そしてダ・カーポ〜記憶の空白を取り戻せ!〜
「ふわぁ〜…。あてっ。また頭いて…。」
ここ最近最悪の出来事が立て続けに起こり、飲み過ぎた日の翌日の朝。
ふと目を開け、昨日招き入れてしまった、ふわふわの生き物が気持ち良さそうに寝ているのを視界の端に確認しつつ、
二日酔いに頭がガンガンする中、俺=石藤良二がゆっくり身を起こすと、キッチンの辺りから何やらいい匂いが漂って来た。
「??アレ?俺、何かテイクアウトでも買ってたっけ?」
不思議に思って、痛む頭を押さえつつ、そちらに向かってみると…。
????!!?
キッチンに見知らぬ銀髪少女が立っていて、俺は目が点になった。
「あ。良二さん、おはようございまぁす!」
三つ編みアレンジのあしらわれた長い銀髪に吸い込まれそうな大きな青い瞳。高級そうなワンピースにエプロンを着けたその清楚な美少女は、俺を見ると、嬉しそうに微笑んだのだった…。
そして、俺はその後すぐ、自分の罪を知る事になる。
目の前の10才年下の清楚な銀髪美少女に、
「おっぱい見せろ」
なんて犯罪発言を犯してしまっていた事に…。
✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽
「誠に申し訳ありませんでしたぁっ!!」
俺は、銀髪美少女の足元にひれ伏し、鼻の頭に汗を浮かべ、渾身の土下座をした。
「えっ。いやだ。良二さん、顔を上げて下さい。」
銀髪美少女は、焦ったような声を出したが、俺は頑なにその姿勢を崩さなかった。
「いや。申し訳なくて、顔が上げられません。君にも、ご両親にも申し訳ない事をしました。」
「えっ。ま、まぁ、確かに私も父も昨日は驚きましたけど、事情があっての事だと後で分かりましたので。」
「お父さんも驚かせた?事情?ぶふっ!!白のレース?!//」
「きゃっ!!//」
銀髪美少女の言葉に驚き、思わず顔を上げると、スカートの中に可愛らしい純白の布地を見てしまい、彼女は悲鳴を上げて後ずさった。
「度々のセクハラ、申し訳ありませんでした!!」
「も、もう土下座はいいですから…。良二さん、きちんと話をしましょ?」
再び土下座をする俺に、彼女は困ったように笑いかけた。
それから、リビングで互いに向き合って座り、銀髪美少女は、俺に告げた。
「私は、あなたの昨日の見合い相手だった、財前寺桜です。」
「え。えーーーっっ!!」
衝撃の事実に、俺は大声を上げてしまったのだった。