを倒し、終に魔王の元にやって来ました。そこで勇者は驚きました。
なぜなら、数多のモンスターや魔物の頂点に立つ魔王は見た目可愛い女の子だったからです。きっと魔王はその名に恥じぬ恐ろしい容姿をしていると言われていた事もあり、最初は信じられませんでしたが、その娘からは魔物達が発する魔力が今まで会ったどの魔物よりも強かったため、魔王だと確信しました。
勇者が剣を構え直すと、魔王が話しかけてきました。
「勇者よ、よくぞここまで来たな。そんな貴様に一つ提案がある」
勇者はそれを聞くと、怪訝そうな顔をしました。それを見た魔王は、話を聞くがあると判断し、言葉を続けました。
「勇者よ、我が配下となれ。――その代わり、世界の半分をお前にやろう」
その言葉に勇者は間髪を容れずに答えました。
「喜んで!!」
一応、続きがある予定です。