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一夫多妻制の許されたこの社会で俺は銀髪少女に唯一無二の愛を貫く  作者: 東音
第三章 そして幸せな生活が始まる。一方NTR夫婦は…。
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財前寺 桜 > 財前寺 龍馬


「ざ、財前寺さん…?そそ、その方は…?!」

「お、お身内の方ですか…?」


 突然、現れた端正な顔立ちの銀髪青い目の青年の登場に、両親がビビりながら問いかけると、財前寺さんは、汗をかきながら説明し出した。


「ああ、石藤さん、無作法で大変失礼致しました。

 お恥ずかしながら、彼はウチの長男の龍馬です。今まで、A国に海外出張しており、予定では、来週に帰国予定となっていたのですが…。」


「人づてに妹が見合いをすっぽかすような相手と結納をすると聞いて仕事の予定を早めて飛んで帰って来たのだ…!」

  

「「「…!!||||」」」


 さくらのお兄さん、龍馬さんに言われ、俺達家族は青褪めた。


 ガラッ!!

 

「龍馬お坊っちゃま!!お止め下さい!それは事故で仕方がなかった事と先程ご説明したではありませんか…!!」

「うわっ!離せ、権田…!!」


「「権田さん…!」」

「権田くん…!」

「「…!??」」


 今度は、権田さんが乱入して龍馬さんを羽交い締めにし、俺、さくら、財前寺さんは慌て、両親はまたも新たな乱入者の登場に目を白黒させていた。


「せっかくのおめでたい場を荒らしてはなりません!龍馬お坊っちゃま、後でお尻ペンペン案件ですぞ?冷静になられて下さい!」


「権田、お前、使用人の分際で、家族の問題に首を突っ込み過ぎだぞ!!

 あと、俺はもういい大人だ…!お坊っちゃまとか、お尻ペンペンとか言うのはやめろ…!!//」


「おやおや。権田…。龍馬…。」


 争う二人にオロオロする財前寺さんに…。


「ああっ、権田さん、お兄様…!()()()()()()()()ではありますが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()…!!」


 手を組み合わせて涙目になるさくらだったが…、ん?いくつか意味深なセリフがあったような…??


「お、お見合いの件で、愚息がやらかした事については、誠に申し訳ありませんでしたっ!!」


「「「「「「…!!」」」」」」


 そんな中、再び恐れ慄いた父は土下座をし…。


「大変申し訳ありませんでした!!」


 続いて、母も父に並んで土下座をし、俺にも(あんたもよ…!)とチロリと視線をよこして来たので、俺も慌てて、床に額を擦り付けるように頭を下げた。


「あの時は本当に、大変申し訳ありませんでした!!」


「いやいや、石藤くん、ご両親も、頭を上げて下さい!」

「ああっ、良二さん、お父様、お母様…!」


 頭上で、財前寺さんとさくらの慌てた声が響いた。


「お兄様、これから私の家族になろうという方々に何を土下座させているのですかっ…!?」


「い、いや、別に俺は土下座しろとは…。結婚を許さないと言っただけで…。」


「お兄様の知った事ではありません!良二さんは、この…、(ガサゴソッ、バッ!)あんずちゃんという猫ちゃんを身を挺して救った為にお見合いに来られなかったのです!この子の命が失われてもよかったいうのですか?」


「う、うぐっ。ラブリーな三毛猫…♡た、確かに可愛い猫ではあるがっ…!」


 さくらは、カバンからスマホを取り出し、あんずのものらしき画像を龍馬さんに突きつけると、彼は猫好きなのか一瞬目をハートにして、怯んだようだった。


「良二さんは小さい頃に私をも助けて下さった晴らしい方なのに、これ以上ひどい事をいうなら…、秋桜こすもすちゃんに言い付けますっ!!嫌われてしまいますよっ!!」


「がはっ…!こ、秋桜ちゃんにっ…。

 _| ̄|○ il||li」


 さくらの発言に龍馬さんはその場にガクリと膝をついた。


「秋桜ちゃん…?」


 龍馬さんの衝撃の受けっぷりに、名前を出しただけでこんな風になってしまうなんて、どんな人なんだろうと俺が疑問に思っていると、さくらがこそっと教えてくれた。


「(秋桜ちゃんとは、同じ専門学校に通っている私の友人です。お兄様は、彼女に片思いをしているのです。)」

「(ああ〜、そういう事か…。)」


 俺は納得して大きく頷いた。龍馬さん、厳しそうな方だが、想い人には弱いらしい。


「た、頼む、さくら…。それだけは、やめてくれ…。」


 涙目になり、懇願する龍馬さんに、さくらは指を突き付けた。


「なら、失礼な事を言った良二さんとご両親に謝って下さい…!!」


「ぐっ…!い、石藤くん、ご両親方、し、失礼な事を言って申し訳なかった…。」


「「「い、いえいえ。とんでもない。」」」


 龍馬さんに苦しそうに頭を下げられ、俺と両親はぷるぷると首を振った。


「ただ、ついこの間まで男性が苦手で、お見合いすら出来なかった妹が、いきなり10歳年上の男と結納すると聞いたら心配になるのも分かって下さい…。」


 気まずそうにそう言う龍馬さんに、俺は大きく頷いた。


「無理もないです。まだ10代でこんなに素敵な妹さんが俺みたいなくたびれたおじさんに嫁ぐと聞いたら、そりゃ、心配になりますよね…。」

「良二さんは、くたびれたおじさんじゃありませんよ!誠実で、勇気のある素敵な男性です。こんな人は他にはいません!」


「さくら…。//」


 俺の苦笑いしながらの自虐的な言葉を、間髪入れずさくらは否定し、龍馬さんの前で真剣な顔で主張してくれた。


「お兄様も良二さんと過ごす内にきっとその良さが分かるようになります。

 今度、ゆっくりお話する機会を作りましょう…?」


「そ、そうだな…。会ったばかりで、今すぐには結論を出せそうにない。」


 躊躇いがちに龍馬さんは頷き、さくらは俺も問いかけて来た。


「良二さん、いいですか?」


「ああ、俺はもちろん、大丈夫だよ。」


 さくらには家族全員に祝福されて、安心して嫁いで来てもらいたかった。


 その為に少し厳しそうなお兄さんであっても、さくらとの結婚を認めてもらわなければと気合を入れたところ…。


「お兄様が、良二さんに和やかに接してくれるなら、友達も紹介したいですし、秋桜ちゃんも一緒に連れて来ようかな?」


「えっ♡」


 さくらがニヤリと笑ってそう言うと、龍馬さんは目を輝かせた。


「はは…。さくら…。」

 

 さくらと龍馬さんの力関係は、友達の件もあって、どうやら完全に さくら>龍馬さん

 のようだった…。


「さくら、いつの間にか、策士になって…!

 恋すると女は強くなると言うけど、頼もしい限りだよ。」


「さくらお嬢様、素晴らしい成長ぶりでございます!」


 そんなさくらを財前寺さんと権田さんは称賛し…。


「ふ、ふうっ…。なな、なんとか、首にはならずにすみそうか…?」

「どうやらそのようね…?」


 両親はホッと胸を撫で下ろしていた。



 

*あとがき*


 読んで頂きまして、ブックマークや、リアクション、ご評価下さって本当にありがとうございます

 m(_ _)m


 次話から4話分白鳥慶一視点、1話分白鳥舞花(三人目の嫁)視点の話を挟みまして、

 某イベントへ参加する良二くん&さくらちゃんの話を投稿していけたらと思います。


 今後ともどうかよろしくお願いします。

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