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一夫多妻制の許されたこの社会で俺は銀髪少女に唯一無二の愛を貫く  作者: 東音
第三章 そして幸せな生活が始まる。一方NTR夫婦は…。

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さくらは婚約者の趣向が知りたい


《財前寺 桜視点❀》


 今日は良二さんのお家にお呼ばれした休日の午前中ー。


「わぁ…✧✧お部屋の中、綺麗ですね…!」


 私は良二さんの寝室のお部屋を見渡して歓声を上げた。


 以前お邪魔した時は、リビングも寝室も、ものが乱雑に積み上がり、失礼ながら掃除もそんなに行き届いていなさそうな状態だったが、今はリビングも寝室もものがあるべきところに収まり、ゴミもホコリも全く落ちていないクリーンなお部屋で、驚く程の変わりようだった。


「ニャーン!」

 トテトテ…。


 あんずちゃんも、心なしか快適そうな顔で室内を歩き回っている。


「ああ…、せっかく今日はさくらがご飯を作りに来てくれるって言うから、

 せめて部屋の整理整頓ぐらいはしようと、片付けたんだよ。」


「良二さん…!」


 ちょっと照れ臭そうに、笑いながら、頭を掻いている良二さんのその表情にキュンとし、私の為に部屋を片付けてくれた事に感動していたのだけど、掃除をするという名目で、例のものを探せなくなった事にはがっかりしていた。


 まぁ、まだ手はあります。


「うふふっ。ありがとうございます!今日は腕によりをかけてご飯作らせて頂きますので、楽しみにしていて下さいね?」


 私はにっこりと良二さんに、笑いかけたのだった。

         *

         *


「あんずちゃんとの生活には、もう慣れました?」


「ああ…。最初はドタバタだったけど、ようやく落ち着いて来たよ。

 前は、トイレをなかなか覚えてくれなくて、大変だったけど、最近は、4回に3回は成功するようになってきたんだよ。」


「へえ〜!あんずちゃん、お利口さんだね?」


「ニャ〜ン♡」

 スリスリ…。


 良二さんの言葉に、私があんずちゃんを褒めると、まるで言葉が分かっているかのように、あんずちゃんが近付いて来て、得意げな表情で体を擦り寄せて来たので、私はそのふわふわの毛並みを撫でてあげた。


 やっぱり賢い猫ちゃんだなぁ…。


 良二さんといつも一緒にいられるのは羨ましい気もするけど、とっても可愛いので憎めない。


 いつかは私もここで良二さんとあんずちゃんと一緒に暮らすのだと近い未来を夢見て私はうっとりした。


 そこへ…。

 プルルル…♪


 着信音が鳴り、良二さんが自分のスマホを取り出して、小さく声を上げた。


「あっ。和哉からだ。ごめん。さくら。ちょっと、ここ電波悪いんで、キッチンの方行ってもいいかな?」


「はーい♡ごゆっくり。」


 私は笑顔で、良二さんをリビングの方へ送り出した。


「(さっ。ミッション開始です!)」


 私は、おもむろに立ち上がり、良二さんのベッドの下をチェックした。


「(むむっ。隙間に、昔のゲーム機発見!しかし、例のものはないですね…。)」


「ニャ、ニャー??」


 あんずちゃんは、突然ベッドの下を覗き出した私の不審な行動に首を傾げている。


「あんずちゃん…。自分でも変な事してると思うけど、お姉さん、どうしてもご主人様の趣向が知りたいの。

 お願いだから、ご主人様にはナイショにしといてね?」

「ニャ、ニャー…。」


 私が人差し指を口に当てるポーズを取ると、あんずちゃんは、神妙そうな表情で頷くような仕草をした。


 そう。私のミッションとは、良二さんの趣向を探る事。

 この間、私のBL好きという趣味を、受け入れてくれた良二さん。


 嫌われるのが怖くて趣味を諦めようとまで思っていたのに、なんて心の広い人なんだろうと、良二さんの事を惚れ直す思いだった。


 けれど、けれど!


『そういうリアルじゃない、個人の趣向みたいなもの、誰しも一つぐらい持っている』

 と彼が言ってくれた時、彼は何か思い当たる事があるかのように大きく頷いていたのが気になって…。


 良二さんも、何かそういう趣向があるのかと聞いてみたものの、

「あっ。あんずのご飯がまだだった。」

 とあんずちゃんのお世話に紛れ、うまく誤魔化されてしまったのだった。


 権田さんには、男性には話せない趣向もあるので、そういうのは直接聞くのはよくない。

 どうしても知りたいなら、こっそり、ベッドの下、二重になっている本棚を探すといいと言われ、今、私は彼の趣向を探し当てるミッションを実行中なのであった。


「ハッ。ここの本棚のこの部分、奥行きがある割に、小さい本しかない。もしかして、二段目に…!」


 私は目をキランとさせて、一段目の本を取り去ろうとすると…。


 コトッ。

「…!」


 奥にある硬いものに手が触れた。


「これは…!」


 よく見ると、それは一眼レフのカメラだった。

 写真を入れてあるらしい、小さなポケットアルバムが何冊か近くにあった。


「もしかして、良二さん、写真撮るの趣味だったのかな…。」


 それで、もしかして、そのアルバムの中には、良二さんが香織さんを撮った写真が、収められていたりして…。


「……。」


 私は勇んでいた心が急に萎むのを感じて、そーっと本を元の位置に戻した。


「私、何してんだろう…。」


 良二さんの心の大事な部分を、本人の許可も得ずに、勝手に暴こうとして…。


 良二さんが今、私を一番近くに置いてくれて、趣味も許してくれて…。

 それだけで充分じゃない。


 良二さんの全てを知りたいなんて、私の傲慢だった。

 もう趣向を探るミッションなんてやめよう。


 そう思って、その場に座り込んで反省しているところへ…。


「ニャ、ニャニャン?」


 グイッ!ハグッ!トテトテトテ…。


 あんずちゃんがベッドの隙間に挟まっていた、何か平たい四角いものを、口に加えてこちらに向かって来た。


「あんず…ちゃん?何を見つけ…。…!!」


 私は、その平たい四角いもの=ブルーレイディスクの箱を見て息を飲んだ。


 そこには、官能的な姿の女の人の写真に、

『女教師びんびん物語♡♡』

 と大きな文字で描かれていたのだった…!











✽あとがき✽


いつも読んで下さり、ブックマーク、リアクション、ご評価下さりありがとうございます!


昨日お伝えしましたように、おまけ話 ズッ◯な関係 を活動報告に投稿していますので、よければご覧下さいね。


今後ともどうかよろしくお願い致しますm(_ _)m

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