119.おせちに飽きたら、ピザかしら?
人間の味覚が変化する理由を医学的に説明する事など出来ませんが、それを切っ掛けに人生が少しだけ豊な方向に転がるかも知れません。
時代は変わっている様で、私が小さい頃には『おせちに飽きたらカレーもね』と言うのが定番だったんですが最近は事情が変わってるみたいで、おせちに飽きたら『ピザ』らしいです。
……そうですよね、カレーって作らなきゃならないじゃないですか。おめでたいお正月中から仕事したくないですものね。対してピザは、まぁ、住んでる地域には寄るんでしょうけど電話一本直ぐ宅配ってな感じでめちゃめちゃお手軽ですものね。もう一歩譲ってデリバリーでなくて取りに行くとお店によっては半額なんてぇところも有ってリーズナブルこの上なくて、ちっちゃい子も好きだし、少なくともピザで文句言われる事は無さそうですし、おせちの代替えの座を奪われる日も近いんじゃないかなって言う気がします。
でも、私はピザのデリバリーを依頼したことが無くてって言うか、過去に食べた回数を数える事が出来るくらい食べてない、それが何で今に至ってここで話題にしているか、そう、前回のおかきに続いてこいつにも最近ハマりつつあるのですよ。時は昨年のクリスマスまで戻りまして、イブの日に偶々《たまたま》近所の埼玉を中心に展開するスーパーマーケットチェーン店『ヤオコー』様でお買い物してたら、何故か理由は分からないんですが売られてた、店内で焼き上げたと言うピザと眼が有って買い求めてその夜、チキンと一緒に頂いてしまったのですよ。正直あんまり期待してなくてその夜の主役はチキンだと思ってたんですが一口頂いてみたら、生地はもっちりだし、チーズはとろんだし、サラミ系のハムは三種類使われてるしで、思わず1ホール一人で食ってしまったのですよ、ワイン飲みながらね。
それ以来、ピザが結構気になる存在になって、まだ、ピザ屋さんにデリバリーを依頼した事は無いんですがそれから何回かヤオコー様の物を頂いてまして、それのすべてが美味しくて、タバスコを買い求めてお正月には更に美味しくいただくと言う生活をしたものですからこういうお話になってるんですね。
私って、食わず嫌いの食べ物が結構多くて、小学校の給食のトラウマを引き摺ってる関係で、パンが苦手なもんだからそれと似たようなもんだろうってぇ事で今まで積極的に食べようと言う気にならなかったのですよ。でも、クリスマスと言うなんか特別な雰囲気に押されてしまったんですかねぇ。それに普段、麺類でしか口にしない小麦の風味、特に焼き上げた香ばしさや、もちもちとした食感に新鮮さを感じて更に、チーズのコク、トッピングのサラミソーセージやトマトのジューシーな旨味に一瞬でやられた、そういう感じなんですよ。物凄く、10年単位で昔、所沢のピザ専門店でしかも時間制限付きだけど食べ放題のお店が有ってそこに友人数人と出かけた時にはあんまり印象的では無くて、逆にそこに居るのが苦痛に感じたりもしたんですが、味覚と言うのは変わる物なのでしょうか。
10年後、私の舌は何を求めているのでしょうね?人間の味覚が何故変わるのかって言う医学的な理屈や精神的な事に関してはずぶの素人で掘り下げる事など出来ないのですがこういう変化が大人になっても生じるものなのだとしたら、これから生きて行くのがなんか楽しみになったりしません?要は人間生きてる限り、変わって行くものだと言う事で、それが自分の意外な側面を見せてくれる変化で、悪い事に対するものでないとすれば、それは『生きる楽しみ』ととらえて良いんじゃないかしら、とか勝手に思ったりします。
変わるのを好まない方も多いのかも知れませんが、私は変わる事、そしてそれが楽しみに関する事だとしたら、それを生きる糧としてとらえて行っても良いんじゃないかしら。食べる事は生きる事ですしね、そしてその幅が広がるのは人生そのものを豊かにしてくれるのかも知れません。そういう意味で、好き嫌いはしちゃぁイケないのかも知れませんね。
と、言う訳で今夜はまた、安いワインでピザを流し込んでみようかな、なんて考えただけで心が高揚したりなんか致します。




