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一夫多妻制の許されたこの社会で俺は銀髪少女に唯一無二の愛を貫く  作者: 東音
第三章 そして幸せな生活が始まる。一方NTR夫婦は…。
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大安吉日 〜結納の日〜


 それから、さくらとは休日の度にデートを重ね、更に2週間ほどたち、今日は大安吉日の土曜日ー。


 さくらとの結納の日だ。


「うわぁ…。見るからに格式高そうなお店だな…。」


 目の前の老舗の料亭『櫻花亭』に、店に続く石畳の上で俺が少し怯んでいると、隣にいる母が軽く睨んで来た。


「あんた、食事のマナーとか大丈夫だろうね?この期に及んで、破談になるような真似はするんじゃないよ?」


「流石に気を付けるよ。ただでさえ、緊張してるのに、プレッシャーかけるなって!」


 俺が母に文句を言っていると、父が青褪めながら、強張った笑みを俺に向けて来た。


「だだだ、大丈夫だ…。良二。いざという時は、俺は、か、会社を辞める覚悟だ…!きき、気にせず自然体でいればいいぞ…?||||」


「いや、親父どんな覚悟だよ?!余計に緊張するわっ!」


 膝がガクガクさせている親父に俺は突っ込んだ。


 この前、見合いをすっぽかしてしまった件では、両親に迷惑と心労をかけてしまったと申し訳なくは思っているし、ナーバスになる気持ちも分かるが、もう少し息子を信用してくれないだろうか?


 ここに来る時も、俺が「電車で行けるから大丈夫」と言うのを、両親が「いや、あんたは歩いている途中にどんな厄災に遭うかわからん!」と聞かず、遠回りになるのにわざわざ車で迎えに来てくれたのだった。


 俺が心配性の両親にげんなりした表情になっていると…。


「良二さん…!!」


 凛と可愛らしい声が響き、振り返ると…。


「…!!///」


 艶やかな桜色の地に桜模様の振り袖を着た銀髪美少女が、そこに立っていた。

 控えめに言って、天使もかくやという清らかな美しさに俺は息を飲んだ。


「よかった…!来て頂けると信じていました…。」


 青い目を潤ませて、草履をカコッと鳴らしてこちらに近寄ってくる彼女の名を俺は万感の思いで呼んだ。


「さ、さくら…!来てくれてありがとう…!き、綺麗だよ…。」


「…!//」


 さくらは、頬を桜色に染め、目を輝かせた。


「良二さんにそう言ってもらえて嬉しいです…!!

 この日の為に沢山おめかししたんです。

 良二さんも、スーツ姿とても素敵ですよ…?大人っぽくて、クラクラしちゃいます。」


「さくら…♡」

「良二さん…♡」


 手を取り合い見つめ合い、顔を近付けていく俺とさくらに母が窘めるように声をかけた。


「コラコラ。気持ちは分かるけど、結納前だから、程々にね。」


「あっ。ご、ごめん。さくら!//」

「い、いえ。良二さん、こちらこそごめんなさい!//」


 危うく両親の前でキスをしそうになっていた俺達は、慌てて離れた。


「さくらさん、こんにちは。本当に一段と綺麗ね。」


「良二さんのお母様…!こ、こんにちは。よろしくお願いします。」


 さくらは緊張した様子で母に挨拶をした。


「あなたのような素敵な女性に良二のお嫁さんになって貰えるなんて、本当に夢みたいだわ…。今日はよろしくお願いしますね。」


 母は目を潤ませて頭を下げると、さくらも感激した様子で涙目になった。


「ぐすっ…。私も、良二さんに旦那様になって頂けるなんて、夢のようです…!今日はよろしくお願いします。」


「さくら…。」


 俺もつい一ヶ月半前までは、こんな幸せな時を過ごす事になろうとは、つゆほども思っていなかった。


 改めて、さくらが俺に幸せを与え続けてくれる事に感謝と感動を覚え、それに見合うだけの男になりたいと拳を握り締めたところ…。


「さくら!気持ちが逸るからって、先に行ったらいけないよ?」


 さくらの後ろから、さくらの父、財前寺龍人さんが慌てて後を追いかけて来た。


「あ。お父さん、置いてきてしまってごめんなさい。一秒でも早く良二さんに会いたかったから…。」

「全くさくらは、良二くんの事になると、普段の数倍のスピードで行動するから、驚くよ。」


 気まずそうに笑うさくらに、財前寺さんは追い付くと、俺達の方へ優美な笑顔を向けた。


「いやぁ、バタバタして申し訳ありません。石藤くん、お父様、お母様、本日はどうかよろしくお願いします。」


「「よろしくお願いしま…。」」


 俺と母が挨拶しようとしたところ…。


「ほほっ、本日は、誠にどうかよろしくお願いしますっっ!!何か不都合がございましたら、この石藤良之助、全ての責任を取り、刀の錆となる覚悟ですので、妻と息子だけはご容赦下さいませっっ!!」


「お、親父…!||||」

「あ、あなた…!||||」


「良二さんのお父様…?!||||」 

「いや、あの、石藤さん…?!||||」  」


 全員がドン引きする中、それまで空気だった父、石藤良之助は、石畳の上に膝をつき、頭を地面に擦りつけた。


 お、親父よ…。

 相手は仕事の取引先で、大会社の社長。加えて俺は見合いですっぽかしをやらかしたばかり。ナーバスになるのは分かるんだが、

 結納の前に外で土下座はやめてくれぇっ!!


✻あとがき✻


 いつも読んで下さり、ありがとうございます!


 今回の話の着物姿のさくらちゃんをイメージしたAIイラストをみてみんに投稿しますので、よかったらご覧下さいね。


追記:みてみんに投稿しました。

https://42432.mitemin.net/i953508/


過去、xに動画もあげていますのでこちらもよろしければご覧下さいね。


https://x.com/toon8758/status/1779390787266228574?t=EAcTXkF4L6QZTrclXMKfaw&s=19




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