おまけ話 夜を駆けるギャグ
*まえがき*
時間系列として、3章3話「10才のジェネレーションギャップ」あたりのお話になります。
財前寺家御用達の高級車内にてー。
トゥルル…。
権田『はい。旦那様。』
桜の父『ああ、権田くん?今日さくらと石藤くんのデートの日だったよね?二人の様子はどうだった?まさか今日はすっぽかされるなんて事はなかったよね?』
権田『はい。ご安心下さい、旦那様。石藤様は待ち合わせ時間の三十分前にいらっしゃって、さくらお嬢様と既にラブラブの雰囲気で科学館へ向かわれましたよ?』
桜の父『ハハッ。それならよかった。あの子は、可憐な見かけに反してちょっとヤンデレなところがあるから、石藤くんに引かれてフラレてしまっているんじゃないかと心配だったよ。』
権田『ご安心下さい。旦那様。石藤様はさくらお嬢様が待ち合わせの2時間前に到着してずっと待ち続けていた事には気付いておりません。』
桜の父『それをずっと見守っていた権田くんも相当なものだけれどね…。』
権田『ギクリ…!ハラハラ…。(葉っぱの落ちる音。)旦那様!!権田は、ヤンデレではございません!!さくらお嬢様が怖い目に遭われたあの日から、もう二度とあんな事がないようお守りすると心に誓ったのでございます!!』
桜の父『分かってる。分かってるよ、権田くん。落ち着いて?でも、さくらもいい大人だから程々にね…?
見合いの件を問い糾しにさくらが石藤くんの家に行った時、さくらの連絡より頻繁に権田くんの連絡が入っていたけど、まさか盗聴器とか仕掛けてないよね?』
権田『そんなまさか…!権田はただ、石藤様の家のドアの前で、聞き耳を立てていただけでございます!』
※権田さんは耳がとてもいい。↑
桜の父『充分不審者じゃないか…。||||』
権田『あのときは、石藤様にお会いするのは12年ぶりでしたし、酔ってもいらっしゃったので、ほんの少し警戒していただけでございますよ。もうそんな事は致しません。
小さい頃のさくらお嬢様を救って下さった石動様は私にとっても恩人でございます。
これからは、石藤様がさくらお嬢様を守って下さるものと信じております。』
桜の父『うん。彼は今時珍しく誠実で責任感のある青年だよね。さくらを彼に預けられるのなら、私も安心だ。
後は、10才の年の差にも負けず、このまま順調に二人が絆を深めて行ってくれればよいのだが…。』
権田『それに関しては、昨日あれだけ旦那様と私でシミュレーションし尽くしたではございませんか。ふふっ。とっておきのギャグもお伝えしましたし、さくらお嬢様のエスプリの効いた会話で、きっと石藤様はメロメロでございますよ。』
桜の父『いや、君のあのギャグだけど、そんなにウケるかな?』
権田『旦那様、ご心配には及びません!あのギャグは、(焼きそばだけに)私の鉄板ネタでして、2、3軒飲み屋をハシゴした後、友人や同僚にアレを披露して大ウケしない事はありませんでした!』
桜の父『権田くん…。深夜、酔っ払った人間には、どんなつまらないギャグでも受けるじゃないか…?』
権田『まぁまぁ、旦那様。そんなに心配なさらずとも、お二人はお似合いでいらっしゃると思いますよ。』
桜の父『そうだね。二人共しっくりくるいい雰囲気ではあったね。後は…さくらのあの趣味を良二くんが理解してくれるかどうかなんだが…。』
権田『……。||||』
桜の父『ご、権田くん。どうしてそこで黙るんだよ?不安になるじゃないか!』
権田『も、申し訳ありません。さくらお嬢様の手にかかれば、今の私達の会話も、薔薇の花が飛ぶ素敵な想像に変換されてしまうのかと思ってしまいまして…。』
桜の父『確かにそうかもしれん…。|||| 男性を受け付けず、見合いが出来なかった時も、私には隠していたが、そういう雑誌や漫画は必死に読み耽っているようだったしなぁ…。』
権田『きっと、愛があれば何でも乗り越えれますよ。ハラハラ…。(涙が落ちる音。)』
桜の父『ふうっ。そう願うしかないな…。』
権田『旦那様をお力づけする為に、渾身のアレを披露させて頂きます。必殺!ナウなベヤングはぁ〜っ!』
桜の父『秘書「社長、会議のお時間です。」
うむ。じゃっ。権田くん、私はこれで!』
ブツッ。ツーツー。
権田『バカ…ウマ…。』
✽あとがき✽
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