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一夫多妻制の許されたこの社会で俺は銀髪少女に唯一無二の愛を貫く  作者: 東音
第三章 そして幸せな生活が始まる。一方NTR夫婦は…。

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隣人夫夫妻と銀髪少女との出会い


 さくらと初デートの翌日。

 俺とさくらは事故の日に助けてもらったお礼に、隣人の西城家を訪れていた。


(デートの後、あんず用の猫缶を渡し忘れたとさくらが家まで届けてくれ、その時に隣人にお礼をしに行く話をすると、それはぜひとも同席したいと、結局さくらも付いて来てくれる事になったのだった。)


「駿也くん、あの時は俺を病院まで運んでくれて本当にありがとう!これ、よかったら皆さんで。」


 俺は、西城亜梨花の好きそうな酒(かなりお高め)&おつまみセットの入った紙袋を差し出した。

「(はわ〜!いい酒…。じゅるり…。)」

 駿也の隣で西城亜梨花が目を輝かせている。


「いえいえ、いつも良二さんにはお世話になってますし、当然の事をしただけなんですけど…。お礼なんかいいんでしょうか?」


「いや、ぜひとも受け取ってれ。」


 恐縮している駿也に俺は更にずいっとそれらを突き出すと、彼は殊勝な顔で受け取った。


「では、ありがたくお受け取りします。」


「私からもお礼申し上げます!」


「「「!??」」」


 そこへ、俺の陰に隠れていた、銀髪美少女が、夫夫妻の前に進み出た。


「先日は、私の婚約者、良二さんを救って下さり、本当にありがとうございました!」


 さくらは、隣人である、西城亜梨花、駿也、雅也夫夫妻に深々と頭を下げた。


「はわわわわわ…!ぎ、銀髪に青い瞳のスタイル完璧美少女のお人形さんが?生きてしゃべって、私の目の前で斜め45°の丁寧なお辞儀をしているっ??」


「「亜梨花さん、しっかりして下さい〜!」」


 腰を抜かしそうな程、びっくりしている西城亜梨花と、それを支える旦那ーズに、俺達は、苦笑いで説明をした。


「西城さん、彼女は人形じゃない。ご両親が北欧出身の財前寺さくらさんで、今、俺は彼女と結婚を前提にお付き合いしてるんだ。」


「はい。私、良二さんが事故に遭った日の10才年下の見合い相手でして、父は輸入品を扱うRJ株式会社の社長を務めております。

 実は良二さんとの出会いは12年前で、私がまだ小学生の頃、元カノさんと一緒に、不審者から助けて頂いた事がありまして、その時からずっと良二さんに好意を寄せていたんてす。」


「ふええっ?銀髪美少女との韓ドラ的な運命の出会い?!良二くんの言ってたあの馴れ初めって、ホントだったのぉっ!?


 あかん。キャパオーバーやっ…。 

 ブクブクブクッ。」


「「亜梨花さぁんっ!!」」

「「西城さんっ?」」


 西城さんは、あまりのあり得ない事実を目の前に、頭がショートしてしまったのかその場に崩れ落ち泡を吹いていた。


「どうされたんでしょう?お礼にA5ランクの松◯牛をお持ちしましたのに…。」

「ハ、ハハッ…。」


 風呂敷に包まれた桐箱を抱えて、キョトンと首を傾げているさくらに、引き攣り苦笑いを浮かべる俺だった。


         *

         *


 それから、駿也によって泡を吹いた西城亜梨花が、雅也によってA5ランクの牛肉が西城家のリビングへ運び込まれ、俺達も強く勧められ、西城家にお邪魔する事になった。



「うわぁぁ!見て下さい!!これはすごい肉ですよ…!!」

「「お、おおっ…!!(ゴクッ!)」」


 旦那ーズその一黒髪イケメンの雅也は、ブルブル震えながら、A5ランクの綺麗な霜降り肉を見せて来て、俺と駿也はゴクッと息を飲んだ。(亜梨花は気絶中…。)


「さくらさん、ありがとうございます!!

 鮮度が落ちない内に早急に調理しまっす!!」


 気合を入れてガッツポーズを取る雅也に、さくらはにっこりと愛想よく微笑んだ。


「喜んで頂けてよかったです。私もお手伝いしましょうか?」


「ああ、良二さんから聞きましたけど、さくらさん、T調理専門学校の学生さんでお料理上手なんですよね?

 いやいや、でも、今日はお客さんなんで座ってて下さい。」


「そ、そうですか?今日はお礼をしに来ましたのに、何だか申し訳な…。」

「ハッ!銀髪美少女はいずこ?!あっ。いた!取り敢えずハグしとこっ!!」


 ガシッッ!!

「きゃ〰〰〰っ!?」

「さ、さくらっ…!」


 発言を遮るように、突然復活した西城亜梨花に抱き着かれ、さくらは悲鳴を上げていた。


「うおっ。柔らかっ!!素晴らしい凹凸!!これを良二くんは、味わっとるのか〜。けしからんなぁ!!」

「あんっ!まだ、まだです!!良二さんにはまだ何もっ!!ただ、胸を見られただけでっ!!」

「さっ、さくらっ!//コラッ!西城さん、いい加減にしなさいっ!」


 西城亜梨花に体を触られ、喘ぐさくらという百合的状況に、俺は体の奥にくるものがありながら、さくらから、必死に亜梨花を引き離した。


「わ〜ん!良二さぁん…!」

「ヨシヨシ…。怖かったな…。」


 俺に取り縋り、涙目になっているさくらの頭を撫でてやった。


「えっ。胸だけ見られて何もないってどういう状況!?そこんとこ、もちょっと、詳しく…。」


 興味津々で更に詰め寄る亜梨花に、旦那ーズそのニである金髪イケメンの駿也が人差し指を突き出し、神妙な顔で叱った。


「もう、亜梨花さん!飲む前からセクハラ親父みたいな事しちゃダメですよ?」


「はーい!駿ちゃんごめ〜ん!!さくらちゃんのあまりの可愛さに、調子に乗っちゃった。」


 西城亜梨花は、頭をコンと叩いて舌を出している。


「すいませんね?さくらさん。亜梨花さん、美しい人やモノに目がないんです。限度を越したら叱るので言って下さいね?」


 駿也が、俺にひっついているさくらに優しく話しかけると、彼女は駿也を見て、大きく目を見開いた。


「…!!は、はいぃ…。///」


 !??


 駿也を見て、さくらは顔を赤らめている。


 イケメンの駿也から微笑まれたら、そりゃ女子ならポーッとするのも無理ないだろうけど、どちらかというと男子が苦手だと思っていたさくらのそんな様子がちょっと面白くないなと思っていると…。


「良二さん…。」

「?!」


 さくらは、俺を振り返り、ジーッとこちらを凝視してきた。


「は、はぁぁっっ…!!////」


 そして、さっきよりも真っ赤になり、さくらは頬に両手を当てた。


「(今、そんな妄想しちゃダメェ…!!でも、最っ高に萌える!!どうしよぉ…!!)」

「???」


 いっぱいいっぱいの様子でぷるぷる首を振っているさくらに、俺は首を傾げるばかりだった。




✽あとがき✽


いつも読んで下さり、ブックマーク、リアクション、ご評価下さり、ありがとうございます!


今後ともどうかよろしくお願いしますm(_ _)m

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