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最終話

同じテンポで描くの難しいです

当て馬令息恋を知る、庭園パーティで4


社交のシーズンが終わると、ブルー公爵領はシルバー国から攻め込まれた。攻め込まれるのははじめてであったが、その目的は最終的に和平交渉になった際に要求されるのはソフィアとシルバー国王太子が気に入ったぶどう畑を含む領土にあるとブルー公爵はみていた。すぐにアーノルド率いるゴールド国軍は援軍としてブルー公爵領に遠征に出かけた。そして1ヶ月という短い期間に敵を退け、今日アーノルドは国王に謁見し成果を報告している。アーノルドの側近ロバート、ウィリアム、マイケル等はアーノルドの後ろに控えている。


「うむ、大義であった。領土を守ってくれたこと、感謝いたすぞ。」


謁見の間までの廊下でアーノルドの横を歩き、今は陛下の一番近くで待機していたネロはアーノルドが報告している間、廊下での会話を回想していた。


「今日は陛下にソフィア嬢との結婚の許しをいただこうと思っている。」


「もし、それが退けられたら?」


「…国を手に入れるのみだ。」


そういうと颯爽と謁見の間に入っていくアーノルドの背中をネロは頭の中を真っ白にしてなんとか追いかけた。


ネロが意識をアーノルドと皇帝の会話に戻すとちょうどアーノルドが望みを言い出すところだった。


「陛下、申したきことがございます。」


「なんだ、望みならなんでも申してみよ。」


「ブルー公爵の第4子、ソフィア嬢と私の結婚を認めていただきたく。」


「ん、ならぬ。第一にこれを許せば国内のバランスが崩れる。第二にそのような有力者の娘は王太子の第二妃としようと考えていたとこじゃ。」


「陛下、もう一度お考え直しくださりませんか。」


「余に二言はな、い」


皇帝が言い切る直前に、アーノルドはその場で唯一帯刀していたネロの剣を抜き、皇帝を切るまでを高速移動の魔法でやってのけ、皇帝の息の根を止めた。


「ネロ、この場と王太子を任せられるか。」


「御意。」


「みなもの、しばらく緘口令をしけ。」


「御意。」


ネロを含む謁見の間にいた兵士達は一同にアーノルドに従った。


「ロバートは国印を、ウィリアムは王宮の警備を、陛下は愛人のところにいったとでも言っておけ。もう夕方だからそれで一晩くらい平気だろう。明日は王室の権利関係の資料、目立つ宝物を公爵家へ運んでおけ、この機に乗じて盗賊に入られては困る。明日私はソフィア嬢の実家、ブルー公爵家へ行くから不在だが、何かあれば連絡してくれ。今後、王直轄領は軍の兵士に分配、王太子は婚約者とは婚約解消。仲の良い娘と私有地で一代限りの公爵として過ごしてもらうつもりだ。婚約解消の知らせはネロに任せる。伯爵令嬢はよければネロ、お前がもらってくれ。王妃、叔母上にはレッド公爵家へ出戻りいただく。国の貴族と主従契約はニ週間後。新宰相はネロ、国軍はロバート、近衛はウィリアムに頼むつもりだ。近々今の王宮は昼間しか使わないようにするから王宮の解体、それから…」


次から次へと指示を出してからアーノルドは今日は血のにおいがするからブルー公爵家へ寄るのはやめておくか、と独言て足早に帰宅しようとしたところに、その場で独りゴールド国王側で国王の乳兄弟、宰相が


「私は承服しかねますぞ。」


とやっとのことで声を出して抗議した。


「二言はないな。」


「え、はい。」


「マイケル、宰相を目隠しして連れていけ。家には急な用事で城に泊まると伝えておくように。明日はアレンを宰相家に寄越して土地の権利関係をまとめてもらおう。アレンは軍務ばかりしている俺の代わりにレッド公爵領の領地経営をやるつもりだったから結構やるのだ。よかったな、皆の取り分が増えたぞ。」


このやりとりがのちに国内の貴族に伝わり、帰属しなければ領地没収だと皆が震え、新アーノルド王の治める国に皆帰属したのだっま。


ネロは後処理をする間、近衛騎士団の身分から王を守れなかったことについて思うところはありつつ考えるのだった。


今回の遠征は領地が増えたわけではなかったのだから、領地を褒美にすることができなかった。また国の今のバランスを考えアーノルドの望みを退けたが、アーノルドの地位、力を考えれば王はアーノルドの意向を最大限汲むべきだった。国軍元帥のアーノルドに匹敵する武力、抑止力などこの国のどこにもないのだから。


ゴールド国はアーノルドが士官した頃から負け知らずで2年に一度、四方八方、他国に攻め入っていた。また先代まで宰相を務めた家柄のネロとしては領地配分がよくなかった。あからさまに手に入れた領土の大半を国の直轄領にした。また直轄領の手入れはほとんどされず、価値が年を経るごとに目減りしていた。兵士に配分し税として国に一番利益をいれる形にすれば、積極的な家なら開拓、開発をやるだろうに。こういったことは近衛騎士団に所属している身分としては思うだけであったが、軍内、その家族の貴族の家では現実に不満が高まっていた。そういった中、希望の星だったのが、アーノルドで、アーノルドとしては私情はありつつ、大方皆の期待に応えたのだった。2年間社交で国中の愚痴に付き合った成果といえた。


翌日の朝からアーノルドはブルー公爵家に出向き、ブルー公爵へ昨日の出来事を報告し、ソフィアとの婚約を認めもらうため許可を求めた。ブルー公爵は快諾し、ソフィアもうれしそうにプロポーズを受け入れた。またアーノルドは国が混乱しているから今日からソフィアはブルー公爵家で過ごした方がいいと進言し、了承を得た。ソフィアは公爵家令嬢であり、慣れない簡単な荷造りをするのにでも半日かかり、その間アーノルドはブルー公爵と今後の国の情勢について打ち合わせしてソフィアの支度を待った。夕方ソフィアがレッド公爵家へつくと、足の踏み場もないほど公爵家の廊下が王宮から運ばれた財宝で埋め尽くされており、事情をしらないソフィアは宝飾品でいっぱいなんて少し悪趣味な家だなと思いつつ黙って通り過ぎた。


レッド公爵家のメイドに案内された先は殺風景な一室だった。ああ、ここは安心するわ、私の部屋の物を全て持ってきても入りそうねと思案しつつ、今日は疲れただろうとメイドに配慮され部屋に食事は運んでもらい、寝る前に一息ついて読書していると、ノックもなしにドアがガチャッと開き、アーノルドが入ってきた。それにたいそう驚き、


「もしかしてここは、アーノルド様のお部屋でしたか?」


「ソフィア、ここに来ていたのか。ああ、メイドからきいていなかったか?」


「はい。」


「部屋を別で用意することもできるが、夜はもう遅いし、一緒では嫌だろうか。」


「いえ、そんなことはありません。」


というやりとりがあり、アーノルドはたいそう喜んだ。


一年後、戴冠式と同時の結婚式を挙げ、2人は新王国を切り盛りしつつ幸せに暮しました。


メアリーの回想

そういえば、ソフィアお嬢様を王妃には興味を持たないように誘導したけど、結局王妃になっちゃったな。そこは強制力が働いた、変えられないシナリオだったということなのかな。



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