124.蒸篭で蒸した肉まんが食べたい
電子レンジが無かった時代、その時代にはコンビニもあんまり無かったから肉まん食べたいと思ったら蒸篭で蒸すしかなかったんですよ、めんどくさい時代でしたね。でも、それが良いんじゃないかって思う事も有るんですよ。
今回のお話をタイトルだけ見てるとアンパンマンかいと思ってしまいそうですがタイトル通りのお話です。ふと思ったんですよ、肉まんとかピザまんとか十年単位で食べてないなって。肉まんに関しては青森の実家暮らしをしていた幼い頃にこの季節になると母が結構頻繁に蒸して食べさせてくれたものです。私が小さい頃は、電子レンジの普及率はあまり高くなくて、更にコンビニなんてぇ物もあんましなかったですから肉まんを食べようとすると冷凍の物を買って来てそれを『蒸籠』で蒸すしかなかったんですよね。レンジでチンが出来ない環境って、今思うと結構めんどくさい環境だったんですね。
でも、その分有難さが伝わって来ると言うか手間暇かけた分、美味しさが凝縮されてる気がして幸せ気分も場倍増されたような気がします。テクノロジーを否定する訳では有りませんが、元々、そういう作り方をするものですから、それを再現すると美味しく出来るのは当然な気がしますよね。コンビニのレジ横の蒸し器だってちゃんと蒸気でむしてて電子レンジじゃないですものね。その方が保存が効くと言う意味も有るかも知れませんね。そうそう、以前、某ファミリーマート様でドラゴンクエストに登場する『スライム』を模ったスライムマンが発売された事有りましたね。深水色で中々再現度だと思ってみてたんですが、蒸し器のポップに『レベル上げ中』って書いてあったのにはこの店員さん、中々出来るなって感心したのを今でもはっきり覚えています。私はファミコンに触った事が無いのでドラゴンクエストはタイトルくらいしか知らないんですが、スライムって言うキャラクターだけは知ってます。そういう人多いんじゃないかしらねぇ。私はファミコンよりパソコンで育ってしまった物ですから。
肉まんはそのまま食べます?勿論そのままかぶりついてもめちゃ美味しいんですが私は辛子と酢醤油をほんのちょっとたらして食べるのが好きなんですよね。辛子は少し多めにするとつーんと鼻に抜ける辛さと餡の旨みが絡み合ってそこにしょっぱくてすっぱい酢醤油が絡むと、なんか本格的な中華料理を頂いてる気分になれちゃうんですよね。それは私の食生活が貧しいが故の錯覚に過ぎないんですが、なんだか物凄く贅沢をしているような気分に浸らせてくれます。食べ物はエネルギーの補給手段というだけでなく、心も満たしてくれると言う側面が有るとても良い例じゃないかなんて思ってしまうのはやっぱり私の食生活の貧しさに起因してるんでしょうね。物価高に対応出来ない収入だから少し美味しい物を頂くと物凄い贅沢を射してしまった気分になってしまうのですよ。でもそれが、肉まんにちょい足しで出来てしまうのであれば私の心はある意味豊かなんじゃないかって思ってみたりもなんかします。貧乏は正義……な訳無いですよね。
肉まんが日本で食べられるようになったのは、明治時代に横浜の中華街で販売されたのが始まりとされてるんだそうで、1917年に『肉饅頭』の名称で特許申請されたものが、日本で初めての肉まんの可能性が高いんだそうですがそれ以上の事は良く分かりませんでした。そして1970年代になるとコンビニでも販売される様になり冬の風物詩となり、更に電子レンジが普及してスーパーでも冷凍物が販売されて、その作り方には蒸篭で蒸すと言う表記が有る事は有るんですが殆どレンジでチンになってしまいましたね。おそらく、レンジでチンした物と蒸篭で蒸した物を食べ比べてもそのお味の差は多分私には分からないとは思うんですが、蒸気を上げながら健気に肉まんを蒸してくれる蒸篭の様子を見ながら、出来上がりに心を馳せ過ぎる時を過ごす時間って、案外幸せな時間なのかも知れませんね。特に高度の低い陽の光が差し込んでぼんやりとしたフォーカスに包まれるキッチンテーブルの椅子に座りながらその様子を眺めるのってなんとなく夢を見ている時間の様な気がするのは私だけじゃないと思います。
こんど、レンジでチンじゃなくて蒸篭で蒸してみませんか、肉まん。




