桜
桜の花片が春の風に煽られ、散り始める頃。私はいつも思いだす。かつての親友が咲かせた、
血桜の大輪を。
血風吹きすさぶ中、乱世を彩り寄り添うに散った桜二輪。
舞い散る桜の花片に例えるなり我が人生、死する事一片の悔いも無しに。
桜の時期になると、どうしても思い出してしまう。可憐に咲いて、気持ちの良いほどに潔く散る。そんな桜の花が私は大好きだ。
咲く桜、散る桜。見る人は何を思うのだろう。
いつの世も、桜の花は可憐で美しく、そして哀しい。こんなふうに桜を見るのは、私だけだろうか。
枝垂れ桜のお蘭