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一夫多妻制の許されたこの社会で俺は銀髪少女に唯一無二の愛を貫く  作者: 東音
第三章 そして幸せな生活が始まる。一方NTR夫婦は…。
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ファッションモデル SAKURAの誕生?!《後編》

「りょ、良二さんっ…?!え?なんでこんなところにっ??」


 目の前に旦那様が立っているのを見て、私は最初幻でも見ているのかと思った。

 心なしか後光が差してる気がするし…。


 ※たまたま良二くん、さくらちゃんから見て、逆光の場所に立っていました。


 だって、良二さんは大事な仕事があると出張に行っている筈で、私は亜梨香さんから引き受けたモデルの撮影の為に、A県の桜の名所に来ていて、どう考えても会える筈がないのに…。


「いや、別にさくらを謀っていたわけじゃないよ?ここには本当に仕事で来てたんだよ。」

「…!」


 目を見開く私に、良二さんは苦笑いで説明してくれた。

 という事は、ここにいる良二さんは本物と…?


「何故か、俺指名で当日知らせる場所に撮影機材の搬入をして欲しいってRJ㈱の系列の会社に依頼を受けてね。

 指定された場所に来てみたらここだったんだよ。」


「RJって…お父様の会社の系列の…!」


 私が驚いて声を上げると、亜梨香さんが人差し指を立てて説明を引き継いだ。


「そう。私がさくらちゃんの撮影の為にさくらちゃんのお父様にお願いして、良二くんを借りさせてもらったんだよん。


 モデルの表情を最大限に引き出したかったからね?

 ホラ、それが証拠にさくらちゃんの固まってた表情がもう生き生きしてる!」


「はっ…!//」


 亜梨香さんに指摘され、私はユルユルに緩んだ口元と頬を押さえた。


「だ、だって、こんなところで良二さんに会えると思ってなかったから嬉しくなってしまって…!ほ、本当に良二さんだぁっ✧✧」


 ペタペタッ。サワサワッ。


「わっ。さくらっ!//」


 嬉しさのあまり、良二さんの頬や背中を触りまくってしまった。


「私がモデルのお仕事を引き受けた理由の一つは、亜梨香さんのデザインした服を着たいつもと違う私を良二さんに見てもらって、綺麗だと思って欲しかったからなんですっ。


 それが、こんな間近で見てもらえるなんて、感激ですっ!!」


「そ、そうだったのか。いつもさくらは綺麗だけど、今日は特別に綺麗だよ。」


「ドキドキしますか…?」


「う、うん…。//もっとよく見せて?さくら。」


「はい。どう…ですか?」


 私は全身が見えるように良二さんから離れ、グルッと一回りしてみると、彼は照れたような笑顔を浮かべていた。


「素敵だよ、さくら。撮っていい?」


 一眼レフのカメラの向けられ、私は思い切り頷いた。


「もちろんですっ!」


 それから良二さんのカメラで沢山写真を撮ってもらった。

「さくらちゃん、いい笑顔!」

「えへへ。ついニヤけてしまいました…。//」


「ほぉ〜!素人ながら、なかなかいい写真撮るね?これなんか、使えるかもよ?」

「いやいや、御冗談を…。//」


 亜梨香さんも一緒に画像を確認していたところへ、カメラマンさんもやって来て、撮った写真を褒められ、良二さんは照れていた。


「ふふっ。駄目です。良二さんの撮ってくれた写真は私だけのものです。」


 私が独占欲丸出しでそう言うと、亜梨香さんはにっこりと笑った。


「そうだね?今のは良二くんだけに向けるプライベートの表情だもんね?

 じゃ、次はさ、今、さくらちゃんが感じた幸せを、この服を着た女の子達に同じ様に感じられるようにって、想いを込めて表情を作ってみてくれないかな?」


「私が感じた幸せを、この服を着た女の子達に同じ様に感じてもらえるように…。」


 私は目を見開き、亜梨香さんの言葉を反芻した。


 それは、今、私のやりたい事にもリンクしているようだった。


「さくら。撮影の事はよく分からないけど、俺もここで見守って、応援しているからな?」


「は、はいっ!頑張りますっ!良二さん、私の事、見ていて下さいねっ。」


 大好きなひとが自分を見守ってくれているのに、カッコ悪いところは見せられない。

 ギュッと拳に力を入れた。


「おっ。また表情が変わったな。今ならいい写真が撮れそうだ。お〜い。再開するぞ〜?」


 カメラマンさんは周りのスタッフさんに声かけをして、撮影を再開する事になった。


「桜の下をゆっくり歩いて〜、はい、そこでストップ!微笑んでこちらを振り返るように。」


 カシャカシャッ!


「はい。もう一回。今度は少しミステリアスな雰囲気出していこうか!」


「ハ、ハイッ。」


 カメラマンさんに細かく出された指示に合う表情やポーズを必死に取り、何回も何回も撮り直したけれど、さっきのように途中で止められる事はなかった。


「は〜い。お疲れ様!!」

「あ、ありがとう…ございましたっっ…。」


 雑誌用、プロモーション用の写真、動画を撮り続けること全て数時間…。


 撮影終了すると同時に私はその場に崩れ落ちた。


「さくら、大丈夫かっ?」

「さくらお嬢様っ!」


「さくらちゃん、ブラボ〜!君をモデルに見込んだ私の目に狂いはなかったよぉっ!」


 そんな私に、良二さんと権田さんと亜梨香さんが駆け寄って来た。


「亜梨香さん、モデルの仕事やらせて頂いてありがとうございます。

 他の方面でも一歩を踏み出せそうです。」


「おっ。それはそれは…!よかったね?」


 亜梨香さんにそう言うと、彼女は嬉しそうに笑い、意味ありげに良二さんの方を見遣った。


「さくらお嬢様…!(とうとう覚悟を決められたのですね…。)」


 権田さんも、大きく頷き、良二さんの方を見遣った。


「え?何ですか?」


 二人に見られてキョトンとしている良二さんに、私は真剣な表情で向き合う。


「良二さん、今日は撮影を見守って下さって、ありがとうございました。

 この仕事を終えて、私、自分に改めてやりたい事があると気付いたんです。聞いてもらえますか…?」


「…!うん。さくらが今何をしたいのか、聞かせてくれ。」


「はい。私、実は……」


 優しい笑顔を向けてくれる良二さんに、私は頬が熱くなるのを感じながら、自分の思いを吐露したのだった…。



*あとがき*


 いつも読んで頂き、ブックマークや、リアクション、ご評価下さって本当にありがとうございますm(_ _)m


 今後ともどうかよろしくお願いします。

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