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一夫多妻制の許されたこの社会で俺は銀髪少女に唯一無二の愛を貫く  作者: 東音
第三章 そして幸せな生活が始まる。一方NTR夫婦は…。

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おまけ話 その二組のカップルにおまじないを…!

「こっちはF国風シナモンロールですぅ。」

「そしてこっちはS国風シナモンロールで〜す。」


 桜は、卓上のお皿に盛り付けられた、少し潰れた形のシナモンロールを手で指し示し、さくらの友達、宝条秋桜は、細長いパンを捻って結んだような形のシナモンロールを手で指し示し、共に顔を見合わせてにっこりと笑った。


「へえ…。もぐもぐ。どっちも美味しい。同じシナモンロールでも、地域によって、形が違うんだね…。」


「うん。むぐむぐ。どちらも美味いが形が違うだけでなんだか味わいまで違うようで、新鮮だな…。」


 さくら&秋桜手作りのシナモンロールをお茶請けにと振る舞われ、二種類のシナモンロールを味わいながら、感想を述べる良二とさくらの兄、龍馬。


 今日はさくらと龍馬の家に良二と秋桜がお呼ばれして、二組のカップルが交流を深める事になったのだ。


「しかし、さくらちゃん、最近大人気だよね?料理本の売り上げもすごいし、アイドル並みにテレビや雑誌で見かけるようになったよ?」


 興奮した様子で秋桜に言われ、さくらは苦笑いを浮かべた。


「う、う〜ん。本が売れるのはとっても有り難いんだけど…。アイドルみたいな扱いで、テレビや雑誌に出るのは正直苦手なんだけどね。

 取材の人が、家の前まで押しかけて来て、良二さんにも迷惑かけてしまった事もあるし…。」


「ええっ。そうなんだ!?有名人になるというのも大変なんだね…。」


「ああ。そんな事もあったな?さくらのやりたい事を叶える為に、多少大変な事もあるのは覚悟しているから、大丈夫だよ?さくら。」


「良二さんっ…。私の旦那様、激優しい…♡♡」


 穏やかな笑顔で親指を立てる良二に、桜は手を組み合わせ、目をうるうるさせた。


「それに、お義父さんや権田さんに協力して(報道陣に圧力をかけて)もらって、家の周りには近付かないようにしてもらったじゃないか。問題ないよ。」


 良二の言葉に、龍馬も頷いた。


「ああ。そう言えば、最近権田を見ないと思ったら、何かあった時にすぐ出動出来るよう、家の近くに住むようになったんだっけ?」


「はい。スープの冷めない距離ですよ?」

「用事がある時は、察してすぐに車を出してもらって、有り難いんだよな…。」


「いや、若夫婦の家の近くでガタイのいいおじさんが、常に様子を窺ってるっていうのは、それはそれでどうなんだ?」


「う、う〜ん。石藤さんとさくらちゃんがそれでいいならいいんだけど…。」


 さくらだけでなく、良二も権田が近くにいる生活に順応してしまったらしく、龍馬と秋桜は引き攣り笑いを浮かべた。


「大変な事もあるし、容姿だけで売れてるって言われちゃう事もあるけど、料理を通して一人でも多くの人に幸せになってもらえたらって思って、お仕事頑張ろうと思うんだ。」


「うん。さくらちゃん、エライよ!私も、お祖母様の営む北欧レストランで働き始めたばかりで毎日ヘロヘロになってるけど、頑張ろう!」

「うん!秋桜ちゃん、一緒に頑張ろう!」


 気合いを入れるさくらと秋桜に、良二はふと呟いてしまった。


「思ったんだけど、二人で共同執筆して料理本出しても面白いかも…。」


「ええっ!?」


「それは、いいアイディアだな?素敵な秋桜さんが料理を紹介してくれる料理本なんて売れないわけがない!いっぱい秋桜さんの素敵な写真を入れよう!」


 良二の発想にさくらと秋桜は驚き、龍馬は好意的な反応を示した。


「む、無理無理!私、すぐ緊張しちゃう性格だし、本を出すとか撮影するとか出来ないから〜!!////」


 慌てて手をブンブン振る秋桜に、桜は肩を落とした。


「ええ〜?そうなの? 秋桜ちゃんと料理本出せるなら素敵だと思ったのに!

 あっ。そうだ!緊張しちゃうなら、いいおまじないがあるよ?」


「「おまじない…?」」

「えっ…|||| さくら、まさか…。」


 さくらの言葉に、秋桜と龍馬は首を傾げ、良二は青褪めた。


「こうやって、人という字を指で3回書いていて…。」

「「ああ〜、例の奴か…。」」


 左の手の平に、右手の人差し指で人と3回書く真似をする桜に、秋桜と龍馬はウンウンと納得したが…。


「パクッて飲む真似を…、あれ?良二さん、何でいつものようにしてくれないんですか?」


「いや、さくら、人前では…。///」


「「??」」


「えぐえぐっ。私放置されて寂しいですぅ…。二人の見本になるようにちゃんとやってくださぁい!」


「わ、分かったよ。さくら。パクッ♡」

「んふっ♡」


「「……?!////」」


 葛藤の末、良二がさくらの手の平にキスをする様子を見せられ、動揺する龍馬と秋桜。


「今、俺は何を見せられたんだっ?」

 →妹と義弟のラブシーン

「ええっ。飲み込むの、自分じゃなくて、石藤さんなの?!それ、ローカルルールか何かっ?」

 →多分良二&さくら限定ルール


「緊張する時は、これを撮影や収録の当日に良二さんにやってもらうと、現場で自然体でいられるんですよ?」


「さ、さくらぁ…。やっぱり人前でやるのは恥ずかしいよ…。////」


 ニッコニコで説明するさくらに良二は照れて顔を覆っていた。


「さぁ!秋桜ちゃんとお兄様もレッツトライ!!✧✧」


「「ええ〜っ!!////」」


 さくらに無茶振りされ、向かい合う秋桜ちゃんと龍馬。


「え、えーと、さ、3回人という字を書いて…。///」

「の、飲み込む…んだな?///」


 パクッ!


「ひゃんっ…♡」

「〰〰〰////(秋桜さんの手の平、や、柔らい…。)」

 手の平に口づけられ、甘い声を出す秋桜。

 龍馬は照れて真っ赤になっている。


「はうっ。///私は何を見てしまったのでしょうか…!」

 →親友と兄のラブシーン

「さくらがやらせたんだろう…?///」

 →尤もな意見


 人がやっているのを見て、自分達がどんな羞恥プレイをしてしまったか改めて気付かされるさくらと良二だった。


「もう、こんなの無理だよ!おまじないする為にめちゃめちゃ緊張しちゃうもん。////」


「あらら。いいアイディアだと思ったんだけどなぁ…。」


 ぷるぷるしながら、ブンブン首を振る秋桜を前に、桜は気まずい思いで頬に手を当てたのだった。



✽あとがき✽


 その後、料理本の共同執筆はありませんでしたが、さくらちゃんと秋桜ちゃんで料理を紹介する動画をユーチューブに投稿したところ、かなりバズったらしいですよ?


 いつも読んで頂き、ブックマークや、リアクション、ご評価下さって本当にありがとうございますm(_ _)m


 今後ともどうかよろしくお願いします。

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