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一夫多妻制の許されたこの社会で俺は銀髪少女に唯一無二の愛を貫く  作者: 東音
第三章 そして幸せな生活が始まる。一方NTR夫婦は…。
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誕生日の夜に魔法をかけて《後編》

※性的表現があります。苦手な方はご注意下さい。また、15才以上の閲覧でお願いしますm(__)m



「フーッ!フーッ!」


 ケーキの上のそれぞれ3、0と書かれたロウソクの炎を吹き消すと、さくらは拍手をしてお祝いしてくれた。


「良二さん、三十歳のお誕生日おめでとうございます!!」

「ニャアン!!」


 さくらに合わせて、あんずも同じようにお祝いしてくれる風に鳴いていて、俺は彼女達にお礼を言った。


「あ、ありがとう//さくら。あんず。」


 この年になって、ケーキのロウソクを吹き消す事になるとは思わず、気恥ずかしかったが、入居初日で、疲れているだろうに、手作りのごちそうやケーキなどを用意してくれ、お祝いを企画してくれたさくらの心遣いはとても嬉しかった。


 20代から30代へ。去年までは誕生日なんて、俺もまた一つおやじになったな…。なんて苦笑いするだけの日だったが、今年は、さくらがいてくれて、祝ってくれ、これからも、ずっとそばにいてくれる。たった1年でどれだけの違いがある事だろう。


「い〜え。良二さんのお誕生日を一番にお祝いが出来て嬉しいです。

 んしょっ。ケーキ切っちゃいますね?いっちばん大きいの+チョコプレート食べて下さいねぇ?ハイッ。どうぞ。」


「さくら、ありがとう…。」


 ケーキの載った皿を差し出してくれるさくらの優しい笑顔に癒やされていた。


 むろん、そのケーキはふわふわでめちゃめちゃ美味しかった。


「あんずちゃんも、ケーキあるからね?」

「ニャアン♡はぐはぐ…。」


 あんずも、さくらに猫用のケーキを貰い、鼻先クリームをいっぱい付けて一心不乱に食べていた。


「あと、良二さん、プレゼントがあるんですけど…。//」

「…!」


 さくらは豊満な胸に手を当て、恥ずかしそうな笑みを浮かべていた。


「あの…。じ、実は、プレゼントは、()()なんです。」

「えっ?//」


 プレゼントは、()()()()()って事か?

 も、もう、このタイミングでっ?


「い、頂きますっ…!!」

「大したものじゃないんですけど…。」


 鼻息荒く、俺がさくらに手を伸ばすのと、さくらが両手の中からラッピングされた小さな箱を見せるのと、同時だった。


「えっ…?」

「あっ…?」


 目をパチクリしているさくらに、俺は咳払いをすると手の軌道を大幅に修正して、その箱を受け取った。


「あ、ありがとう…!わ、わぁっ。腕時計だ。今の腕時計、バンド部分がちょうど駄目になって来たところだったんだよね。」

「あっ。え、ええ。喜んで頂けたならよかったです。一応それ、最新式の電波時計で、他にも色んな機能があるんです。」


「へぇ〜。すごいなぁ!」


 不自然な程大きな声を出して喜ぶ俺に、さくらは嬉しそうに腕時計の説明をしてくれた。


 ふうっ。何とか誤魔化せたか。危ない危ない。俺よ、がっつき過ぎだ。

 これだから童貞歴30年は…!!


 俺が自分に悪態をつきながら、汗を拭っていると、さくらは言い辛そうにもしょもしょ言って来た。


「えへへ…、実は『プレゼントは私』って迫る案もあったのですが…。」

「えっ。」


「あ、いえ、すぐに止めましたよ?貰って頂く身で、流石に図々しいし、キモいかなぁと思いまして…。」


「いや、そんな、図々しいとかキモいとか全然そんな事は…!」


 むしろ大歓迎でしたよ?

 なんなら、危うくここで盛るところだったし…。


「あっ。でも、私の誕生日に、良二さんが『プレゼントは俺』やって下さるのは大歓迎ですからね?」


「?!いや、30越えたおっさんが、『プレゼントは俺』やったら、それこそキモいっしょ。」


「ふふっ。そんな事ないですよ。リボンにくるまれた良二さん想像すると、可愛い♡♡」

「やめてくれよ…。」


 何やらおぞましいものを思い浮かべているらしい桜に俺は苦笑いした。


「まぁ、『プレゼントは自分』は冗談にしても、さくらが来てくれて、本当に嬉しいよ。今までで一番嬉しい誕生日だよ。」

「…!!りょ、良二さん…!////」


 実感を込めてそう言うと、さくらは耳まで真っ赤になった。


「う、嬉しいです…。///ど、どうせなら…身も心も、ちゃんと貰って下さいね?

 え、Mサイズ…寝室に置いときました…から…。」


「…!!////」


 精一杯の勇気を出して教えてくれるさくらに、俺は体の芯がギュンと熱くなった。


「え、えへへ。じゃ、じゃあ、私、食器洗いして来ちゃいますねっ?」


 照れ臭そうに、お皿を集めてキッチンへ駆け込んでいくさくらの後ろ姿を見送りながら、その可愛さにやられてその場を動けない俺を、

 顔中クリームでベトべとになったあんずが不思議そうに見詰めていた。


「ニャアン??」





 それから…。



「コクン…コクン…。」


 先に風呂に入った俺が、さくらが風呂に入っている間、部屋でゆっくりしていると、あんずは舟を漕ぎ出した。


「あんず、寝ちゃったか。」


 そーっと抱き上げて、猫用の寝床に寝せてやると、あんずはヘニョッと力を抜いてふわふわの床に体をつけてすやすや小さな寝息を立て始めたところへ…。


「あれっ?あんずちゃん、もう寝ちゃったんですか?」

「…!!///」


 風呂上がりのさくらが部屋に入って来て、ドキッとした。


 キャミソールとショートパンツという、大変薄着なのお召し物からスラッとした手足や胸元がかなり露わになっている。


「お、おう。 今日は、あんず、さくらが来てくれて嬉しいのか、いつもよりはしゃいでたから、疲れたんじゃねーのかな?」

「ふふっ、そう言えばいっぱい暴れ回ってましたね?あんずちゃん。ヨシヨシお疲れ様…。」


 風呂上がりで上気したピンク色の肌をチラチラッと見ながらそう言うと、さくらは俺の隣に腰を下ろし、あんずの頭と背中を撫でた。


 花のようなシャンプーの香りが俺の鼻腔を擽る。

 くっ…。我慢できん…!


「さ、さくらっ…!」

「きゃっ。良二さっ…!」


 辛抱たまらず、俺がさくらを後ろから抱きすくめると、彼女は小さく悲鳴を上げた。


「良二さん…。ま、待って下さい…。」

「え。だ、ダメだった…? ||||」


 かなり積極的に誘われていると思ったんだけど、さくらの気分が変わってしまったんだろうか?


 困ったような顔を向けられ、俺がショックを受けていると、彼女はブンブンと首を振った。


「いいえっ。大大大歓迎なんですけど、あと5分程待ってもらえませんか…?」


 ??


「5分…?」


 思わず、さくらに貰った腕時計を見ると、「22:17」と表示されていた。


「は、はいっ。あと5分で、10時22分。良二さんの生まれた時間ピッタリになるんです!」


「えっ。そうなんだっけ…?」


 生まれた時間なんて、自分もうろ覚えなのに、さくらは、なんでさくらが知っているのだろうと不思議に思っているとすぐに理由を教えてくれた。


「ええ。この前、良二さんのお母様とお茶をご一緒した時に教えて頂きました。」


「そ、そうなんだ…。」


 さくらは必死な様子で俺に訴えかけて来た。


「じ、実は、私のお気に入り作品に、童貞のまま三十歳になったら、魔法使いになれるっていう設定の漫画がありまして…。」


「ほ、ほほぅ…。」


 おそらくBLだな…?


「私、良二さんが魔法使いになれるかどうかを知りたいんです!」


「ほ、ほほほぅ…?」


 大真面目に魔法使いとか言っちゃう銀髪美少女の顔を俺は半目で見詰めた。


「あわわっ。嫌わないで下さぁい!」


 涙目になって俺のシャツの裾を握りしめてくるさくらに俺は苦笑いを向けた。


「もう、今更さくらの事を嫌いになんてなれないよ。分かった。5分だな?」


「は、はいっ。5分経ったら、即合体でもいいですからぁっ!!」


「ははっ…。それは流石に…。でも、さくら、待ってる間、くっついてていい?」

「は、はいっ!」


 そして、俺達は、ソファに座ってお互いの頭をもたせかけながら、腕時計の時間を見守った。


《22:19》色々話している内に、時間は、あと3分になっていた。


 さくらとくっついている部分が熱い…。

 心臓の鼓動は早く、彼女に伝わってしまいそうだった。



《22:20 》あと、2分…。



《22:21》あと、1分…。



 《22:22》「時間になりましたね…。」

     「ああ…。」


 俺達はお互いに向き合い、見詰め合った。

 さくらの青い瞳がじっと俺を見上げていた。

「良二さん、三十歳おめでとうございます!

 魔法使えるようになりました?今、私の考えている事、分かりますか?」


 頬を紅潮させて無邪気に聞いてくるさくらに、俺は、微笑んだ。


「愛してる。ずっと一緒にいたい。」


「…!!ドンピシャです!!良二さん、すごい!!✧✧本当に魔法使いになったんですか?」


 興奮する彼女に、俺は舌を出した。


「違うよ。今のは俺の思ってる事を言ったんだよ!」


「…!!///わ、私と同じ事を考えてくれていたんですか?ほ、他には…なんて?」


「う〜ん。さくらと一つに繋がりたい…かな。////」


「…!!////私も同じ…ですよ…?////愛って魔法みたいなものなんでしょうか…?ぐすっ。素晴らしいですね…?」

「ああ…。そうだな…。」


 綺麗な涙をポロッと流してそんな事を言ってくる彼女を心底尊いと思い、俺も目を潤ませた。


『ふふふ…。この顔を見て当ててみて? 』

 ズキッ!


 一瞬だけ香織の事を腹の痛みと共に思い出した。

 元カノの気持ちをさっぱり読み取る事が出来ず、彼女とはうまく行かなくなってしまった。


 だけど、今のさくらとは、合わせ鏡のように、同じ気持ちを共有していると確信できた。


 それは、彼女と出会ってから1年近くの間、

 自分と全く違う相手であるさくらとお互いに理解しようと努力して、歩み寄り、絆を深めて来たからこそ感じられる事だった。


 香織の時にそれが出来なかったのは、彼女だけでなく、俺にも悪いところがあったのだろう。そう思うと、今まで香織に対して、抱いていた鬱屈した感情をやっと手放す事が出来たのだった。


 そして今ー。俺の目の前に世界で一番愛おしい青い瞳が輝いていた。


「良二さん…。私に、永遠に解けない魔法をかけて下さい。まずは、王子のキスからお願いします。」


「いいよ。さくらの為なら、魔法使いでも、王子でも、何にでもなれそうな気がするよ。」

「良二さん…♡」


 俺は大切な誓いをするように、さくらの手を取ると、


 チュッ。

「んっ…。//」


 続いてサラサラの銀髪ごと、おでこ

 に…。


 チュッ。

「んふっ…。///」


 口付ける度に揺れるその青い瞳が、ゆっくりと閉じられた時、桜色の唇に…。


 チュウッ。チュルッ。


「んっ。んんっ…。ハァッ。良二さんっ…!////」

「んっ。んんっ…。ハァッ。さくらっ…!////」


 深い口づけを交わす俺とさくらはもつれ込むようにベッドへ倒れ込んだ。


「さくら。愛してるよっ…。」

「良二さん。私もっ。愛してますっ。」



         ✽

         ✽



 その10分後ー。


 俺達は裸で抱き合っていた。


「ハァッ。さくらっ。」

「ハァッ。良二さっ…。

 ?!! あのあのあのっ!!

 挿れるとこ、そこじゃないですぅっ!!」


「えっ。あっ。やべっ…入っ…」

「ふわあぁ〜〜っっ!!!!」



✽あとがき✽

 そ、その後、何とかやり直して、無事結ばれた二人でした…。(*_*;

 バタバタですみません…。

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― 新着の感想 ―
向こうの終わってるハーレム(笑)家族のせいで減ったSAN値はこっちで回復しないとな…!甘ったるいねぇ
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