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一夫多妻制の許されたこの社会で俺は銀髪少女に唯一無二の愛を貫く  作者: 東音
第三章 そして幸せな生活が始まる。一方NTR夫婦は…。

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イベント会場での再会 → 因縁の相手《前編》


《財前寺桜視点❀》


 お兄様に私と良二さんの仲を認めてもらうにはどうしたらいいか、親友の秋桜ちゃんに相談したところ、彼女に自分のフィールドでなし崩し的に認めさせてはどうかと提案された。


 なるほどと私は頷き、近々、K展示場で『コミフェス』という中規模な同人誌イベントがある事を思い出した。その後は、同じ趣味でいつもイベント会場に行っている彼女と、当日のスケジュールをどうするか、二人にコスプレをさせたらどうか、そう言えば、今人気の『魔女っ子EARTH』のフォトスポットが設置されるらしいとか、キャーキャー盛り上がってしまった。


 あくまでお兄様に良二さんを認めてもらう為の計画であって、

 好きな人に好きなキャラのコスプレをさせたいだとか、好きな人とイチャイチャしながら、好きな同人サークルさんを回りたいとか、邪な気持ちはその時はほんのちょっぴりしかなかった。


 だけど、当日、朝早く家まで迎えに行き、亜梨花さんのツテで安く借りられたブラック大佐のコスプレ衣装を、良二さんに着せてスタイリングした時には、あまりのカッコ良さに鼻血を吹きそうになり、当初の目的を忘れそうになってしまった。


 前日夜通し飲んでいたらしい亜梨花さん、駿也さん、雅也さんご夫夫婦が家に乱入して来た時、良二さんを見るなり、驚いた表情で、三人とも口を揃えて「「「イケメンだ!」」」と言っていた。


 元々身長が高く、素敵な顔立ちの良二さんが更にカッコ良さを増して、周りに評価されるのは嬉しかったけれど、ライバルが増えてしまうのではないかと心配でもあった。


 ナンパなどされないよう会場では、なるべく名前ではなく、「MOON」「ブラック大佐」と呼び合うようお願いして、権田さんに会場まで送ってもらったのだった。   


 お兄様には同じ様に秋桜ちゃんを送ってもらうようお願いしていて(&秋桜ちゃんには、お兄様のコスプレの着付けをお願いしていた。)、会場の待ち合わせ場所で二人と合流した。


 お兄様もシルバー大尉の衣装がよく似合っていて、良二さんと並んだ二人を見て、「EARTH」の可愛い衣装に身を包んだ秋桜ちゃんと親指を立て、お互いの仕事を褒め称え合った。


 私と秋桜ちゃんに連れられて、いくつかの同人誌サークルさんを回り、写真スポットで写真を取られ、慣れない場所で、女子達のギラギラした視線に晒され、不安だったのか、お兄様と良二さんのの間には身を寄せ合うように、自然と男同士の連帯感のようなものが芽生えて、それがまた萌え…じゃなくて、目的に適いそうで、本当によかった。


 疲れさせてしまった二人の為に、今度はそれぞれの行きたいところを回ろうと、私&良二さん、秋桜ちゃん&お兄様と二手に別れたのだけど…、まさか、この会場で良二さんの高校時代のクラスメート、佐倉(旧姓:須藤)穂乃香さんがサークルとして参加されていて、バッタリお会いする事になるとは思わなかった。


 佐倉さんは、既に既婚者ではあったけれど、高校時代、良二さんに想いを寄せていたと聞き及んでいた私は、少し危機感を覚えて婚約者アピールをしてしまった。

 けれど、彼女はそんな事を気にする事もなく、サークルのグッズや、本を買ったお礼にと私と良二さんが寄り添う似顔絵を描いてくれて、私達の仲を祝福して下さったのだった。


「佐倉さん、本当にいい方でしたね。」


 彼女と別れて私が心からそう言うと、良二さんは満面の笑みで頷いた。


「ああ。前に話した通り、彼女は、高校時代から本当に真っ直ぐでいい人だったんだよ。同窓会では気まずい感じに別れてしまったから、今日会えてよかったよ。」


 不安になりかけた私の気持ちなど全く気付かない様子で、嬉しそう言う良二さんに、私はちょっとむくれて、釘を刺してしまった。


「そ、そうですか…。ま、まぁ、佐倉さんはご結婚されてますし、お友達として交流されるのはいい事だと思いますが、良二さ…ブラック大佐は、もう私という婚約者がいるのですから、他の女の子に不用意に優しくしてはダメですよ?

 後から密かに想いを寄せていたという女性が出て来そうで心配です。」


 ※女の勘は鋭いです。この会場に本当に良二くんに想いを寄せていた女子が約一名いました。(現在、紗英ちゃん衝撃の事実を知らされ、白目になっています。)


「ええ?いや、そんな人、まずいないって!そんなモテてたら、今まで一人身でいないって。ハハッ。さくら…MOONは変な事心配するな。」


「うっ!///」

 

 軽やかに笑う良二さんがまたカッコ良くって、胸が恋心にキュンとしたり、不安にギュッとなったり、忙しい。


「と、とにかく、これからは、私だけに優しくして下さいね?」


 睨みながらと口元が緩んでしまうという複雑な表情で私は良二さんにお願いしたのだった。


「ああ。わかったよ。俺の行きたいスペースを回ってくれてありがとう。

 MOON疲れただろ?ちょっと、会場出て飲み物でも飲もうか?」


 ギュッ!


「はい!あっ…。//(恋人繋ぎ…♡)」


 良二さんは、私の手を取ると会場の外へ連れて行って、空いているベンチに座らせた。


「俺、自販機で飲み物でも買ってくるよ。座ってて?」


「え。でも…。」


 良二さんに飲み物を買いに行かせてしまっていいのかと私が躊躇っていると…。


 ポンポン…。


「ふえっ!!///」


 良二さんに、突然頭をポンポンされ、私は顔が真っ赤になった。


「婚約者の君に優しくするのはいいんだろ?飲み物、何がいい?」


「ふぁ、ふぁい…。じゃあ、紅茶をお願いします…♡」


「分かった。すぐ買ってくるから、待ってて?」


 良二さんにイケメン攻撃を連続で受け、ヘロヘロになった私は、言われるまま、自販機に走る良二さんを見送ったのだった。


「えへへ…。私の婚約者様優しい…♡「待ってて」だって…!

 ふんふんふ〜ん♪」


 良二さんの言葉を反芻し、チョロい私が、デレデレの顔で◯みんの鼻歌を歌っていた時だった。


「あれ? 君、もしかして…!」


 不意に男性に声をかけられ、振り向くと…。


「T調理専門学校の学生さん…だよね?名前は確か…財前寺桜さん…だっけ?」


「…!!」


 獲物を狙う猛禽類の様に目を光らせて、ニヤリと笑って近付いて来た長身の男性はー。


 新しい広告形態を打ち出したとして、世間から注目を浴びている、㈱SWANの社長にしてー。


 高校時代、良二さんと香織さんの仲を引き裂き、彼を傷付けた相手ー。


 白鳥慶一氏その人だった…!






✽あとがき✽


いつも読んで下さり、ブックマーク、リアクション、ご評価下さりありがとうございます。


今後ともどうか宜しくお願いしますm(_ _)m

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