表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/5

第3話 「悪役令嬢、攻略対象たちを従える」

城の夜明け前。セレスティア・フォン・アルステッドは、忠誠を誓った騎士とともに城下町を見下ろしていた。

暗闇に包まれた街は、まだ眠りについている。しかし、彼女の目には決意の光が宿っていた。


「さて……次は、王子やヒロインたちも巻き込む番ですわね」

セレスティアは魔導剣を手にし、静かに微笑む。彼女の計画は明確だった――攻略対象たちを手中に収め、魔王討伐の力に変える。


そのとき、城の門を駆け上がる足音が聞こえた。王子のアレクシウス、そしてヒロインのエリナだ。彼らは昨夜の騒動の報告を聞き、急ぎ駆けつけたのだ。


「セレスティア……! 昨夜の騒動は、一体どういうことだ?」

アレクシウスが剣を手にして問い詰める。

「わたくしが、魔王の手先を討ったのですわ。もちろん、城も町も守りました」

セレスティアは優雅に、しかし揺るがぬ口調で答える。


アレクシウスは一瞬言葉を失う。王子である彼にとって、悪役令嬢がここまで堂々と行動する姿は予想外だったのだ。

「しかし……なぜ、貴様が?」

「理由は簡単ですわ。魔王を倒すのは、わたくしだからですの」

セレスティアの目には迷いがない。王子も、ヒロインも、その覚悟を感じずにはいられなかった。


「なるほど……これは、従わざるを得ませんわね」

エリナが小声で呟く。ヒロインとしての立場を保ちつつも、セレスティアの強さとカリスマに圧倒され、自然と協力の意志が芽生える。


そして、城の外へ。昨夜の戦いで命を救われた町の騎士や傭兵たちも、次々とセレスティアに従うことを決めた。

「なるほど……皆、貴女に惹かれているのですか」

騎士の一人が小さく笑う。

「ふふっ、当然ですわ。わたくしは悪役令嬢ではありますが、真の姫騎士でもありますの」

セレスティアの笑みは優雅だが、強さに満ちていた。


その後、夜明けとともに城下町はざわめく。悪役令嬢が、攻略対象たちを従え、魔王討伐の旅に出るという噂が瞬く間に広まったのだ。

「さあ……これからが本番ですわ」

セレスティアは魔導剣を軽く振り、街を見下ろす。

「攻略対象たちも、忠実な騎士も……すべて、わたくしの手の内ですの」


そして、魔王討伐への第一歩――セレスティアは仲間たちを従えて、初めての本格的な任務に向かう。


「誰も、わたくしを止められませんわ……!」

侯爵令嬢の笑みは、既に戦場を制する自信に満ちていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ