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一夫多妻制の許されたこの社会で俺は銀髪少女に唯一無二の愛を貫く  作者: 東音
第三章 そして幸せな生活が始まる。一方NTR夫婦は…。
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さくらのやりたい事

 西城亜梨香からモデルの仕事を引き受けてから、さくらは時折不安気な表情をするようになり、西城亜梨香に丸め込まれるように俺が口を出してしまって、本当にさくらにとってよかったんだろうか?と心配していたのだが…。


 さくらの撮影当日、さくらの父=財前寺さんの計らいで、俺は機材搬入の仕事という形で撮影現場に居合わせる事になった。


 満開の桜の下、西城亜梨香のデザインしたワンピースに身を包み、カメラマンの指示に従い、次々と表情やポーズを変えるさくらは息を飲む程の美しさで…。


 いつもと違うさくらの凛とした姿に惚れ直すと共に、今までの心配は杞憂であった事を悟った。


 撮影が終わると同時に彼女はその場に崩れ落ち、慌てて権田さんや西城亜梨香と共に、彼女の元へ駆け寄ると…。


 さくらは興奮冷めやらぬままといった状態で、頬を紅潮させて俺に告げたのだ。


「私、実は、自分の本を出してみたいんです…!

 今まで良二さんに食べてもらったお料理のレシピを公開して、好きな人に自分が作ったお料理を美味しいと言ってもらえる幸せを他の人にも味わってもらいたいんです!」


「さくら…!」


 さくらのやりたい事を熱く語っているところを初めて聞き、俺が驚いて目を瞬かせていると、彼女は急に勢いを落として自信なさ気な表情になった。


「その…。まだ経験も浅い私が料理本を出すなんて分不相応だって事は分かっているんです…。

 良二さんにその仕事でこれから迷惑をかけてしまうかもしれないですし…。

 それに、私の画像や情報を公開する事で

 また白鳥に目をつけられるなんて事にもなりかねないですし…。あっ…?///」

「さくら…!」


 俯き、モジョモジョと動かしていた彼女の手を俺は両手で包むように握り込んだ。


「さくらのやりたい事、教えてくれてありがとう。嬉しいよ!


 さくらの料理の腕は俺が一番よく知ってる。若くても、分不相応なんて事は決してないと思うよ?


 この前も言ったけれど、俺の事も白鳥の事も気にせず、さくらには、我慢せずにやりたい事を目一杯やって行って欲しいんだ。

 俺も全面的に協力するし、白鳥からも守るから…!」


「良二さん…!!あ、ありがとうございますっ!!

 えぐっ。良二さんは私には勿体無いぐらいの素敵な旦那様ですぅっ!」


 ガバッ!ギュ厶ーーッ!

「わっ。さ、さくら…!// ヨ、ヨシヨシ…。」


 思いっきり飛び付いてくるさくらに押し倒されるような格好になりながら、ぎこちなく彼女の髪を撫でていると、その場を見守ってくれていた西城亜梨香と権田さんが温かい言葉をかけてくれた。


「うんうん!さくらちゃんも良二くんもカッコいいぞ?」


「ハラハラ…。(桜の落ちる音×涙の落ちる音)ううっ…。さくらお嬢様、本当によかったですね…!良二様は男の中の男でございます!

 旦那様にすぐご報告しなければ…!

 出来れば、結婚式の招待客に料理本を配りたいと仰っていましたので…。」


「「「え。」」」


 権田さんの言葉に、西城亜梨香、俺、さくらは啞然とした。


「い、いやいや〜。結婚式って来月でしょ?流石に無理でしょう。」


「そ、そうだよな〜。そりゃ、RJの系列に出版社もあった筈だけど、式まではもう一ヶ月もきってるしな?」


「お、お父様、時々笑えない冗談言うんですよね〜。」


 そう言って三人は苦笑いしたのだった。


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