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一夫多妻制の許されたこの社会で俺は銀髪少女に唯一無二の愛を貫く  作者: 東音
第三章 そして幸せな生活が始まる。一方NTR夫婦は…。

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イベント会場での再会 → 昔の同級生に


「あのっ。皆さん、魔女っ子EARTHのコスプレですよね?ちょっと写真撮らせてもらっていいですかぁ?」

「私達、ブラック大佐✕シルバー大尉推しなんですぅっ!」


「「「「「…!」」」」」


 俺達が写真スポットで撮影しているところを見ていた、ギャルっぽいお姉さん二人組が話しかけて来た。


「「キャーッ。私達も、ブラック大佐✕シルバー大尉推しですっっ✧✧」」


 お姉さん達の言葉に目を輝かせて対応するさくら&宝条さん。

「下剋上っぽくていいですよね?」

「シルバー大尉総受けですもんね?」


 俺と龍馬さんが、遠い目をして見守る中、女子達は俺達の分からない言語で盛り上がり、

 こちらをちらっと見て来た。


「「「「写真…いいですか?✧✧」」」」


 四人の女子に期待の目でこちらを見られ、断れなさそうな雰囲気の中、俺は疲れている様子の龍馬さんを恐る恐る窺った。


「えっと…、龍馬さんは、大丈夫ですか?」


「ああ。毒を食らわば皿までだ。いいですよ。どんなポーズを取ればいいですか?」

「…!」


 龍馬さんは、苦笑いすると、少し吹っ切れた様子で、女子達に協力的な意思を見せてくれた。


「二人、熱く見つめ合って下さい。」

「「こうですか?」」


「キャーッ。二人共素敵✧✧」

「カッコイイ!撮りますよ〜?」


 カシャカシャッ✧✧


 ポーズを取る度に、ギャルのお姉さん達に騒がれ、さくらはちょっと頬を膨らませている。


「むうぅ…。良二さん、モテモテです。」


 いや、こんなんで女子にキャーキャー言われても全然嬉しくないんだけどなぁとげんなりしていた俺だったが…。


「ふふっ。さくらちゃん。焼き餅焼いてる〜。」

「やんっ。秋桜ちゃん〜。」


 金髪美少女の秋桜ちゃんが、銀髪美少女のさくらのほっぺをツンツンしている様子にはちょっと和んでしまった。


「いいなぁ、さくら…。」


 そして、隣で切なそうな表情をしている龍馬さんは、心の声がだだ漏れてしまっていた。


「原作カップルの方も撮らせてもらっていいですか?」

「「えっ?」」


 ギャルのお姉さん達は次にさくら&俺、宝条さん&龍馬さんを順に手で指し示して来たので、俺と龍馬さんは驚きの声を上げてしまった。

 BLカップリングを妄想する女子達にとって、推しのカップルが絶対で、原作の正規カップルは無視すべき設定なのかと俺は思っていたのだが…。


「「ああ。いいですよ〜。」」


 さくらと宝条さんは動じずすぐに了承していたので、そんなに珍しい事ではないらしい。


「良二さ…、ブラック大佐♡♡」

 ギュッ!

「さ、さくっ…。魔女っ子MOON…♡♡」

 カシャッ✧


 俺がさくらに抱き着かれたところを写真に撮られ…。

  

「龍馬さ…、シルバー大尉、もっと私に寄って下さい?♡」

 ピトッ!

「こ、こすっ…。魔女っ子EARTH…♡♡」


 カシャッ✧


 龍馬さんも、宝条さんにくっつかれたところを写真に撮られていた。


「「写真ありがとうございましたぁっ!」」


 ギャルのお姉さん達がにこやかに去っていく中、俺はさくらに疑問に思っていた事を聞いてみた。


「BLの推しのカップルと、原作カップルは相容れないものだって思っていたけど、彼女達はそうじゃないんだな。」


「ええ。推しのカップルが絶対の方も多いですけど、それはそれ、これはこれで楽しんでいる方も結構いますよ?」


「その人によって、スタンスは違うんじゃないですかね。私の好きなサークルさんの同人誌に、原作カップルが結婚した上で、ヒロイン達が旦那達のBLカップルを許容するというお話もありました。」


「いや、どういう状況っ?!」


 さくらの説明に、宝条さんが補足し、俺は驚くばかりだった。


 一口に、BLといっても色々あるらしい…。


「よく分からない(正直に言うと分かりたくない)が、奥が深い世界なんだな…。」


 龍馬さんも感心したように頷いていた。


 さくらと宝条さんはそんな俺達を見遣ってから、お互いの顔を見合わせると笑顔になり…。


「さて、ここまで私達の為に、お二人を振り回してしまったので、今度は良二さんは私と…。」

「龍馬さんは私と、二手に別れてお二人の行きたい所を回りませんか?」


「あ、ああ…。//」

「それは…いい考えだな…。//」


 美少女達のウインクをしながらの提案に俺と龍馬さんは一もなくニもなく賛成したのだった。



          *


 龍馬さんと宝条さんと別れた後、さくらと俺はイベントのカタログを広げ、次の行き先を決める事にした。


「良二さんは、どんなジャンルを回りたいですか?」

「う、うーん、そうだなぁ…。俺、最近の作品はあんまり知らないしなぁ…。何かオススメのサークルある?」


「う〜ん。そうですね…。漫画やアニメの同人誌だけでなくて、グッズや、写真集などを出しているサークルさんもありますよ?

 その方面、私は詳しくないですが、権田さんは、おもしろTシャツのサークルがオススメって言ってました。」


「へえ〜。グッズとか出してるサークルもあるんだ。面白そうだなぁ…。あっ。」


 さくらの話を聞きながら、カタログのパラパラとめくりっていると、動物の絵のサークルが多いページに行き当たり、その中のいくつかの猫のイラストに目を留めた。

「わあぁ…。動物さん達の絵、可愛いですね?この辺りは、確か、飼っている動物さんとの日常を描いた作品とか、アクセサリーとかを売っているサークルが多かったような気がしますよ?」

「そうなんだ…。うん!じゃあ、さくら。この辺り、回ってもいいかな?」


「はい。良二さん、了解しましたっ!」


 さくらの説明に興味を引かれ、二人連れ立って、再びイベント会場の中へ向かう事になったのだった。


          *

      

 会場内は、やはり多くの人で溢れていて、俺とさくらは縦に一列になって目的の場所へ向かっていた。


 はぐれないようにと、さくらは俺の服の裾をちょっと摘み、後ろにくっついて歩いて来る。

 俺は後ろからさくらの気配と花のような香りを感じ取り、面映い気持ちになりながら、振り返り、彼女に聞いた。


「む、MOON…。歩くスピード速くないか?」

「はい。ちょうどいいです。ブラック大佐が私に合わせてゆっくり歩いて下さるので。

 私の婚約者様、優しいです♡」


「い、いや、このぐらい、普通だよ…//」


 キラキラした瞳で俺を褒めてくるさくらに照れていると、ペットの写真や、冊子、動物モチーフのアクセサリーなどを置いてある一画にやって来た。


「お目当てのスペースはこの辺ですかね?」

「ああ、そうだな…。」


 最近あんずを飼い始めたばかりの俺は、猫との生活について書かれたエッセイや漫画などあれば、共感出来て、勉強にもなるんではないかと思い、辺りを見回してみると…。


「…!」


『肉球倶楽部』というサークルに、可愛い猫のイラストが描いてある冊子や、猫モチーフのグッズを置いてあるのを発見して、足を止めた。


「わぁ…!可愛い猫ちゃんグッズ…♡」


 さくらも、それを見て歓声を上げた時、サークルの席に座ったベレー帽を被ったおしゃれ気な女性に声をかけられた。


「いらっしゃい、よかったら、お手に取ってご覧下さ…、?!い、石藤くん?」

「??!」


 いきなり名前を呼ばれて驚き、そのサークルにいたベレー帽の女性をよく見てみると、可愛らしい顔立ちに確かに見覚えがあった。


「さ、佐倉さん…?!」


 数ヶ月前、同窓会で、再会したばかりの、元カノの友達がそこに座っていたのだった…。


 


✽あとがき✽


いつも読んで下さり、ブックマーク、リアクション、ご評価下さりありがとうございます。


今後ともどうか宜しくお願いしますm(_ _)m

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