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ソフィアの社交界デビュー

当て馬令息恋を知る、庭園パーティで3


時間を少し遡って、ソフィアが留学から帰って、次の庭園会で来ていくためのドレスをメイドのメアリーが選んでいる。


(ソフィアお嬢様は3年前、赤髪の令息、たぶんレッド公爵家の長男、アーノルドと出会っていらっしゃるわ。アーノルドは前世の小説の中では当て馬ポジションで、庭園会で出会った令嬢と王太子の婚約が翌月発表されて、淡い初恋が終わる。またある時稽古しているのを平民ヒロインが少し見ていて王太子が嫉妬して、王太子が奮起、王太子はそれから軍に所属して鍛錬に励み、自ら軍の指揮を取るようになるストーリーだった。でも今世ではそもそもお嬢様と王太子の婚約はまだ結ばれていないから、少しズレが生じているはず。それをさらにつくのがいいかもしれないわね。留学中、ブルー公爵領のその年のワインができたからと領地に隣国王太子、友人を招待していた時ほろよいの隣国の王太子に迫られているのを見た時ははらはらして気が気じゃなかったわ。そもそも当て馬ポジションは優秀なのよ。アーノルド様とそのまま進ませておけばきっとお嬢様は幸せになれるわ。)


「ソフィアお嬢様、次の庭園会は何色のドレスがいいとかありますか。」


「色はないけど、少し大人びた感じがいいかな。」


「あ、もしかして3年前に出会った赤毛の令息を今も想っていらっしゃるのですか。」


「そんな恥ずかしいわ。ただもしあの方に会った時にお礼がいいたいから、並んでも変じゃないよう、少し大人びた感じがいいなと思っただけよ。」


「はい、わかりました。万事お任せください。」


ということで、昼間の庭園会でも浮かないよう、赤に白いレースで全体の印象を柔らかくし、形状は細めのステキなドレスをメアリーは注文した。


社交界デビューする夜会では、王室関連の方がいないという情報を仕入れたメアリーは本来三年前の庭園会で小説中では着るはずだった青色を選んだ。


ソフィアが社交界デビューする夜会の日を迎え、アーノルドはネロ、ロバート、弟のアランをはじめとするレッド派閥の名だたるメンツを連れて参加していた。ほとんど軍のそれなりの地位で適齢期なのに結婚もしていなければ、婚約者もいない。こんな状況は普段ならすぐ女性陣にダンスに誘われ、狩られがちであるが、今日は男性が神妙な面持ちで、かなり近寄り難い雰囲気を放っているから、その一角には誰も近寄ろうとしていなかった。皆、今日は付き合いの深いレッド派閥のパーティでもないのに自発的に、アーノルドの想い人を眺めるためだけに参加し、また適当なところでポーカーをしに賭博場へ移動しようと考えている輩達である。


今日の夜会はブルー派閥の伯爵家主催のものだが、ここでブルー公爵がソフィアをデビューさせるにこのパーティを選んだ理由を説明しておこう。自宅のダンスホールが改装中で公爵家でパーティが今月は開けないというのが表向きの理由で、自宅で帰国したお祝いのパーティと兼ねて開催すると隣国関係者も出席して大規模になりすぎ、ソフィアがそのまま隣国に連れていかれることを危惧したのが本当の理由だった。ちなみに長女がこの方法で連れ去られた、もとい隣国王室へ嫁入りした過去がある。


ソフィアを含めたブルー公爵家の人々が会場に入ってきた。ソフィアは水色のドレスを着て、幸せそうに父にエスコートされ、兄、母、祖父、祖母と連れ立って来ていた。ソフィア17歳、少し遅いが社交界デビューそのものの風景だった。


「あ、あの方ですね?」


と、ネロがアーノルドに耳打ちしても、返答はなかったが、アーノルドを見ると、もうアーノルドの目には水色のドレスの令嬢しか目に入っていないのでその令嬢だと確信した。


音楽が始まり、少し緊張したソフィアがまず父親と共にホール中央に移動しダンスを始めた。その次は祖父、兄とパートナーを変えつつ、ソフィアのダンスが続き、家族の輪に帰ろうとしている中、


「次は親類の叔父か従兄弟あたりが声をかけそうですよ。」


とネロがアーノルドに耳打ちすると、


「なぬ、従兄弟とは結婚できるではないか。」


とぼそっとつぶやくのがはやいか、高速移動の魔法を使ったアーノルドが、次の瞬間にはもう、ソフィアの目の前に立ち、ソフィアの父親に会釈をしていた。あ、その魔法は外でしか使ってはいけないのに、とネロは心でつぶやくが、時すでに遅しだった。


アーノルドに会釈されたソフィアの父親は苦々しそうな顔を隠しもしなかったが、出てきた言葉は、


「ソフィア、いい機会だからレッド公爵子息と踊ってくるといい。」


と、許可を示すものだった。アーノルドは最良の顔をさせて、丁寧にお辞儀をして、やさしくソフィアを誘った。


「どうか、ソフィア嬢、私とおどっていただけませんか。」


「はい、喜んで。来ていらっしゃったんですね。」


等と笑顔で会話しながら2人は仲良さげにホール中央へゆっくり移動し、ダンスを楽しむのだった。


アーノルドは運動神経がよいからダンスはうまいし、ブルー公爵家として教育をみっちり受けているソフィアもダンスは上手で、若い2人がダンスを踊る姿は立派で、周りの目を惹きつけてやまなかった。


ああ、これはいいものを見たな。素晴らしいお方を見つけてよかったよかった。と満足し、ネロ、ボブ、アレン以外のレッド派閥の友人達は満足してポーカーに出かけて行った。アレンは賭博会場にはまだ行けないし、ネロ、アレンはアーノルドとほとんど一緒に行動をしていたのと、今日は特に心配でもうしばらく2人を見守ることにした。陣形が崩れると同時に、勇気を振り絞った令嬢が1人歩いてきたので、今年デビューのアレンがエスコートして令嬢とダンスを踊りに出かけた。


音楽の演奏が一旦終わると、飲み物でも飲もうかとアーノルドが誘い、ちょうど休みたいと思っていたところなんですと、ソフィアも答えて、2人はドリンクをとり、テラスで少し休憩した。


「もう十分ダンスは踊って疲れたであろう?」


と、アーノルドが問いかけると、


「いいえ、デュビタントの日はダンスをお断りしてはいけない決まりでしょう。もうしばらくしたら、私はホールに戻りますわ。おほほ。」


と、意外な答えが返ってきてアーノルドを困らせた。アーノルドは誰の目にもソフィアを触れさせたくないのである。


そこでふと会場の方を見てネロ、ロバートと目をあわせ、2人を呼び寄せると、ではちょうど良い者がいるからお相手いただきたいと、2人のの肩に手を当てて2人をソフィアに紹介した。ソフィアは次はロバートと踊ることになった。その間ネロが賭博場で遊んでいる仲間からタバコの匂いがしない3人、ウィリアム、ジム、マイケルを連れて戻り、その後はその3人と踊った。踊っている間のもっぱらの話題はアーノルドの紹介であり、ダンスを踊ってくれている相手とアーノルドの関係、エピソードを聞き、ソフィアはアーノルドが帝国元帥で、踊っている相手は皆、士官学校時代からのアーノルドの仲間であり、現在はアーノルドの部下であることをはじめて知った。


3人目のマイケルと踊り終えると、さすがにソフィアも疲れて今日のダンスはもういいかなと家族の輪に帰ろうとマイケルに会釈して歩き出すと、ブルー派の貴族がこのチャンスを狙って近づきつつあるのがアーノルドとネロの目に入った。婚約者ではないため、アーノルドはもうダンスには誘えない。そんななか、すかさずネロが間に自然に入り、


「最後にもう一曲だけ私とも踊っていただけませんか。」


とソフィアをダンスを誘い、ダンスが終わると今度は家族の輪までしっかりソフィアを送り届けた。全て、アーノルドが思う、最小限にソフィアの露出を抑え、無事にパーティを終えることができたのだった。この日、パーティの参加者は1人の令嬢がレッド派閥の名だたる人物とばかり踊るのでいぶかしがった。


帰り、アレンは令嬢達に捕まりソフィアを踊れなかったので、踊ったもの達を羨ましがった。


その後、アーノルドは婚約者ではないがソフィアが参加するどのパーティでもエスコートの約束を取り付け、事前に赤いドレスを送り、エスコートをしてパーティの間はソフィアから離れず、社交界ではもっぱら公式の婚約者だろうと認識されており、ブルー、レッド公爵もそれを容認しているようだった。

文言の統一感が崩れており読みにくいかと思います。申し訳ありません。

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