163.みかんの季節になりました
冬の風物詩、蜜柑の季節になりました。私、蜜柑は無限に食べる自信が有るんですが食べすぎると少し困ったことになりますのでご注意くださいね。
食べ物に関する季節感が無くなってきたと言われるようになって久しいですね。冷蔵・冷凍技術が飛躍的に向上して保存できる期間が長くなったのと、農産物の栽培技術の向上、輸入なんかの関係で季節の風物詩と言われていた食品が一年中市場に出回るようになりました……が、これに関してだけは季節が来ないとほぼ手に入らない。そう、オレンジ色で手のひらにすっぽり収まるラブリーはあいつ、蜜柑ですよ。
帰宅して部屋の真ん中に炬燵が有って更にその中央にお盆が有ってその中には蜜柑が沢山置かれてる。昭和のお家ではよく見た風景ですが、最近炬燵をあまり見なくなって、私の自宅もその例外では無くて実は炬燵が無いのでこの風景を再現することは出来ないんですが、炬燵に脚を突っ込んでテレビをぼーっと眺めながら無限にみかん食べてるのって、幸せだった様な気がします。青森の実家では冬場は毎日そんなんだったからなぁ……あ、蜜柑と一緒に大量に林檎も有りましたけどね。どちらも部屋の中に有ると、部屋自体が良い香りになるんですよね。
蜜柑と言うと、どんな物を思い浮かべますでしょう?冒頭に書いた様に掌にすっぽり収まるサイズでる橙黄色でやや扁平な球形が可愛らしくて表面は細かな凹凸があって手で剝ける柔らかな皮に包まれてる、そんな感じでしょうか。所謂『温州ミカン』っ言う物だと思います。温州は中国浙江省の南東部に位置する港町なんだそうですよ。これがなぜ蜜柑の品種に使われるようになったのかと言うと、江戸時代には『唐蜜柑』って言って中国由来の柑橘が珍重されていたため、中国の地名を冠することで価値を高める意図があったとも言われています。そして、温州蜜柑は人が意図的に品種改良して生まれたのではなくて、自生していた物が自然に起こった枝変わり(突然変異)などによる現象から生まれた物なんですって。勿論、発見された以降、人の手による品種改良はされてるんですが、大本は自然が与えてくれためちゃめちゃ美味しい果実なのですよ。
その美味しさやサイズ感から無限に食べられたりする訳で、今は流石に無理だけど、若かりし頃は私ってば気付いたら一日に20個くらい食べてた事が有って、今は亡き母に食べ過ぎだって心配された事がしょっちゅう有ったんですよ。で、その心配って実は取り越し苦労では無くて実は食べ過ぎるとちょっと困った事が起こる可能性が有るのですよ。まず、蜜柑は『β-クリプトキサンチン』などのカロテノイド色素が豊富に含まれてるのでこれが体に蓄積すると、フラミンゴがなぜピンクなのかの回で書いた『柑皮症』になる可能性が有ります。ただこれは、掌とか足の裏が(場合によっては体全体)が黄色みを帯びてしまいます。ま、これはこういう現象が出るだけで害は無いそうなので見た目にびっくりする以外はほぼ実害は有りません。食べるのをやめれば自然に元に戻ります。
それ以外には食物繊維(特にペクチン)が豊富なので摂りすぎるとお腹がゆるくなったり、クエン酸が胃酸の分泌を促ので空腹時や胃が弱い人は注意が必要だし、果糖やブドウ糖が多いので糖尿病や血糖コントロール中の方は注意が必要だったり、酸と糖が多いから『虫歯』や『酸蝕症(歯のエナメル質が溶ける現象)』のリスクにも注意しなければなりません……そして一番注意しなければならないのは、蜜柑1個(Mサイズ)のカロリーは約45〜50キロカロリーで糖質は約11g。これは7個食べると白ごはん1杯分とほぼ同等の糖質に相当します。だから、食べ過ぎると太る原因になることも……。でも、柑橘系の果物にはこの辺は共通して言えることかも知れなくて、蜜柑に限った事では有りませんね。でも、虫歯はちょっと嫌だなぁ、蜜柑食べたらすぐに歯磨きしないとですね。
蜜柑の産地と問われてぱっと、もう脊髄反射的に思いつくのは愛媛県なんじゃないかしら?愛媛は水道の蛇口を捻ると蜜柑ジュースが出て来るなんて言われてるくらいの認知度なんですが、生産量日本一って実は和歌山県なんですよ(2024年度のランキング)。第二位は静岡県で愛媛県は第三位なのだそうな。和歌山県は段々畑で水はけの良い土地を活かした栽培が行われてて甘みが強い物が多く、温州蜜柑の中でも『有田みかん』を主力に生産してるんですって。水道の蛇口を捻ると蜜柑ジュースが出て来るのは愛媛県では無くてひょっとしたら和歌山県かも知れませんよ。静岡もお茶じゃなくて蜜柑ジュースが出て来るかも……。
夏場にハウス栽培の蜜柑をスーパーの果物売り場で見かける事が有るんですが、なんか手を出す気にはならない私です。一番の理由は値段なんですけど、その見た目にも原因が有って、冬場に見られる鮮やかな橙黄色ではなくて少し緑っぽい物が多いんですよね。それがなんだか酸っぱそうに見えて、ちょっと食べたいと思わないんですよね。でも、見た目と糖度は関係無いのかも知れません、ハウス栽培の蜜柑を食べたことが無いのではっきりと酸っぱいとは言えないんですが、食べ物って見た目の印象も大切なんじゃないかなって思います。それに、果物売り場を見渡すと、その頃棚を占領しているのは『西瓜』じゃぁ無いですか。近年の酷暑は体から容赦なく水分を奪いますから、見た目も鮮やかな赤色で噛めばしゃくっとしててジューシーな西瓜に走るのは至極当然な人の反応だと思いません?高額なハウス栽培蜜柑を一個、二個頂くよりも果汁滴る真っ赤な西瓜の果肉にかぶりつきたいと思うのは人間の正常な反応だと思います。だかや食べ物って季節感は大切なんだと思います、炬燵のあたって西瓜食べたいとはあんまり思わないじゃぁ無いですか。冬は蜜柑、夏は西瓜なのですよ。
江戸の庶民は『粋』を大切にしたと言われてます。初物・季節の風物詩を大切にしたその思い、私も大切にしたいなって思います。それに旬の物って美味しいですよ、やっぱし。遠くの名物よりも近くの新鮮な旬の物ですね。




