171.毎年恒例の林檎問題
その土地々で名産品がそれぞれ存在しますが、それが地元の住民にちょっとした問題を投げかける事が有ったりします。ある意味嬉しい事なんですけどね……。
ちょうどこのくらいの季節、私の実家青森では小さな問題が発生します。ご存知の通りで青森と言えば日本有数の豪雪地帯ですので除雪の問題、特に片付けた雪を何処に捨てるか、これは雪の降らない地方にお住まいの皆様には想像出来ないくらい激しく根深く深刻な問題でこれがクリア出来ないと家の外に出ることすらままならない……なんてぇ事は遥か昔のお話で、いえ確かに問題なんですよ今でも雪は、でもそれ以上に頭を悩ませるのは自宅のデッドスペースに山積みにされた大量の林檎をどうするか、それが一番の問題で雪が積もるなんてのは大した問題ではないのです。
そんなの簡単、食べちゃえばいいじゃん。はいもうごもっともなご意見なんですが、それが中々そうも行かない。だって、需要と供給のバランスが完全に崩れちゃってこの季節の供給量、物凄いんですよ。親類縁者・友人知人・諸々の関係者から何故か無料で大量に、下手するとりんご箱って言って木製のゴツくてデカい箱単位で搬入されたりするもんだからそれをどう消費するかと言う問題に頭を悩ませる事になるのです。もう、林檎に埋もれる青森県人に向かって『けっぱれ』って声援を送りたくなったりします。
とても残念なお話なんですが、日本国内での林檎の消費量は右肩下がりで中々回復の目処が立たないそうですが、輸出の方は微増傾向でこの方向では光明があるのかなって思います。で、なんで国内の消費量が減少傾向なのか私なりに考えてみたんですよ。そして達した結論、デカすぎないか、林檎……。代表的な品種の重さを調べてみると、一番生産量が多い『ふじ(サンふじ含む)』は平均的に250〜350g、『つがる』は少し軽くて250〜300g、『紅玉』は小玉の品種に分類されるんですが、それでも150〜200g有るんです。私が歳を重ねてしまってって言う影響も有るのかも知れませんが、この重さだと一個食べたらお腹いっぱいになったりしません?昔みたいな大家族が当たり前だったらこの程度の質量は一瞬で消費してしまうんでしょうけど、核家族化が進んだ現代では一個あったら家族全員に行き渡りますよね。一日一個程度の消費量じゃ確かに国内消費は増えないでしょう。そこで私は考えた、もっと小さくて皮が薄くてもっと甘い品種があればいいんじゃないかって。そう、蜜柑みたいに手軽に食べられればいいんじゃないか、そうすればお弁当後のデザートにも持ち歩けるし、冬場炬燵の上にあれば手軽に摘めるし、そうすれば消費量増えるんじゃないかしらなんて思ったんですか、これが中々難しそうなんですよね。
林檎の品種改良には一般的に20年かかるって言われています。交配から種を育てるまで林檎は 交雑育種(花粉をつけて交配) で新しい品種を作ります。その後、交配してできた種を植えて育てるんですが、これが育つとなんと一本一本まったく違う特徴の木になってしまうのですよ。その中から『味』『色』『病気への強さ』など、条件を満たす木を選抜した後、安定して実をつけるかを判定するのに数年かかり5,000粒種を撒いても新品種として認定できるものは一本あるかないかと言う狭き門、なんと言いますか、人生を掛けた大博打といって良い大仕事無訳なので着手しようという方は少ないいでしょうねぇ。私だったら安定した収入が得られるなら既存の品種を育てますもの。ことなかれ主義丸出しの私です……。
じゃあ別の手を考えなければいけませんね。林檎ってそのまま食べても美味しいですが加工、特にお菓子にすると美味しいです。ここ最近いただいてないんですが『りんごチップス』ってご存知ですか。要するにポテトチップスの林檎版と思って頂ければ良いのですがポテチみたいに油っぼくなくてさっぱりとした林檎の甘酸っぱさが楽しめて、パリっとした食感が軽快で罪悪感ゼロ、それどころか身体に良いことしてる気にさせてくれる美味しいお菓子なんですよ。青森では多分コンビニなんかでも見かけるんじゃないかなって思うんですが、関東圏では『無印良品』で販売されてるんですが最近店頭では見かけないってネットの投稿で見かけます。でも、通販では販売されてますのでもし、興味がありましたら一度御覧になってみて下さいませ。
アップルパイはもう定番中の定番ですね。アップルパイにするなら少し酸味が強めの品種がおすすめで私は紅玉がいあかなぁって思います。紅玉は生の状態だときりっと酸味を連想させる爽やかな香りなんですが熱を加えるとまるでキャラメリゼした様な甘くて思わず頬が緩んでしまいそうな香りに変化するのと型崩れしにくくて林檎特有の食感も残って砂糖との相性も抜群でとても美味しく仕上がります。い、思い出しただけで心がとろんとしてしまいます。
そして私の大好物のお酒に目を向けると『シードル(cidre)』ですね〜〜〜。シードルはフランス語で『林檎酒』を意味する言葉です。 りんごの果汁を発酵させて作るアルコール飲料なんですがこれ、ホントにすっきりしてて程よく炭酸のしゅわしゅわが感じられてなんと言うかこう、お洒落でちょびっとセレブな雰囲気を味わえるお酒なんですが私が住んでる近所のお店ではあんまり見かけないのが残念です。以前、故郷の姉貴様が送ってくれた『生シードル』って言うのが物凄く美味しかったなぁ。探してるんですが全然見つからないです。でも、執念で探し出したいと思います、それくらい美味しかったんですよ、思い出しただけで視線が遠くなってしまいます。
有名な特産品がある都道府県在住の皆様ってひょっとして同じようなお悩みをお持ちなのでしょうか、だとしたら、ご同情申し上げます。でも、高級和牛が名産品とかだったらちょっと羨ましいなぁなんて思ったりもするんですが、毎日そればっかしだとやっぱり飽きちゃうんでしょうね、バランスって大切ですね。




