(完結)
ついに完結です!
最後まで楽しんでね〜^_^
初めての性交だけでなく、初めての膣内射精まで相手が花奈子とは、私たちは本当に腐れ縁だ。
もちろん、花奈子にとっては私が初めての膣内射精の相手ではない。
私はそれを少し不満に思ったが、さまざまな経験を持つ女性を軽蔑することはすでに時代遅れだろう。
男性も女性も、自由奔放に生きる。
これからの社会はそうあるべきだ。
性交とは両者の合意に基づき、互いが敬意を払い合いながら協力して行うものである。
花奈子はいつも、私にそれを教えてくれる。
これから先、別の女性を相手にする際も、この学びを活かして充実した性交に臨みたい。
花奈子もエクスタシーに達したのか、ぐったりと股を開いたまま、まだわけのわからない歌を歌い続けている。
女性は絶頂の余韻がしばらく続くというから、花奈子はまだその中にいるのかもしれない。
しばらく浸らせておいてやりたいところだが、花奈子はアフターピルを飲む必要があった。
私は花奈子の性器をティッシュで拭ってやり、まくれあがったスカートを元の通り整え、肩を貸して起き上がらせた。
そして、未だ歌っている花奈子に窓を跨がせ部屋に連れて行くと、彼女がアフターピル——白い錠剤だった——を飲み込む姿を見届けた。
万が一錠剤が舌の裏などに挟まり、飲み切れていない恐れも考慮し、口内を指でくまなく点検することも怠らなかった。
花奈子が無事にピルを服用したことを確認すると、私は再び自分の部屋に戻った。窓の鍵を閉める。ことん、という小さな音が深夜の自室に響いた。
◇
シャワーを浴びたりなんだりと、明け方まで起きていたせいか、私は幻覚を見たようだ。
隣家の窓ガラスは、巨大なアクアリウムの覗き窓になっていた。
水槽の中には、大きなクラゲがゆらゆらと揺蕩っているのだ。クラゲはガラスに張りつくと、「ケータ、ァー、ケーターアー」と、まるで私の名を呼ぶような鳴き声で一晩中鳴いていた。
やはり、睡眠はしっかり取るべきだ。
これでは翌日の勉学に身が入らない。
年収二千万円の妻を娶るには、自分自身が年収三千万の男にならなければならないのだ。
私の人生には、乗り越えるべき高い壁が多くある。
階下のポストに新聞が投げ込まれる音がした。
私がとっている日経新聞だ。
性交の解放感もそこそこに、私の盤石な将来に向けて、今朝も欠かさず現代社会の情勢を学ばなければ。
【完】
自分的には、よく書けたなーって自信作でした!
お読みくださり、ありがとうございます〜