仕事人間 ~その男、侍につき~
ここはとある会社の会議室。
もくもくと立ち込める煙の中、みんな煙草を吸っている。
みんな一心不乱に煙草を吸っている。
余程のストレスなのか。いや、これは煙草製造会社の一室で、新製品の味や辛さを吟味しているのだ。
それにしても、換気をしているというのに物凄い量の煙だ。
今年で53歳になる田村良一もその一人であり、必死に煙草を吸っている。そう、家族を養うために必死に。
仕事の性質上、始業時間、休憩時間、終業時間はきっちりと決まっている。
時刻は午後五時半を周り、今日も終業時間を無事に迎えることが出来た。
「はぁ。今日も疲れたなぁ。。」
田村はボソッっとため息を付いた。
そして真っ直ぐ社内にある喫煙所に向かいドアを閉め、ポケットから自分のタバコを取り出し火を付けた。
ふーっと煙を吐き、呟いた。
「やっぱり、仕事終わりの一服は最高だな」
カクヨム及びアルファ小説投稿にも投稿しています。
ショートショート、掌篇小説を主戦場として活動する作家を目指しております。