おまけ話 髪型だけでも…。
とあるイタリアレストランにてー。
良二&桜と友人の森崎和哉&婚約者=島村莉子
が初めて顔を合わせ、会食を行っていた。
「それでね、ふふっ。和哉さんお父さんの前で「お嬢ちゃんを俺に下ちゃいっ!」って思い切り噛んじゃって!」
「もう、あの時の事を言うのはやめろよ!すごい緊張していたんだからな?」
和哉の婚約者莉子は隣の席の和哉にいたずらっぽい笑みを向け、和哉は赤くなって彼女を睨みつけた。
「ああ…。でも、和哉の気持ち分かるよ。俺もさくらのお父さんに交際をお願いしに行った時は半ば死ぬ覚悟だったし…。||||」
良二は、お見合いすっぽかした上、さくらを家に泊めてしまった翌日、さくらの父、財前寺龍人に会いに行った時の事を思い出してブルッと身震いした。
「ええ!そうだったんですか?お父様、良二さんの事を気に入っているから、そんなに心配しなくてよかったのに。
私はお見合いの時、良二さんのご両親にお会い出来て嬉しかったですけどね…。」
さくらは不思議そうに首を傾げ、良二は首を項垂れた。
「ああ…その時俺は行けなくて、ホントごめんね…。」
「あっ。良二さんを責めてるわけじゃないんですよ?落ち込まないで下さ〜い!」
慌てて、良二の背中をさすさすするさくらに和哉と莉子は顔を見合わせて笑った。
「まぁ、年の差はあれど、お似合いの二人だな。」
「本当にね。微笑ましいわ…。」
✽
それから、それぞれの結婚式に出席する事を確認して会食を終え、女性陣はお手洗いに立った。
「さくらさん、若いのに礼儀正しくて素敵な人ね。会えてよかったわ。」
「私も、莉子さんみたいなしっかりした素敵な方にお会い出来て嬉しいです!」
莉子ににこやかに話しかけられ、さくらも嬉しそうな笑顔を浮かべた。
「そう思ってもらえるならよかったわ。和哉くんもね、お友達の石藤さんの事を以前からとても心配していて、あなたが婚約者になってから、自分の事のように喜んでいたの。
二人まとめてこれからも仲良くしてね?」
「はいっ。こちらこそ、よろしくお願いします。」
「あとね、出来たらでいいんだけど、お料理あまり得意じゃないから、教えてくれる?」
「…!✧✧はいっ。おまかせ下さい!」
ペロッと舌を出して、恥ずかしそうに声を潜めてそう言う莉子に、さくらは胸を叩いて頷いた。
(類友とは言うけれど、良二さんの周りにはいい人がいっぱいだなぁ…。今日は莉子さんや森崎さんにお会いできて本当によかったなぁ…。)
と、ほんわかした気持ちになっていたさくらだったが…。
お手洗いから戻ると会計に並んでいた和哉と良二がヒソヒソと何やら話しているのを聞いてしまった。
「いや、何だよ、良二。お見合い前は、「アナ◯ベの奥さんみたいな人かも…。」って言ってたくせに、さくらさん、めちゃめちゃ綺麗な人じゃん。俺、緊張しちゃったよ。」
「いや、あれは、写真がなかったから誤解して…。//」
?!
二人は何を話されているんだろう?
アナ◯ベの奥さんって…?
もしかして、良二さんの好みのタイプの女性?
私は胸の奥がチクンと痛んだ。
「莉子さんだって、美人じゃないか。」
「いや、怒った時の莉子見たら、そんな事言えな…。」
「こらこら、男性共は何をコソコソ話しているのかな?」
「「ひぃっ!!莉子 (さくら)!||||」」
隣で一緒に話を聞いていた莉子さんに腕組みをして、ジロリと睨まれ、私達がいることに気付いた森崎さん、良二さんは青褪めた。
「な、何でもない!二人共綺麗だって言ってたんだよ!なっ!」
「あ、ああ…!ふ、二人共、ここは会計俺達が持つから!」
「もう、うまく誤魔化したわね?ふふっ。じゃあ、御馳走になります。行きましょ、さくらさん。」
「え、ええ。御馳走様です。」
莉子さんに腕を取られて店の外へ出たものの、私は「アナ◯ベの奥さん」という方の事が気になっていた。
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家に帰った後、私はネットでその事を調べてみた。
「アナ◯ベの奥さん…と。」
何件かヒットして、その中に画像もあったのだが…。
「こ、この方がアナ◯ベの奥さん、ズ◯タさん…!」
その画像に衝撃を受けるさくら。
(香織さんとも全然違うタイプ…!
頭はモジャモジャ。逞しいお顔立ち。何というか、すごく強そう…!
説明に部族最強の女性って書いてある…。
良二さん、こういう女性が好きなんですね。
なるべく、彼の好みに合わせたいとは思っているけど、すぐには強くなれないしなぁ…。どうしよう…。外見を少し変えだけなら、なんとか…?ヨシッ!彼を胸キュンさせるために頑張ろうっ!)
さくらは悩んだ末、出来るだけの努力をする事にした。
そして翌週、さくらの家にお呼ばれした良二を迎えたのは…。
「いらっしゃいっ!良二さん♡今日の私、いけてますかぁっ?」
「あれ?さくら?ハハハッ!面白い格好アフロパーティーでもするの?アハハハッ!!」
カラフルな、アフロのカツラを被ったさくらに出迎えられ、大笑いする良二。
「ち、違いますよぉ〜。///良二さんの好みに合わせようと…。え〜ん。笑われちゃったぁ…。」
良二を胸キュンさせる事は出来なかったが、腹を痛めさせるぐらい笑いをとれたさくらであったとさ…。
*あとがき*
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