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一夫多妻制の許されたこの社会で俺は銀髪少女に唯一無二の愛を貫く  作者: 東音
第三章 そして幸せな生活が始まる。一方NTR夫婦は…。

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おまけ話 部下達のおもてなし〜さくら妄想大爆発〜

「「「「「「「「「「「「「お疲れ様でしたぁっ。」」」」」」」」」」」」」

「うん、じゃっ。皆、今日はお疲れ様!来週もよろしく…うをっ!?」

 ガシッ!

「ちょっと待ったぁ!出世一人勝ちの石藤課長よぅっ!俺達が満足するまで、労を労うのが上司の務めってもんじゃないですかねっ?」


 課の飲み会の後、社員散り散りに解散し、良二が駅に向かおうとしたところ、一人だけべろべろに酔っ払った座練に捕まってしまった。


「座練さん、何課長に絡みに行ってんですか〜?もう、帰りますよ?」

「離せっ。森継!お前、派遣のくせに優秀過ぎて生意気なんだよっ!!」


 森継が慌てて引き離そうとしたが…。

「よぉし!今から課長の家に行って、今話題の銀髪美少女の奥さん、財前寺桜さんに酒をついでもらうんだ…!それまで俺は絶対に帰らないぞぉっ!!」


「「ええっ?!」」


 座練は良二の腕に張り付いたまま、てこでも動きそうになかった。




         ✽

         ✽


「座練さん、森継さん、初めまして。

 お噂はかねがね主人から窺っております。

 どうぞ、お上がり下さいませ。」


「「お、お邪魔します…。(本当に財前寺桜さんだ。

 信じられないぐらい綺麗だな…!)」」

「(急にごめん、さくら…!)」


 玄関先で、柔和な笑みを浮かべて迎えてくれた良二の妻=銀髪に青い目の美少女=今、話題の料理研究家&モデルの財前寺桜を一目見て、座練と森継は目を見開き、座練のワガママを抑えきれず、ここまで連れて来てしまった良二はさくらにゴメンポーズをした。


「(ふふっ。一度会社の方に会ってみたいと思っていましたので、大丈夫ですよ。)」


 そんな良二に、さくらはオッケーサインを出すと、にっこりと笑った。


(良二さんは魅力的な人だから、職場の男子をも惹きつけてしまいそうで、心配だな。いい機会だから、チェックをさせてもらいましょう。✧✧)


         ✽


「うわぁ。このラーメン、さっぱりして美味しいなぁ〜」


「ホ、ホントダァ!ソレデイテ、アジワイブカイデスネ!」


「お口に合ったのなら何よりです。鶏のダシをとったんですよ。」


 急な客人、森継と座練にさくらが振る舞ったのは鶏だしラーメンだった。


「さくら、ラーメン作って待っててくれてたんだ。」


「ええ。飲み会の後はラーメンが食べたくなるって良二さん前に言っていたからスープだけ用意していたんですよ。焼酎も温めているので、冷めない内にどうぞ?」


「「ありがとうございます!」」

「ありがとう…!」

 さくらは座練、森継、良二に順に酒をついでいった。


《森継冴人へのBL疑惑 byさくら》


(優秀な派遣社員さんで、人当たりもよく、 正社員の士気を高め、社内の空気を改善する程の影響力を持つと良二さんが話していた方…。


 そこまでこの会社に尽くすのは、良二さんへの愛ゆえだったりしませんかね…?)


「森継さんは、優秀な方だと主人がよく話しているんですよ。

 そこまで仕事に打ち込まれるのは、何か目指していらっしゃるもの(良二さんの愛を得る?)があるからなんでしょうか。」


「はい。実は僕は(RJ(株)本社の)正社員を目指しているんです。(ん?なんで、財前寺桜さん、俺をそんな目で見て来るんだ?この視線、なんか実家の姉(BL同人作家)に似ているような…。)」


 にっこりと森継は答えたが、内心さくらの疑惑の視線に戸惑っていた。


「あと、早く仕事を落ち着けて、結婚したいという願望もありまして!奥さんのような、お綺麗で料理上手の可愛い()()()がいたら、ぜひ紹介して下さい!」


「!!(ホッ。この方は良二さんではなく、女の子が好きなんですね!)分かりました。森継さんのように目標を持って頑張っていらっしゃる方なら、すぐ彼女さんが出来そうですが、いい人がいたら紹介させて頂きますね。」


「よろしくお願いしまーす!(ホッ。何だか分からないけれど、誤解が解けたみたいだな。)」


 本能的な危機管理能力で、さくらの疑惑を解いた森継であった。


「お酒、もっとどうぞ?」

「ありがとうございます!ふいーっ。この焼酎。濃厚で美味しいっすね。」

「ふふ。それはよかったです。(お酒お強そうなので、ロックにさせてもらいました。)」


《座練躍へのBL疑惑疑惑 byさくら》


(嫌がらせや、仕事放棄などをするひどい正社員さんですが、最近は勤務態度がやや改善されていると良二さんが話していた方ですね。

 良二さんだけに嫌がらせをしていたというのは、許せませんが、歪んだ愛情の裏返しで、好きな子につい意地悪をしてしまうという事はないんでしょうか…?)


「いやぁ、急にお邪魔しちゃってすみませんね。///(ヤバい。惚れたかも…!)」


 強引に家まで来たが、さくらの尋常でない美しさと、丁寧なもてなしにやられて一目惚れしてしまった座練。


「(でも、このひと)は石藤のもの。瞬間失恋じゃねーか…!)

 こ、こんなにお綺麗で、料理上手な奥さんがいる課長が羨ましいですよ。ハハ…。キッ!」


「?!(座練、急に大人しくなったなと思ったら今度は睨まれた。何なんだ?一体?)」


「!!(あれは…、俺というものがいながら、結婚しやがってという嫉妬の視線?!これはいけません!!)」


 嫉妬に良二を睨み付ける座練の様子にBL疑惑を強めるさくら。


「座練さんは、最近特に仕事に打ち込まれていて、社内の(悪い方の)ムードメーカーだと主人がよく話しているんですよ。」


「いやぁ。そんな…。」


「運命的な出会いを果たした私と主人はそれはもう強い絆で結ばれておりまして、彼が仕事で大変な時は私も具合が悪くなってなってしまう程なんですよ?


 これからも主人を()()()()()支えて頂くようにお願いしますね。座練さん?

(彼の妻はこの私!懸想しても無駄ですよ?仕事上の付き合いのみでお願いしますね?)」


「は、はい…。(ああ、俺の邪な想いを見抜かれて、牽制されてしまった…

 。)」


「お酒、もっとどうぞ?」

「ありがとうございます!ふいーっ。この焼酎。飲みやすくて水みたいにグイグイいけちゃいますね。」

「ふふ。それは、よかったです。(元々大分酔ってらっしゃるので、9割水でといてますからそりゃ、水みたいですよね。)」

         ✽

         ✽


「「では、お邪魔しました。」」


 さくらのもてなしを受けた後、ようやく帰る流れになった座練と森継。


「またいらして下さいね。」

「ニャ~ン?」


 急に知らない人がいて、萎縮していたあんずが、恐る恐る玄関の方へやって来て、さくらと共に客人を見送りに来た。


「あれ?猫ちゃんがいたのか。ヨシヨシ…。」

「ニャ~ン♡」


「おっ。可愛いな…。ヨシヨ…」

 サッ。トテトテ…。

「あれ?急に向こうへ行っちゃった…。」


「ハハ…。(あんず、見事な危機管理能力だぜ。)」


 森継には大人しく撫でられていたあんずが、座練に撫でられそうになると、さっと身を交わして家の中に戻って行ってしまい、気まずいながらも、彼女が正しい危機管理能力を持っている事にホッとしてしまう良二。


 その後、良二は、二人を途中の道まで送る事に。


「石藤課長、今まで色々悪かったな…。あんたが辛いと、あの尊いひとにまで辛い思いさせちまうものな。

 文句言わねーで俺、仕事、頑張るよ。」

「座練さん、その意気ですよ!」


「あ、ああ…。座練さん。期待してますよ。森継くんも今日は色々ありがとうな。また、会社でよろしく…!」


 そして、再び帰って来た良二を迎えたのは満面の笑みのさくら。


「良二さん、おかえりなさい✧✧私、趣向にも負けず、見事職場のBL危機を退けましたよ!褒めて下さい!!」


「いや、そんな危機は全くないから!さくらは何と戦っているんだ??

 まぁ、噛み合わないなりにうまく纏まったみたいだからいいけどさ…。」


 良二は、呆れたような苦笑いをさくらに向けたのだった。



*あとがき*


 いつも読んで下さり、ブックマーク、ご評価下さりありがとうございますm(_ _)m


 これにて3章終了になりまして、次回から最終章にあたる4章に入っていきたいと思います。


 まずは、新婚甘々な良二くん&さくらちゃん(&あんずちゃん)と隣人夫夫婦の話になるかと……。


 今後ともどうかよろしくお願いします。

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